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第五話・闘うお父さんファイト!25時間闘えるかな?
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タイムマシンでオレとマヤは、通常の時間軸に戻ってきた。
誕生日の翌日──オレは運命に抗えず、風俗嬢風の女性と出会ってしまい、そのままホテルで過ちを犯してしまった。
(あの名前も知らない女性とは、もう連絡はつかないし……今ごろはマヤを妊娠した体で、マンコ・カパック星に宇宙船で向っているんだろうな)
オレがそんなコトを一階の居間でボーッと考えていると、いきなり携帯瞬間移動装置でマヤが現れた。
「お父さん、元気ぃ」
「マヤ……おまえ、いきなり現れるなよ、オレにもプライベートが」
「地球のサルにプライベートなんて存在しない……お父さん、そこにいると危ないよ」
「危ないって何が?」
「もう少しだけ後ろに下がった方がいいよ……うん、その辺りなら安全だから」
そう言うと、マヤも数歩オレからの離れる──直後にオレとマヤの間を分断するように、茶色の体毛に覆われた鋭い爪の巨獣の足が天井を突き破って出現した。
「うわぁぁぁぁぁぁ⁉」
「次の侵略怪獣が現れたよ」
巨大な足は持ち上がり、家に開いた穴から通過していく巨獣の背中が見えた。
オレは急いで家の外に出て確認する。
茶色の毛むくじゃらの巨体の背中に生い茂る植物群──その姿は怪獣ノートに描いた見覚えがある怪獣だった。
「巨獣『合成鈍獣メガテリウム』……そんな、まさか」
オレが古代生物の図鑑に書いてあった、絶滅した古代の巨大ナマケモノのメガテリウムの姿に、植物を合成させた禁じられた生命の怪獣。
メガテリウムは、住宅を破壊しながら進む。
オレの隣に立ったマヤが言った。
「お父さん、迷惑な怪獣を考えちゃたね……お父さん変身だ! 怪獣を倒せ!」
「どうして、オレが? 怪獣なんて自◯隊に任せておけば」
「はぁ? 自◯隊、地球防衛軍とかじゃなくてマンコぅ! 怪獣をナメるな! お父さんが変身して闘わないのなら……あたしにも考えがある」
マヤ・マンコは、トランシーバーのような道具を腹のポケットから取り出して、どこかに連絡をはじめた。
「もしもし、異次元人の怪獣工場の責任者さんですか……お父さんが変身して闘いたくないって言っているから……例の計画を世界各地に怪獣を出現させて、世界各地の防衛隊にダメージを……この国には特別に25体の怪獣を大進撃させて壊滅状態に……」
「わっ、わかった! 変身して闘うから怪獣大進撃はやめてくれ!」
オレは、裸なのか服を着ているのかよくわからない、銀色の巨大ヒーローに変身して、進行するメガテリウムの前に立ちはだかった。
オレが子供の時に考えた合成鈍獣メガテリウム──生物体の方は、たいして凶暴性は無いから問題ない。
元々、ナマケモノだから眠たくなったらどこかにぶら下がって眠ってしまう。
問題なのは背中に合成寄生している、植物群の方だ。
(確か設定だと古代植物で、触手みたいな蔓が勝手に動いて街を破壊したり、開花して有害な花粉を撒き散らしたりするんだよな)
メガテリウムの背中に合成寄生して生えている植物群が揺れて、食肉植物のような蔓が蠢いて人間を襲う。
キノコみたいなのも生えていて、巨獣体のメガテリウムが鋭い爪で背中のキノコをもぎ取って食べていた。
生物体のメガテリウムは背中の植物を食べて、植物はメガテリウムから養分を吸収する。
(オレ、なんでこんな怪獣考えちゃったんだろう)
オレの背中側には、剥き出しの大仏座像があった……この街の観光名所をメガテリウムに破壊させるワケにはいかない。
「止まれメガテリウム! 止まってくれ!」
オレが必死に進行を続けるメガテリウムの巨体を押さえる。
ジリジリと押されて後退するオレの体……やがて、オレはメガテリウムと大仏像にサンドウィッチにされた形になった。
「うわぁぁぁ! もうムリ! 怪獣を殺さない穏便な解決方法なんてムリムリ!」
オレはメガテリウムを突き飛ばすと大仏像を持ち上げて、倒れたメガテリウムに向って投げつけた。
さらば、街の観光名所。
◇◇◇◇◇◇
活動限界タイムリミットの25分近くになると、オレの巨大化エネルギーも、怪獣プロレスで限界に近くなってきた。
オレとメガテリウムの闘いを観戦していたマヤが言った。
「言い忘れていたけれど……お父さんが変身する巨大ヒーローに、もう一つ弱点を追加したからね……タイムリミットの25分が過ぎると、体が膨張して爆発しちゃうから」
「なにぃぃぃ⁉ 爆発!」
マヤのデンジャラスナ追加設定にオレは焦った。
「爆発したくなかったら必殺技の光線か必殺キックを出して……ワクワク」
「マヤ! おまえなぁ!」
オレは怪獣に向って、口から火炎放射でトドメを刺した。
炎の中に倒れる怪獣……すまない、メガテリウム安らかに眠れ。
オレが両手を合わせていると、炎の中からメガテリウムの皮を破って古代植物怪獣『デボン』が出現した。
「うわぁぁぁ、忘れていた二重設定を!」
デボンは、毒の花を開花させて暴れ回る。
毒ガスマスクを装着したマヤの声が聞こえてきた。
「さあ、どうするお父さん……このままだと、死の星になっちゃうよ」
デボンは触手のような蔓を、ムチのように使ってオレを攻撃してくる。
「いたたたっ、腕に噛みつくな! 毒霧みたいな花粉飛ばすな! 種子をホウセンカみたいに飛ばして仲間を増やすな!」
デボンから飛び下がって離れたオレは、光線技の体勢に入る。
「さらば、植物怪獣デボン……どりゃあぁ」
オレの体から光線がデボンに向って発射される。
デボンは植物の断末魔を発して爆発して消えた。
余談だがオレが書き残したデボンの設定には『デボンの破片は燃料にするとよく燃える』と書いてあった。
◇◇◇◇◇◇
一つの闘いが終わった……マヤが言った。
「次はお父さんの弱点を責めてくる強敵だよ……覚悟してね──はい、これマンコ・カパック星から持ってきた、25種類の宇宙栄養素をブレンドした特製の強壮剤ドリンク──これ飲んでがんばって」
オレはマヤから渡された、茶色い小瓶に貼られた得体が知れない成分ラベルを眺めた。
誕生日の翌日──オレは運命に抗えず、風俗嬢風の女性と出会ってしまい、そのままホテルで過ちを犯してしまった。
(あの名前も知らない女性とは、もう連絡はつかないし……今ごろはマヤを妊娠した体で、マンコ・カパック星に宇宙船で向っているんだろうな)
オレがそんなコトを一階の居間でボーッと考えていると、いきなり携帯瞬間移動装置でマヤが現れた。
「お父さん、元気ぃ」
「マヤ……おまえ、いきなり現れるなよ、オレにもプライベートが」
「地球のサルにプライベートなんて存在しない……お父さん、そこにいると危ないよ」
「危ないって何が?」
「もう少しだけ後ろに下がった方がいいよ……うん、その辺りなら安全だから」
そう言うと、マヤも数歩オレからの離れる──直後にオレとマヤの間を分断するように、茶色の体毛に覆われた鋭い爪の巨獣の足が天井を突き破って出現した。
「うわぁぁぁぁぁぁ⁉」
「次の侵略怪獣が現れたよ」
巨大な足は持ち上がり、家に開いた穴から通過していく巨獣の背中が見えた。
オレは急いで家の外に出て確認する。
茶色の毛むくじゃらの巨体の背中に生い茂る植物群──その姿は怪獣ノートに描いた見覚えがある怪獣だった。
「巨獣『合成鈍獣メガテリウム』……そんな、まさか」
オレが古代生物の図鑑に書いてあった、絶滅した古代の巨大ナマケモノのメガテリウムの姿に、植物を合成させた禁じられた生命の怪獣。
メガテリウムは、住宅を破壊しながら進む。
オレの隣に立ったマヤが言った。
「お父さん、迷惑な怪獣を考えちゃたね……お父さん変身だ! 怪獣を倒せ!」
「どうして、オレが? 怪獣なんて自◯隊に任せておけば」
「はぁ? 自◯隊、地球防衛軍とかじゃなくてマンコぅ! 怪獣をナメるな! お父さんが変身して闘わないのなら……あたしにも考えがある」
マヤ・マンコは、トランシーバーのような道具を腹のポケットから取り出して、どこかに連絡をはじめた。
「もしもし、異次元人の怪獣工場の責任者さんですか……お父さんが変身して闘いたくないって言っているから……例の計画を世界各地に怪獣を出現させて、世界各地の防衛隊にダメージを……この国には特別に25体の怪獣を大進撃させて壊滅状態に……」
「わっ、わかった! 変身して闘うから怪獣大進撃はやめてくれ!」
オレは、裸なのか服を着ているのかよくわからない、銀色の巨大ヒーローに変身して、進行するメガテリウムの前に立ちはだかった。
オレが子供の時に考えた合成鈍獣メガテリウム──生物体の方は、たいして凶暴性は無いから問題ない。
元々、ナマケモノだから眠たくなったらどこかにぶら下がって眠ってしまう。
問題なのは背中に合成寄生している、植物群の方だ。
(確か設定だと古代植物で、触手みたいな蔓が勝手に動いて街を破壊したり、開花して有害な花粉を撒き散らしたりするんだよな)
メガテリウムの背中に合成寄生して生えている植物群が揺れて、食肉植物のような蔓が蠢いて人間を襲う。
キノコみたいなのも生えていて、巨獣体のメガテリウムが鋭い爪で背中のキノコをもぎ取って食べていた。
生物体のメガテリウムは背中の植物を食べて、植物はメガテリウムから養分を吸収する。
(オレ、なんでこんな怪獣考えちゃったんだろう)
オレの背中側には、剥き出しの大仏座像があった……この街の観光名所をメガテリウムに破壊させるワケにはいかない。
「止まれメガテリウム! 止まってくれ!」
オレが必死に進行を続けるメガテリウムの巨体を押さえる。
ジリジリと押されて後退するオレの体……やがて、オレはメガテリウムと大仏像にサンドウィッチにされた形になった。
「うわぁぁぁ! もうムリ! 怪獣を殺さない穏便な解決方法なんてムリムリ!」
オレはメガテリウムを突き飛ばすと大仏像を持ち上げて、倒れたメガテリウムに向って投げつけた。
さらば、街の観光名所。
◇◇◇◇◇◇
活動限界タイムリミットの25分近くになると、オレの巨大化エネルギーも、怪獣プロレスで限界に近くなってきた。
オレとメガテリウムの闘いを観戦していたマヤが言った。
「言い忘れていたけれど……お父さんが変身する巨大ヒーローに、もう一つ弱点を追加したからね……タイムリミットの25分が過ぎると、体が膨張して爆発しちゃうから」
「なにぃぃぃ⁉ 爆発!」
マヤのデンジャラスナ追加設定にオレは焦った。
「爆発したくなかったら必殺技の光線か必殺キックを出して……ワクワク」
「マヤ! おまえなぁ!」
オレは怪獣に向って、口から火炎放射でトドメを刺した。
炎の中に倒れる怪獣……すまない、メガテリウム安らかに眠れ。
オレが両手を合わせていると、炎の中からメガテリウムの皮を破って古代植物怪獣『デボン』が出現した。
「うわぁぁぁ、忘れていた二重設定を!」
デボンは、毒の花を開花させて暴れ回る。
毒ガスマスクを装着したマヤの声が聞こえてきた。
「さあ、どうするお父さん……このままだと、死の星になっちゃうよ」
デボンは触手のような蔓を、ムチのように使ってオレを攻撃してくる。
「いたたたっ、腕に噛みつくな! 毒霧みたいな花粉飛ばすな! 種子をホウセンカみたいに飛ばして仲間を増やすな!」
デボンから飛び下がって離れたオレは、光線技の体勢に入る。
「さらば、植物怪獣デボン……どりゃあぁ」
オレの体から光線がデボンに向って発射される。
デボンは植物の断末魔を発して爆発して消えた。
余談だがオレが書き残したデボンの設定には『デボンの破片は燃料にするとよく燃える』と書いてあった。
◇◇◇◇◇◇
一つの闘いが終わった……マヤが言った。
「次はお父さんの弱点を責めてくる強敵だよ……覚悟してね──はい、これマンコ・カパック星から持ってきた、25種類の宇宙栄養素をブレンドした特製の強壮剤ドリンク──これ飲んでがんばって」
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