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第13話 凄惨な過去
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二人が夕食を食べ終えても少女が目を覚ますことはなかった。
獣人が普段、何を食べてるのかは良く分からないが、恐らくだけど肉が嫌いということはないだろう。少女が起きた時、すぐ食べられるように肉料理を一人分用意しておいた。
「アリィ、今日は疲れたろ? 先に風呂入って休んでくれ。俺がこの子のこと見てるからさ」
「はい、すいません。ではお言葉に甘えて」
アリィが風呂に入ってる間、せめてこの子の体を拭いておいてやろうと思ったユウは、洗面器にお湯を張ってタオルを浸した。起こさないようにそっと顔から拭いていく。改めて見ても類い稀なる美少女だ。
徐々に体を拭いていく。くすぐったいのか、たまに吐息を漏らすが起きる気配はない。
「良~し良し、これでキレイになったぞ。女の子は清潔にしとかないとな」
起こさないようにそっと囁きながら体を拭き終わった。毛布を掛け直して頭を撫でていると、不意に少女が目を覚ました。金色に輝く瞳と目が合った。
「あっ...え、え~と...」
突然のことに戸惑うユウはしばし固まった。すると少女は物も言わずいきなりユウに抱き付いた。毛布がハラリと落ちて少女の全身を顕にする。
「ただいま戻りました。交代しましょう。お風呂に入って...」
そこへ間の悪いタイミングでアリィが風呂から上がって来た。目の前の光景を見て絶句する。
「ゆ、ユウ、あなたまさか...」
「ち、違うからな!?」
こういう時の定番のセリフであろう。夫の浮気現場に遭遇した妻といったところか。場に気不味い空気が流れた。
◇◇◇
「お嬢ちゃん、言葉分かるか?」
気を取り直して少女の聞き取りを開始する、
「うん、分かるよ」
ユウとアリィはホッと息を吐いた。良かった。言葉が通じる。
「名前を聞かせて貰えるかな?」
「リオだよ~」
「リオちゃんか。可愛い名前だね。俺はユウ、この娘はアリィ、よろしくね」
「ユウ、アリィ、うん、覚えた。よろしく~♪」
少女は屈託のない笑顔を見せた。場がホッコリと和んだ。
「それでお父さんとお母さんはどこに居るのかな?」
聞いた途端、少女が泣きそうな顔になった。
「分からないの...リオが住んでた村にね、悪い人達がいっぱい来て、子供を拐おうとしたの。お父さんとお母さんがね、早く逃げなさいって言って、リオを逃がそうとしたの。でもね、リオ達を逃がさないように武器を持った人達が村を囲っていて、逃げ出す隙が無かったの。そしたらね、お父さんとお母さんが武器を持った人達に突っ込んで行ったの。リオに今の内に逃げろって言って。お父さんとお母さんは...うぅ...」
リオの円らな瞳から涙が溢れた。アリィは堪らずリオを抱きしめて、
「大丈夫、もう大丈夫だよ。怖かったね...」
そう言って涙を流した。
獣人が普段、何を食べてるのかは良く分からないが、恐らくだけど肉が嫌いということはないだろう。少女が起きた時、すぐ食べられるように肉料理を一人分用意しておいた。
「アリィ、今日は疲れたろ? 先に風呂入って休んでくれ。俺がこの子のこと見てるからさ」
「はい、すいません。ではお言葉に甘えて」
アリィが風呂に入ってる間、せめてこの子の体を拭いておいてやろうと思ったユウは、洗面器にお湯を張ってタオルを浸した。起こさないようにそっと顔から拭いていく。改めて見ても類い稀なる美少女だ。
徐々に体を拭いていく。くすぐったいのか、たまに吐息を漏らすが起きる気配はない。
「良~し良し、これでキレイになったぞ。女の子は清潔にしとかないとな」
起こさないようにそっと囁きながら体を拭き終わった。毛布を掛け直して頭を撫でていると、不意に少女が目を覚ました。金色に輝く瞳と目が合った。
「あっ...え、え~と...」
突然のことに戸惑うユウはしばし固まった。すると少女は物も言わずいきなりユウに抱き付いた。毛布がハラリと落ちて少女の全身を顕にする。
「ただいま戻りました。交代しましょう。お風呂に入って...」
そこへ間の悪いタイミングでアリィが風呂から上がって来た。目の前の光景を見て絶句する。
「ゆ、ユウ、あなたまさか...」
「ち、違うからな!?」
こういう時の定番のセリフであろう。夫の浮気現場に遭遇した妻といったところか。場に気不味い空気が流れた。
◇◇◇
「お嬢ちゃん、言葉分かるか?」
気を取り直して少女の聞き取りを開始する、
「うん、分かるよ」
ユウとアリィはホッと息を吐いた。良かった。言葉が通じる。
「名前を聞かせて貰えるかな?」
「リオだよ~」
「リオちゃんか。可愛い名前だね。俺はユウ、この娘はアリィ、よろしくね」
「ユウ、アリィ、うん、覚えた。よろしく~♪」
少女は屈託のない笑顔を見せた。場がホッコリと和んだ。
「それでお父さんとお母さんはどこに居るのかな?」
聞いた途端、少女が泣きそうな顔になった。
「分からないの...リオが住んでた村にね、悪い人達がいっぱい来て、子供を拐おうとしたの。お父さんとお母さんがね、早く逃げなさいって言って、リオを逃がそうとしたの。でもね、リオ達を逃がさないように武器を持った人達が村を囲っていて、逃げ出す隙が無かったの。そしたらね、お父さんとお母さんが武器を持った人達に突っ込んで行ったの。リオに今の内に逃げろって言って。お父さんとお母さんは...うぅ...」
リオの円らな瞳から涙が溢れた。アリィは堪らずリオを抱きしめて、
「大丈夫、もう大丈夫だよ。怖かったね...」
そう言って涙を流した。
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