【完結】どいつもこいつもかかって来やがれ5th season

pino

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3章 文化祭まで一週間

すげぇ愛おしい。あと、すげぇ可愛い♡

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 俺は今伊織に抱き抱えられながら体育館に向かっていた。
 
 昼休憩中に空と一線を越えた事は黙っていた。空が適当に言って何とかなったけど、あの時俺は伊織を目の前にして本当の事を言っちまいそうになったんだ。
 
 今の伊織はいつもの笑顔だ。
 空が説明した事を信じてるのかは分からない。
 だけど、俺を抱き抱える腕の力は強かった。


「貴哉、早川とランチ楽しかったか?」

「えっああ、まぁ……」

「そっか。俺も貴哉と過ごしたかったな~。詩音さんも寂しがってたぞ?」

「伊織……」


 いつも通りにしてくれる伊織に俺の心は痛くなる一方だった。
 ズキズキして、苦しい。
 全て話して楽になりたい。


「貴哉、ちょっと寄り道しようぜ♪」

「寄り道?」


 伊織は俺の顔を見てヒョイっと進む方向を変えた。そして辿り着いたのは図書室の隣の部屋だった。
 中に入ってすぐに伊織に抱き締められた。
 あ、ヤバい……もうダメだ!黙ってられねぇ!


「伊織っ!俺っ……」

「貴哉」

「っ!」


 俺が喋る前に伊織にキスで口を塞がれた。
 舌を入れられて掻き回される。
 俺はただ黙ってキスをされていた。
 
 しばらくして離れて行く伊織の顔は悲しそうなものだった。


「貴哉、今は何も言わないでくれ。俺も聞かないから。じゃないとお前も早川も文化祭も全部壊しちまいそうだ」

「伊織……」

「俺はお前が俺んとこにいてくれればそれでいい。だからお前も俺に言いたい事は忘れていつも通りにしててくれないか?」

「伊織はそれでいいのか?大丈夫なのか?」

「貴哉が俺のものでいてくれるならいい♪大丈夫だから貴哉は何も気にするな」

「伊織ぃ」


 優しく笑う伊織はその後も何度も俺にキスをした。口だけじゃなくて、ほっぺやおでこにもたくさん。
 伊織の俺から離れるなと訴えかけるような愛情表現に俺は、とうとう腕を伸ばして応えた。

 背中に腕を回して強く抱き締める。
 男らしくて逞しい体、そして甘くて爽やかな匂いに俺は甘えるように伊織の首元に顔を埋めた。


「伊織、ありがと。すげぇ愛おしい。あと、すげぇ可愛い♡」

「貴哉ぁ♡俺可愛い!?可愛いくなれた!?」

「ああ。めちゃくちゃ可愛いよ♡」

「やったー!早川を超えたー!」

「あ!?んだよそれ!てかんな事言ってねぇだろ!確かもっと好きになるかもって言っただけだろ!」

「同じようなもんだ♪さて、そろそろ行くか~。マジで二之宮に角生えるからな」

「あ、茜怒ってるんだっけ?はぁ、気が重いぜ」

「怒ってるってか心配してる。一緒に謝ってやるよ」

「本当か?万が一怒ってても甘えて許してもらおーっと♪茜は俺の事大好きだからなぁ♪」

「……そうしな。二之宮は貴哉に激甘だからな~」

「どこがだよっ!あいつのスパルタのせいで、ここ数週間俺何度も死ぬかと思ったんだぜ!?でももう明日で終わるのかって思うと少し寂しい気もするけどな」

「なんなら演劇部に移動するかー?貴哉がそうするなら俺もそうするぜ♪」


 伊織が笑いながら言うから「バーカ」と言って俺も笑った。


「部長が何言ってんだ。ボラ部でも大変だってのに演劇部になんて入るもんかよ。明日が終わったら俺はボラ部でのんびりやるぜ~♪」


 本当は部活は文化祭が終わったら辞めるつもりだったんだ。ボラ部に入ったのだって、神凪から言われただけでやる気無かったし、嫌々やってた。
 でも、こうしてボラ部も演劇部もこなして行く内に愛着が湧くって言うの?
 面倒くせぇ事もあるけど、楽しいなって思える瞬間もあるんだなって勉強になったわ。

 だから部活を辞めるかどうかはまだ未定だ。
 てか空が入った事で続けようかと迷ってたしな。

 無事に神凪ミッションクリアを出来たら、改めて続行するか考えなきゃなー!
 とにかく今は演劇部に集中だ。
 もし失敗したら今度は冬休みが無くなるかも知れねぇからな。
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