頭にきたから異世界潰す

ネルノスキー

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第4章

第54話ーー殻破りーー

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お待たせしました!
久しぶりの投稿ということで短めです!すみません!






「ぐおおおぉぉおおおっ!!」

 荒れ狂った死の大地。生物の存在など一切許さないとばかりの荒廃したその土地で雄叫びと共に一人の男がまるで巨大なオブジェクトと化した謎の物体から殻を突き破る雛鳥の如く姿を現してきた。

 尤も殻を突き破るのは雛鳥などではなく蛇のような、或いは絡みつく黒い炎のような模様をした両腕に、悪鬼羅刹も裸足で逃げ出しそうなくらい苛立ちがたっぷりと込められた極悪顔をした葉山弓弦であった。

「あーっ!クッソなんだこれ?!堅過ぎんだろ?!」

 どうして彼がこんなにも苛立っているのかというと、正しく言葉の通りであった。
 恐らく普通なら山の一つや二つ、粉砕して粉微塵になるだろう拳を何度も何度も打ち付け、破壊を試みているのだが、どうやらこの甲殻恐ろしいほどの耐久性があるらしく数十発を叩き込んでようやく亀裂やヒビが入りだすという状況であった。

 そんなわけで約一時間。激しい物理殴打を繰り返すことでようやく人一人分の大きさの穴を開くことに成功した弓弦は悪態を吐きながらもぬるりとした動きで殻の中から這い出てきた弓弦は早速現状確認へと意識を切り替えた。

「ふぅ、ようやく出れたか……服は、まぁねぇわな。それにしてもなんだ?ここ……話に聞いてたよりだいぶヤベェな」

 とりあえず全裸であることは分かっていたようでほぼスルーするが、腰に手を当てて周囲の光景を眺める姿は誰がどう見ても変態もしくは露出狂なのかと疑うくらいに堂々とした立ち姿であった。
 きっと童話にある裸の王様もこんな威風堂々とした姿で凱旋していたのだろうが、それでも言いたい。
 せめて前くらい隠せ!と。

「確か、進化すんのに十日くらいかかったって言ってたっけ。んー……前のに比べりゃ随分デケぇし堅てぇしでもっと時間かかってもいいと思うんだが……これも魔素の影響かね」

 などと根拠のない適当な推測を口にする弓弦だったが、実はその推測。大正解だったりする。
 『魔に魅入られし者』の効果は自己の存在進化であり、進化するには莫大なエネルギーが必要となる。
 そのエネルギーというのが俗にいう経験値となるわけだが、進化する前段階にいくら大量に、過剰なまでの魔物や魔獣を喰らい栄養を摂取していても進化中の栄養源として消費されていってしまう。

 勿論それはそれで問題ないのだが、魔素の薄い空間で進化するよりも魔素が濃い場所で進化した方が消費されるエネルギーが抑えられ、呼吸をするように外部から新鮮な魔素を吸収することで進化の促進を早め、更にはより強力な力を手に入れることが出来る。

 分かりやすく数値化するなら普通の進化が10→100に対して魔素濃度が濃い場所での進化は10→100+50的な効果をもたらしてくれる。

 実際の弓弦のステータスは既にバグっているので不明だが、数値化しなくとも力だけなら魔王と並ぶだけの強さは持っているので余り意味はないだろう。

「まぁその辺は別にどーでもいっか。それより腹も減ったし迎えが来るだろうからそれまで飯にすっかね」

 そういってパチンッと指を鳴らすと全身の蛇のように纏わり付いた黒い炎のような模様から本当に炎でも吹き出したかのように弓弦の全身を包み込むと一瞬にして炎は形を変えて元の世界で着慣れに着慣れた着崩された制服姿へと変わっていった。

 その変化を見て弓弦は「まぁこんなものか」と納得して見せる。
 弓弦のやったことは普通に驚くべき行為なのだが、実は今弓弦が身に纏っている制服は正確に言えば服ではなく、肉体の一部が変異して出来たものだったりする。

 よく魔力を変質させ、それを身に纏う的なラノベあるあるのような展開ではなく身体の一部。要するに皮膚の部分を服のように擬態させているだけに過ぎない。

 なので別に防御力も上がらなければ俊敏性やパワーが増したりもしない。だって肉体の一部が服のように形を変えてるだけなのだから上がるはずもないのだ。
 
 つまり何が言いたいかというと、今の弓弦は見た目こそ良くなったが、本質的には未だ全裸。フルオープンの全開状態なのだ!
 露出狂の人がいたらある意味興奮せずにはいられない!ついでに警察からもお咎めなし!

 そんな究極ともいえるトランスフォーム状態だが、別に弓弦としてはそんな気もなければ露出狂でもないので興奮など一切しないのだが……単純に倫理観というか羞恥心的問題である。
 裸を見られることに抵抗はないが、それでも見せたがりというわけではないし、羞恥も当然ある。なので違うと分かっていても服っぽいものを纏っていようと思っただけに過ぎない。

 ちなみにこの肉体を服に擬態させる技術だが、弓弦が進化したから当然のように出来るようになったというわけではない。
 夢の中で女神と共に時間という概念に囚われないことを良いことにさっさと戻ろうとする弓弦に対して女神が安い挑発をしたところ、見事に釣られてしまった弓弦が骸骨王ですらしないような地獄のフルコースメニューを完遂してきたからに他ならない。

 とはいえ、そんな骸骨王でもドン引きな訓練をしてきたとしてもあくまでもそれは夢の中の話である。
 現実の肉体に戻った時、夢の中で出来たことができ現実でも出来るとは限らない。
 いくら神域に限りなく近い夢の中とはいえ、肉のある身体と精神だけの身体では勝手が違って来るものだ。

 そんなわけで早速最初の獲物を探していると、毒々しい虹色をした湧水が流れていく先にあった池のような場所を見つけた。

 ジッと目を凝らして久しぶりに視界を熱源感知に切り替えてみるが。

「………気のせいか?」

 視界には熱源など一切ない青一色の光景が見えるばかりで特に変わったものが見当たらなかった。
 だが、何となく違和感を感じて熱源感知をやめて通常の視界に戻してから望遠を使って池の周囲一帯を隈なく観察してから本当に何もない事を悟ると自分でも気を張り詰め過ぎているのかと思い池から視線を外そうとした時。

「ギョァァーッ!ギョァァーッ!」
「……ん~?なんだ、あれ?」

 池の向こう側より気の抜けるような、それともギャグ漫画に出てきそうな謎の鳴き声を上げてやってきたのは首の長い頭部が二つある空飛ぶダチョウのような魔獣だった。
 丸々と太った身体からは四対ニ枚の羽を羽ばたかせ、ギョロギョロとした眼球がひたすら周囲を見回していることから獲物でも探しているのが窺える。

 距離的にはまだ二キロ以上離れているというのに姿がハッキリと見えることや特になんの強化もしていない状
態で泣き声が鮮明に聞こえることからその図体はちょっとしたビルくらいはあるんじゃないかと推測する。

「ふむ。寝起きでいきなり肉ってのはどうかと思うが、まぁ鶏肉なら淡白だしいっか」

 地球では寝起きにカレーライスどころかカツ丼だろうがすき焼きだろうがあれば何でも食う男が何かのたまっているが……一応健康面をきにしているらしい。
 魔物や魔獣をただ不味いだけの食料として見ている時点で色々とおかしいのだが、ツッコめる人員がいないのがなんとも居た堪れる。

 そんなわけであと数分もしないうちにここまでたどり着くだろうと推測した弓弦は臨戦態勢に入り、ついでに先制攻撃の奇襲もしかけてやろうと無駄に頑丈であった殻の破片を投擲しようと身構えていると。

「……は?」

ーーグォオオオオオオオオンッ!!

 謎のダチョウ鳥が池の上空を通過する直前、池の中から大地を揺るがすほどの雄叫びと共にいきなり何かが飛び出して一瞬にしてビルほどはあるダチョウ鳥を丸呑みしてしまった。

 それは鯨が時折海面へと浮上する時のような感動的光景……などでは一切ない。
 何の前触れもなく突然垂直に現れたソレは数秒と経たずに高さ二百メートルまで上昇し、その後は逆再生でもするかのようにそのまま飛び出してきた池の中へと戻っていったのだ。

 その余りにも突然な光景に思わず呆然としてしまうが、それでも無意識の内に右目の視界を熱源探知に切り替えて驚きの声が漏れてしまった。

「……おいおい、真っ青じゃねぇか」

 そう、生物なら絶対にあるはずの体温がダチョウ鳥を丸呑みにした塔のような怪物には一切なかったのだ。
 それは本来絶対にあり得ないことである。
 どんな生物であろうとも生きていれば微弱ながらも熱源は存在するし二百メートルもの巨大がたった数秒で上昇するなど凄まじい運動量に他ならない。
 それなのに熱源など一切なく真っ青だった光景に不気味なものを感じ取ってしまう。

「どういうことだ?熱源感知がイカれたってわけではなさそうだし、偽装したにしては流石に完璧すぎだろ」

 自分の掌を握ったり開いたりしながら視界を熱源感知や暗視モードに切り替えたりして自分の視覚に異常がないことを確認しながら推測を口にしていくが、どれもしっくりこない。

 一番有力なものとしては先程の魔物はアンデッド系の魔物で既に死んでいるから体温がなかったというものだったが、それだと今度は魔石が見当たらなかったことが謎になる。

 熱源感知のようにはっきりと視覚化されるわけではないので確たることは言えないが、生物の持つ心臓とは別に魔物や魔獣が持つ魔石の位置というか存在がぼんやりと分かるのだが、あの魔物にはそれすら見当たらなかったのだ。

 いくらアンデッド系の魔物であってもただの死体が勝手に動き出すわけではない。
 必ずその原動力となる魔石あるいは核となるものが必要になる。

「……ってことはありゃひょっとして根っこか何かってことか?」
『ほぉ。アレの正体を見破ったのか』
「ん?おぉ、随分早いお出迎えだな。おっさん」

 一通りの考察の結果を呟いていると背後からその呟きに応える声がして振り返るとそこにはふよふよと相変わらず禍々しい気配を漂わす長杖を携えた骸骨王が現れた。

『あれの名はイビルプワゾンというのだが、奴の本体はこの地中の最深部におる。それを叩かねば奴は何度でも蘇生し、数を増やしてくる面倒な魔物だ』
「へぇ。そりゃまた詳しいことで」
『当たり前だ。我らがこの土地をどれほど管理していると思っておる?』
「ごもっともだ……それよりも、今回はかなり世話になったみたいだな。助かったよ」
『……』

 意識を失ってからのことは分からないが、女神から骸骨王が随分と世話を焼いてくれていたことを聞かされていたので素直に礼を口にしてみると、骸骨王は何故か開いた口が塞がらないとでも言いたげに口を半開きにしてこちらを見つめてくる……ただの白骨なので表情は読めないが、雰囲気から心底驚いているというのが伝わってくる。

「……おい、なんだよ。なんか言えよ」
『……ふっククッ……まさか、貴様からそのような素直な言葉が聞けるとはな。相変わらず面白い小僧だ』
「チッ……うっせーな。んなことより他に言いたいことがあんじゃねぇのか?!」

 声を荒げてそう問い返すが、照れ隠しでやっているのは丸わかりなので骸骨王としてはそれが微笑ましく思えたのか若干柔らかい空気になり弓弦に急かされるがまま口を開いた。

『まず、いくつか確認しておこう……彼奴。ティリヌスとの会合は果たせたか?』
「……やっぱ知ってやがったか。あぁ、ついでに色々と話が聞けたよ」
『そうか……それで、貴様の答えは?』
「分かりきったこと聞くんじゃねぇよ……って言いたいとこだが、場合によっちゃ変わってくるな」
『……ほぉ?』

 俺の答えに興味を持ったのか続きを促すように顎をシャクって促してくる。

「アンタも気付いてると思うが、俺の中にいる亡霊達……こいつらも元は人間だ。それも感覚的にも倫理的にも俺に近い感性を持った奴らだ。
 クズを見逃す気は更々ねぇが、無差別だけはやめてやろうと思っただけだ」

 その答えを聞いて骸骨王は片手で顔を覆い隠すと『フッ……フハハッ』とこみ上げる感情を押し殺そうとする声が漏れ聞こえてきたが、それはすぐに決壊したらしく。

『フハハハハッ!』

 と、見事なまでにタメの効いた笑の三段活用をして大笑いし出した。そして。

『傲慢極まれりとは正にこの事だな。小僧、貴様は神にでもなったつもりか?それとも自分の言っていることも理解できぬ愚者であったか?』

 怒りとは違う、だが大笑いしていたような快楽的とも逆に高圧的とも違う何か責め立ててくるかのような物言いを骸骨王は弓弦へとぶつけるが、当の本人としてはそんなことどこ吹く風とばかりに飄々とした態度で言い返した。

「おっさんこそ何言ってんだ?傲慢?神?……バカも休み休み言え。“元”とはいえ俺だって人間だったんだぞ?
 自分勝手で我儘で欲望のままに行動し、身勝手な理由で全てをぶち壊す暴君……そんな“人間”に向かって傲慢?神気取り?ハッ!あんま笑わせんなよ。
 んなくだらねぇ説教垂れるくらいならもっと早く、ずっと昔にアンタが終わらせてやるべきだった。
 そうしなかったから俺が、俺の勝手な理由で終わらせようとしてるだけだ」

 散々好き勝手やってきた連中にこれまでのツケを支払ってもらう。それがどんな形になろうとも知ったことではない。

 弓弦の言い分は言い方こそ問題だが、取り繕うことなく飾らず言葉にするのなら正にその通りだった。

 それに対しての骸骨王の諫めるかのような言葉もまた間違ったものではない。だが……弓弦の言う通りその言葉をかけるには余りにも遅すぎた。

 人間という一つの種族がもはやただの害悪でしかないと分かっていたならとっくの昔に根絶やしてしまえば良かった。
 それなのにそれをしなかったせいで自分たちはこの世界に強制的に召喚されてしまったのだ。

 様々な理由や事情があるにせよ、裁ける立場にいた筈の骸骨王が手を下さなかった。それだけでいくら言葉を尽くしても弓弦にとっては何の意味もない。
 
 何せ、弓弦にとってこの世界の。いや、この世界そのものが自分から大切な者たちを奪っていった明確な敵なのだから容赦もなければ寛容さを見せる理由もないのだ。

 それでも自分の価値基準という非常に曖昧で不確かなものでも情状酌量の余地を与えようというのだ。
 基本的に敵と見定めた相手に容赦などしない弓弦にしては寛容とも言える態度である。

 ただその事を理解した上での弓弦の言動だったとしても、普通なら到底受け入れられるものではない。
 言い分も主義主張も何一つ間違ったものではないにしてもまともな感性を持ったものなら反論せずにはいられない。
 何せ弓弦の主張は間違っていないだけで、歪んであることに間違いはないのだから。

 ……とはいえ、まともな感性を持っているならである。

『ふん。今更その事で口を出そうとは思わぬ。我らはただこの地を治め、この世界の行末を見届けるのみだ。人族など滅びるに越したことはないが……さりとて、これでも我らは貴様を気に入っているのだ。それなのにくだらぬ理由で貴様が壊れてしまったら余りにもつまらぬ』

 と、言っているが要は骸骨王もまた折角現れた面白い存在がどうでもいいと見放した存在の手によって壊れてしまうのを嫌っているのだ。

 まともな感性?主義主張?いや、知らんし。
 そんなものは“星降り”と共にどっかにきえたわ。とでもいうかのように骸骨王もまた人間に対しては非常に辛辣……というか、路傍の石ころよりもどうでもいい存在としてみている節があるので、そんなもんよりまだ甘さの残ってそうな弓弦の方が心配だと思っているらしい。

 完全に思考というか、眼差しというか、それらが少しヤンチャな近所の子供に向ける雰囲気ではあるが……それでも骸骨王の心配も分からないものではなかった。

 これまでとんとん拍子でやってきて、それなりに時間をかけてきたとはいえ、元々はこの世界の子供にすら劣る能力だった弓弦が今や世界屈指。魔王にも引けを取らない実力をたったの一年ちょいで身につけてしまったのだ。
 それを考えたら弓弦の発言は「コイツ調子に乗ってんじゃねぇだろうな?」と思わずにはいられなかったのだ。
 だから敢えて苦言を呈してみたのだが、それに対して弓弦はというと、一瞬キョトンとして表情になると続いて面白そうにそして何処か不敵な笑みを浮かべて応えた。

「ハハッ!そこは安心しろよ、さっきも言ったが生憎と俺は“元”人間ってだけで“今”は違う。それに、あのクソ女神のせいでアホみたいに向こうで歳食ってきたからな。そこまで馬鹿じゃねぇし、ガキでもねぇよ」
『ふん?我らには以前と殆ど変わらぬように見えるが?』
「あ~、その辺はアレだ。女神が気を利かせてか精神年齢をちょいと弄ってくれたんだ。じゃなきゃこっちに戻ってきたときに廃人寸前か、何らかの異常をきたすだろうってことでな。
 ま、そんときゃそん時でおっさんがどうにかしてくれるだろうってことだったが、流石におっさんに頭ん中弄られるのも嫌だったんでな。女神に頼んだってわけだ」
『あぁ、なるほど。そういうことであったか……確かにその方がよかろうな。我らでも精神への干渉は造作もないことだが、結局のところ自力でどうにかするしかないからな。我らでも限界はあるだろう』
「やっぱそうなのか」
『寧ろ別人格に造り替える方が楽ではあるな』
「……やめといて良かった」

 心の底からそう安堵の吐息を漏らすと、何となくだがこんなやりとりも悪くねぇなと思ったのか僅かに口角を吊り上げる。

「さて、そんじゃ戻るとすっかね。こっちじゃそんな時間が経ってねぇだろうが、ミリナのやつがそろそろ駄々を捏ねそうだしな」
『ふっ、それならもう手遅れであるぞ。我らの転移に干渉してこの場所も突き止めておるからな……全く手を焼いたものだ』
「ハハハッアンタからそんな言葉を聞けるとはな。一体どんな進化してんだか」
『進化か。それとは違うが、貴様の身内もまた面白い粒が揃っているではないか』
「あ?……ひょっとしてアイツら来てんのか?」

 骸骨王の言葉に一瞬眉を寄せたが、結奈のことなら骸骨王は必ず『娘』と呼ぶことから『身内』などというやや迂遠な言い回しに直ぐに誰のことかと察することが出来た。

『うむ。ナクラにショウゴと言ったか、我らとしてはショウゴという小僧がやってることの方が面白いが、ナクラという童(わっぱ)もまた色々と考えてあるようでな。見ていて飽きぬわ』

 カラカラと骨の身に似合った笑い方をする骸骨王の話を聞いていて、一瞬どう反応したらいいか分からなくなったが、それでも胸の奥から溢れてくる再会とい喜びの方が勝ったのか。

「ならさっさと戻るぞ」

 と自分でも意外に思える程に声が弾んでいた。




 



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