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第十三話
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馬車の窓から眺める景色は、見慣れたようで、見慣れない。
十歳までに、私はこの道を何度か通ったはずだ。
けれど今、食い入るように見てしまう。
見えることが当たり前ではなかった時間が、長すぎたせいだろうか。
目が勝手に、細部へ潜っていく。
石畳の割れ目。雨に濡れた木の幹の黒さ。人の外套の縫い目。
“どうなっているのか”を確かめずにはいられない。
怖いほどに、世界が情報を押しつけてくる。
鏡を見たとき、私は息を失った。
映っていたのは――私ではなかったから。
燃えるような赤い髪。
翠の瞳。
鼻から頬に散ったそばかす。
印だけは、記憶のままだ。
けれど、まるで違う人間に見える。
見慣れない。
誰だろう、これは。
こんな姿で、私は生きていたのか。
皆にとっては、この私が当たり前なのに。
当の本人の私だけが、取り残されたみたいに違和感を抱く。
ちゃんとした挨拶もないまま、お父様は私を葬式に参列させた。
久しぶりに現れたモンテリオール侯爵令嬢に驚く顔が、視界に次々と入ってくる。
そのひとつひとつを、全部、記憶してしまいそうだった。
見すぎてしまう。
なのに――お父様だけは、見すぎることができなかった。
見て、何かを察したくない。
感じたくない。
それがすべて、私が傷つくことへ繋がると、嫌というほど分かっていたからだ。
棺の中で、お母様は目を閉じていた。
お母様が大好きだった赤い花に覆われている。
花の赤が、空気を塗り替えて、私の喉を締めつけた。
死してなお、お母様は美しかった。
――美しいまま、動かない。
その夜。
母付きの侍女が、忍び込むように私の部屋へ来た。
灯りの届かない場所を選ぶみたいに扉を細く閉めてから、震える声で言う。
「……これを持ってきたことは、秘密にしてください」
渡されたのは、日記帳だった。
七冊。
お母様の好きな赤色。
触れた瞬間、紙と革の熱が、指先にじわりと残る。
ずしり、と腕に重みが落ちて、私は息を呑んだ。
侍女はそれ以上何も言わず、逃げるように部屋を去っていった。
その後ろ姿を、私は忘れられないと思った。
母に忠誠を誓っていた人。
母の実家――セルネ子爵家から連れて来られた、完璧に“母側”の人間。
モンテリオールではなく、セルネの。
私は赤い背表紙を撫でる。
ページの中に、お母様がいるのだろうか。
生きていた時間が、まだ温度を持って、ここに残っているのだろうか。
けれど同時に、胸の奥が冷える。
――これを読むたび、私はどれだけ傷つくのだろう、と。
いちばん古い日記帳は、角が少しだけ擦れていた。
赤い革が指の熱を吸う。
帯の紐をほどくと、紙がこすれる音がして、私は妙に怖くなった。
“読む”という行為が、いまの私には――積極的な見ることでもあるからだ。
それでも、開いてしまう。
最初の頁。
そこには、少し丸くて繊細な文字が並んでいた。
母の字だ。
――これが、お母様の手の癖だった。
書き出しは、たった一行。
『目が見えることが、こんなに嬉しいなんて。』
その瞬間、胸の奥が鈍く鳴った。
喜びのはずの言葉が、私には刃みたいに刺さる。
だって私は――その“目”を、代わりに引き受けたのだ。
そしていま、見えるようになった。
私は唇を噛み、続きを追う。
『ティアが海外留学へ行くなんて、私は聞いていなかった。』
呼吸が止まりそうになる。
海外留学。
そんな話を、私は知らない。
『早く教えてほしかった。』
母の“悔しい”が行間から滲む。
怒りではない。責めるでもない。
ただ、置いていかれた人の声だ。
次の行で、文字が少しだけ乱れていた。
『ティアに会いたい。ティアの顔が見たい。』
見たい。
私はその単語のところで、視線が揺れた。
目が見えることが嬉しい。
娘の顔が見たい。
その願いが、頁の上であまりにも真っ直ぐで。
手のひらの中の日記帳が、急に重くなった気がした。
まるで――この日記が、いまの私を見透かしているみたいに。
「……お母様」
声が漏れる。
呼んだところで、返事はないのに。
私はもう一度、最初の一行に戻る。
『目が見えることが、こんなに嬉しいなんて。』
その“嬉しい”が、私にはもう、祝福に見えなかった。
ある日から、お母様の日記の温度が変わった。
最初は祈りみたいな文字だった。
“見えることが嬉しい”
“ティアに会いたい”
けれど、ページをめくるほど、文字の角が立っていく。
『おかしい。』
たったそれだけの一行が、何度も出てきた。
『ティアが海外にいるなら、せめて手紙だけでも。』
『手紙が届かない。』
『返事がない。』
『どうして?』
読み進めるほど、背筋が冷えていった。
お母様は泣き言を書いているのではない。
“確認”しているのだ。
自分の世界が、どこで歪んだのかを。
そして、あるページで――書き出しが変わる。
『知ってしまった。』
何を知ったのかは書かれていない。
けれど、その行の下の余白が、叫びみたいに深かった。
そこから先は、もう言葉が“文章”ではなくなっていく。
祈りでも、記録でもない。
謝罪だけ。
『ティア、ごめんなさい。』
『私のティア、ごめんなさい。』
『会いたい。』
『会いたい。』
『ごめんなさい。』
『死にたい。』
『死んでしまおうか。』
ページの上で、同じ言葉が何度も何度も、形を変えて並ぶ。
まるで、息継ぎを失った人が書いたみたいに。
そして、その繰り返しの中に――唐突に挟まる。
『でも、あの人が。』
一行だけ。
それ以上、何も言わない。
言えない。
名前を書いた瞬間、何かが終わってしまうみたいに。
次のページには、日付だけがあって、文字が少ない。
『今日も、あの人が。』
その次は、さらに短い。
『あの人が、いるから。』
まるで世界が、「あの人」だけに縮んでいくみたいだった。
『私はどうすればいいの。』
その一文の下で、文字が滲んでいた。
涙の跡だと分かった。
分かってしまった。
お母様にとっての六年と半年は、地獄だったのだ。
私の胸の奥で、何かが崩れた。
「――お母様……」
声がひび割れる。
日記帳が重い。
赤い革が、血みたいに見える。
私は堪えられなかった。
「お母様……お母様……っ」
声が大きくなる。止められない。
泣いた。喉が痛いほど泣いた。
「私も会いたかった……っ」
涙で、また世界が歪む。
「目は……あげてもよかったの」
「そばにいたかったの……!」
ただ、ただ――叫びたかった。
「お母様」
「せめて、幸せでいてほしかったのに……!」
その夜、母付きの侍女の背中を思い出した。
震える手で日記を渡し、何も言わずに去っていった背中。
そして私は、あとから知ることになる。
――彼女は、セルネ子爵家へ戻ってしまった、と。
十歳までに、私はこの道を何度か通ったはずだ。
けれど今、食い入るように見てしまう。
見えることが当たり前ではなかった時間が、長すぎたせいだろうか。
目が勝手に、細部へ潜っていく。
石畳の割れ目。雨に濡れた木の幹の黒さ。人の外套の縫い目。
“どうなっているのか”を確かめずにはいられない。
怖いほどに、世界が情報を押しつけてくる。
鏡を見たとき、私は息を失った。
映っていたのは――私ではなかったから。
燃えるような赤い髪。
翠の瞳。
鼻から頬に散ったそばかす。
印だけは、記憶のままだ。
けれど、まるで違う人間に見える。
見慣れない。
誰だろう、これは。
こんな姿で、私は生きていたのか。
皆にとっては、この私が当たり前なのに。
当の本人の私だけが、取り残されたみたいに違和感を抱く。
ちゃんとした挨拶もないまま、お父様は私を葬式に参列させた。
久しぶりに現れたモンテリオール侯爵令嬢に驚く顔が、視界に次々と入ってくる。
そのひとつひとつを、全部、記憶してしまいそうだった。
見すぎてしまう。
なのに――お父様だけは、見すぎることができなかった。
見て、何かを察したくない。
感じたくない。
それがすべて、私が傷つくことへ繋がると、嫌というほど分かっていたからだ。
棺の中で、お母様は目を閉じていた。
お母様が大好きだった赤い花に覆われている。
花の赤が、空気を塗り替えて、私の喉を締めつけた。
死してなお、お母様は美しかった。
――美しいまま、動かない。
その夜。
母付きの侍女が、忍び込むように私の部屋へ来た。
灯りの届かない場所を選ぶみたいに扉を細く閉めてから、震える声で言う。
「……これを持ってきたことは、秘密にしてください」
渡されたのは、日記帳だった。
七冊。
お母様の好きな赤色。
触れた瞬間、紙と革の熱が、指先にじわりと残る。
ずしり、と腕に重みが落ちて、私は息を呑んだ。
侍女はそれ以上何も言わず、逃げるように部屋を去っていった。
その後ろ姿を、私は忘れられないと思った。
母に忠誠を誓っていた人。
母の実家――セルネ子爵家から連れて来られた、完璧に“母側”の人間。
モンテリオールではなく、セルネの。
私は赤い背表紙を撫でる。
ページの中に、お母様がいるのだろうか。
生きていた時間が、まだ温度を持って、ここに残っているのだろうか。
けれど同時に、胸の奥が冷える。
――これを読むたび、私はどれだけ傷つくのだろう、と。
いちばん古い日記帳は、角が少しだけ擦れていた。
赤い革が指の熱を吸う。
帯の紐をほどくと、紙がこすれる音がして、私は妙に怖くなった。
“読む”という行為が、いまの私には――積極的な見ることでもあるからだ。
それでも、開いてしまう。
最初の頁。
そこには、少し丸くて繊細な文字が並んでいた。
母の字だ。
――これが、お母様の手の癖だった。
書き出しは、たった一行。
『目が見えることが、こんなに嬉しいなんて。』
その瞬間、胸の奥が鈍く鳴った。
喜びのはずの言葉が、私には刃みたいに刺さる。
だって私は――その“目”を、代わりに引き受けたのだ。
そしていま、見えるようになった。
私は唇を噛み、続きを追う。
『ティアが海外留学へ行くなんて、私は聞いていなかった。』
呼吸が止まりそうになる。
海外留学。
そんな話を、私は知らない。
『早く教えてほしかった。』
母の“悔しい”が行間から滲む。
怒りではない。責めるでもない。
ただ、置いていかれた人の声だ。
次の行で、文字が少しだけ乱れていた。
『ティアに会いたい。ティアの顔が見たい。』
見たい。
私はその単語のところで、視線が揺れた。
目が見えることが嬉しい。
娘の顔が見たい。
その願いが、頁の上であまりにも真っ直ぐで。
手のひらの中の日記帳が、急に重くなった気がした。
まるで――この日記が、いまの私を見透かしているみたいに。
「……お母様」
声が漏れる。
呼んだところで、返事はないのに。
私はもう一度、最初の一行に戻る。
『目が見えることが、こんなに嬉しいなんて。』
その“嬉しい”が、私にはもう、祝福に見えなかった。
ある日から、お母様の日記の温度が変わった。
最初は祈りみたいな文字だった。
“見えることが嬉しい”
“ティアに会いたい”
けれど、ページをめくるほど、文字の角が立っていく。
『おかしい。』
たったそれだけの一行が、何度も出てきた。
『ティアが海外にいるなら、せめて手紙だけでも。』
『手紙が届かない。』
『返事がない。』
『どうして?』
読み進めるほど、背筋が冷えていった。
お母様は泣き言を書いているのではない。
“確認”しているのだ。
自分の世界が、どこで歪んだのかを。
そして、あるページで――書き出しが変わる。
『知ってしまった。』
何を知ったのかは書かれていない。
けれど、その行の下の余白が、叫びみたいに深かった。
そこから先は、もう言葉が“文章”ではなくなっていく。
祈りでも、記録でもない。
謝罪だけ。
『ティア、ごめんなさい。』
『私のティア、ごめんなさい。』
『会いたい。』
『会いたい。』
『ごめんなさい。』
『死にたい。』
『死んでしまおうか。』
ページの上で、同じ言葉が何度も何度も、形を変えて並ぶ。
まるで、息継ぎを失った人が書いたみたいに。
そして、その繰り返しの中に――唐突に挟まる。
『でも、あの人が。』
一行だけ。
それ以上、何も言わない。
言えない。
名前を書いた瞬間、何かが終わってしまうみたいに。
次のページには、日付だけがあって、文字が少ない。
『今日も、あの人が。』
その次は、さらに短い。
『あの人が、いるから。』
まるで世界が、「あの人」だけに縮んでいくみたいだった。
『私はどうすればいいの。』
その一文の下で、文字が滲んでいた。
涙の跡だと分かった。
分かってしまった。
お母様にとっての六年と半年は、地獄だったのだ。
私の胸の奥で、何かが崩れた。
「――お母様……」
声がひび割れる。
日記帳が重い。
赤い革が、血みたいに見える。
私は堪えられなかった。
「お母様……お母様……っ」
声が大きくなる。止められない。
泣いた。喉が痛いほど泣いた。
「私も会いたかった……っ」
涙で、また世界が歪む。
「目は……あげてもよかったの」
「そばにいたかったの……!」
ただ、ただ――叫びたかった。
「お母様」
「せめて、幸せでいてほしかったのに……!」
その夜、母付きの侍女の背中を思い出した。
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