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第3章 Grasp all , Lose all.2 1995年 亘編 夏
草刈る山路が笛の音Ⅰ Every step you take my eyes follow.
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あー。
紅緒を部屋に入れてしまった。
くそぉ、今夜は一人になりたくなかったのに。
崇直に泊まっていけって、言えばよかった。
せめて下まで見送りたかったのにさ。
あんなにあっさり帰らなくても良いじゃないか。
ん?
エレベーターの↓ボタンが点灯してる。
あーーーーっ!!!
今夜、家で久々に飲もうぜって言ってたんだった。
あぁあぁぁ、すまん。
色々とすまん崇直。
エレベーターが上昇してきた!
崇直が戻ってきたんだよな。
エレベーターが到着したベルが鳴る。
ドアが開くと、崇直が腕組みしてこっちを見ていた。
「崇直、スマン」
本当にごめん。すっかり忘れてた。
呆れ顔で、一瞥される。
だって。
「まさか、紅緒がいるなんて思わねーだろ。それに、先輩がまー爺どころか紅緒やおまえとも顔見知りって」
思わずため息が出る。誰が想像するってんだよ。世間が狭すぎるんだって。
だとしても。
「僕だけ蚊帳の外だ……」
落ち込んでたら、崇直が肩を軽く叩いてきた。
「まーそんなに、落ち込むなって。接触絶ってたそっちにも問題あるからな」
「それは否めん」
「おまえ、まー爺の仕事知らなかっただろ」
そーなんだよ。必殺遊び人が名刺持ってたんだよ。
「驚いたよ。笠神ビルの取締役だって。名刺もらちゃった」
崇直によるとあのクラブのオーナーで、そっちがメインの仕事らしい。
先輩も言ってたな、人と人を繋ぐ仕事だって。
今、僕が学んでるのが、正にこの「暗黙知としての人脈の構造化とサプライチェーンの効率化」なんだよね。
意気揚々と説明してたはいいが。
まいったね。崇直が、腹減ってると思って何かないかと冷蔵庫開けたんだけどさ。
「どうしよう、崇直。ナンにもない」
「コンビニでも行くか?」
お互い顔を見合わせる。
「腹減ってる? もしかして」
だよな。僕のせいで、ゴメンよ。
「冷凍の餃子があるんだ。生餃子、近所の中華屋で冷凍買ってきてたんだ。それからご飯もあるから、それ食べよ、な」
僕は冷凍庫から餃子の入った袋を取り出した。確か二人前はあったはず。
パントリーを開け、買い置きのパックご飯を取り出しシートをはがして電子レンジに突っ込んだ。
餃子は箱入りなんだが、ビニールコーティングで手じゃ裂けねーや。
歯で噛み切れるか、これ。
よし上手く裂けたぞ。
焼こうとしたら崇直が自分でやるからと、フライパンごと持っていかれた。
それにしても、喉が渇くな。あんな酒の飲み方はやっぱ宜しくないね。
「晩飯は先輩と食べたから、全部食って。あー、喉がカラカラだ」
そうだ、紅緒が作ってくれたレモン水、あれ美味かったな。崇直の分も作ってやろう。
あの麦茶も、今度教えてもらって買っとくか。
「これ美味いな。麦茶もだが、なんか今日は意外なことだらけだったよ」
レモン水を渡すと、崇直は一口呑み美味いねって笑った。
トレイを出してやったら、そこに焼きたての餃子とチンした炊きたてご飯、レモン水を乗せリビングへ持っていった。
美味そうに餃子を食ってる崇直を見てたら、幸せそうで何だか眠くなってきたよ。
欠伸が止まらない。
「ふああぁ~っ。食ってる間に先に風呂入ってて良いか。布団出すの面倒だから、一緒でいいよな」
ゴメン崇直。
いつも僕が隣で気持ち悪いだろうが、一人寝は特に今日は辛いんだ。付き合ってくれ。
「ついでにパジャマも出しとくよ」
あーあ、すっごい呆れた顔でこっちを見てるよ。
こんな男が親友で、崇直も災難だよな。
ごめん。
紅緒を部屋に入れてしまった。
くそぉ、今夜は一人になりたくなかったのに。
崇直に泊まっていけって、言えばよかった。
せめて下まで見送りたかったのにさ。
あんなにあっさり帰らなくても良いじゃないか。
ん?
エレベーターの↓ボタンが点灯してる。
あーーーーっ!!!
今夜、家で久々に飲もうぜって言ってたんだった。
あぁあぁぁ、すまん。
色々とすまん崇直。
エレベーターが上昇してきた!
崇直が戻ってきたんだよな。
エレベーターが到着したベルが鳴る。
ドアが開くと、崇直が腕組みしてこっちを見ていた。
「崇直、スマン」
本当にごめん。すっかり忘れてた。
呆れ顔で、一瞥される。
だって。
「まさか、紅緒がいるなんて思わねーだろ。それに、先輩がまー爺どころか紅緒やおまえとも顔見知りって」
思わずため息が出る。誰が想像するってんだよ。世間が狭すぎるんだって。
だとしても。
「僕だけ蚊帳の外だ……」
落ち込んでたら、崇直が肩を軽く叩いてきた。
「まーそんなに、落ち込むなって。接触絶ってたそっちにも問題あるからな」
「それは否めん」
「おまえ、まー爺の仕事知らなかっただろ」
そーなんだよ。必殺遊び人が名刺持ってたんだよ。
「驚いたよ。笠神ビルの取締役だって。名刺もらちゃった」
崇直によるとあのクラブのオーナーで、そっちがメインの仕事らしい。
先輩も言ってたな、人と人を繋ぐ仕事だって。
今、僕が学んでるのが、正にこの「暗黙知としての人脈の構造化とサプライチェーンの効率化」なんだよね。
意気揚々と説明してたはいいが。
まいったね。崇直が、腹減ってると思って何かないかと冷蔵庫開けたんだけどさ。
「どうしよう、崇直。ナンにもない」
「コンビニでも行くか?」
お互い顔を見合わせる。
「腹減ってる? もしかして」
だよな。僕のせいで、ゴメンよ。
「冷凍の餃子があるんだ。生餃子、近所の中華屋で冷凍買ってきてたんだ。それからご飯もあるから、それ食べよ、な」
僕は冷凍庫から餃子の入った袋を取り出した。確か二人前はあったはず。
パントリーを開け、買い置きのパックご飯を取り出しシートをはがして電子レンジに突っ込んだ。
餃子は箱入りなんだが、ビニールコーティングで手じゃ裂けねーや。
歯で噛み切れるか、これ。
よし上手く裂けたぞ。
焼こうとしたら崇直が自分でやるからと、フライパンごと持っていかれた。
それにしても、喉が渇くな。あんな酒の飲み方はやっぱ宜しくないね。
「晩飯は先輩と食べたから、全部食って。あー、喉がカラカラだ」
そうだ、紅緒が作ってくれたレモン水、あれ美味かったな。崇直の分も作ってやろう。
あの麦茶も、今度教えてもらって買っとくか。
「これ美味いな。麦茶もだが、なんか今日は意外なことだらけだったよ」
レモン水を渡すと、崇直は一口呑み美味いねって笑った。
トレイを出してやったら、そこに焼きたての餃子とチンした炊きたてご飯、レモン水を乗せリビングへ持っていった。
美味そうに餃子を食ってる崇直を見てたら、幸せそうで何だか眠くなってきたよ。
欠伸が止まらない。
「ふああぁ~っ。食ってる間に先に風呂入ってて良いか。布団出すの面倒だから、一緒でいいよな」
ゴメン崇直。
いつも僕が隣で気持ち悪いだろうが、一人寝は特に今日は辛いんだ。付き合ってくれ。
「ついでにパジャマも出しとくよ」
あーあ、すっごい呆れた顔でこっちを見てるよ。
こんな男が親友で、崇直も災難だよな。
ごめん。
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