コブシ文庫(ピンク)

コブシ

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意味不 <2>

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マンションの部屋に入る。

つい何時間前は、赤の他人だった関係なのに、その人たちの部屋に入る非日常。

 通常だったら、ありえない展開。

お互いだいぶ酒も入っていたから、麻痺していた。

 部屋に入り、乾杯して飲み始めた。

 子供たちも、相変わらず仲良く遊んでいた。

 1時間くらいたった頃。

 「私、眠くなってきちゃった。先に寝ま~す!」

 相手の奥さんが、そう言って子供たちを置いて、寝室に行った。

 今考えると、私たちもその時が帰るべきタイミングだった。

 「ま~まだいいじゃないですか~、明日休みなんだから、飲みましょうよ!」

 旦那さんがノリノリで言うもんだから、ついつい甘えてしまった。

 「パパ~、こっちきて遊ぼ~!」

 子供にそう言われ、子供たちと3人で遊んでいた。

 「・・・してないんですよ」

 「セックス・・・」

 「もぅ~なんかね~できなくて・・・」

 子供たちと遊んでいると、私の耳に入ってくる旦那さんが発する言葉。

(俺の聞き間違いかな・・・)

一抹の不安を抱き、ちょこちょこ旦那さんがいる方に戻ってみる。

さっきまで饒舌に話していた旦那さんが、話すのを止める。

なんか、さっきまでの和気あいあいとした気持ちがウソのような気持ちになってきた。

 「パパ~!こっちきて~!」

 今度は明確に聞き取ろうと、子供たちと遊びながら耳を澄ました。

 「ホント最近、嫁とはセックスレスでね~。」

 「いい加減、我慢できなくなっちゃいますよ。」

 「奥さんとこは、どうですか?」

 百歩・・・いや、千歩譲って、酔うてるからそんな話しになったとして、私にも話すんなら分からなくもない。

 私が側に行ったら、話し止めるって、どういうつもりやねん!

コイツ、頭わいとるな。

 私は、一気に不機嫌モードになった。

 「そろそろ帰ろかっ!」

 私は、怒るとスゴく分かりやすい。

 声が大きくなり、ラ行が巻き舌になる。

 妻はそれを知っているので、わかった様子。

 「そうね、帰ろっか。」

 私は腹が立つから、旦那の顔を見なかった。

だから、どんなツラして私たちを見送ったのか知らない。

 後で妻に話しを聞くと、私が子供たちと遊び出した時から、嫁とセックスレスなんだと話し始めたとの事。

 妻も、どう返答していいかわからず、相槌しか打てなかったらしい。

もし、お宅もセックスレスでしたら、私と・・・とでも思っていたのだろうか?

というか、旦那おる前で、人の嫁によーそんな話するわ。

 私は他人夫婦と話しをする時は、旦那7、嫁さん3くらいの割合で話すように気をつけている。

 自分の中では、それが礼儀だと思っているので、女に割合を多く話す奴見ると、アホかと思ってしまう。

にしても、あの夫婦、大丈夫なのだろうか?
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