絶対防御とイメージ転送で異世界を乗り切ります

真理亜

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第19話 出発

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 その後、なんとか落ち着いた三人は、喉が渇いたのでお茶することにした。

「ねぇねぇ、これなに?」

 リオがお茶うけのケーキを指差す。

「これはケーキって言ってとっても甘いんだよ。食ってみ?」  

「ホントだぁ~♪ 甘~い♪ 美味し~い♪」

「お煎餅もありますよ?」

「こっちはしょっぱい! でも美味しい!」

 こんな感じで異文化交流している内に、お腹が膨れたリオはお昼寝タイムになったようだ。舟を漕ぎ始めたので、ユウがフトンまで抱えていった。

「ふぅ...元気そうに見えるけど、やっぱりまだ疲れは残ってるみたいだな」

「そうですよね、大変な目に合ったばかりですもんね...」

「なあ、アリィ。リオさえ良かったらなんだが、ずっと一緒に居て欲しいって思ってるんだけど...どうかな? リオ、行く所無いみたいだし...」

「私は構いませんよ。リオちゃん、良い子ですもん。脱ぎ癖さえなければ...」

「あはは、まぁその辺りは追々教育するとして。起きたら聞いてみよう」

「えぇ、そうしましょう」

 二人でリオの安らかな寝顔を見守った。


◇◇◇


 その後、目を覚ましたリオにユウが尋ねる。

「リオ、その...もし良かったらなんだけど.. この後も俺達と一緒に暮らさないか?」

 するとリオは意味が分かっていないのか、キョトンとした。

「え~と...村まで一緒じゃなくてずっと一緒ってこと?」

「あぁ、リオがイヤじゃなければなんだが...」

「イヤじゃない! イヤじゃないけど...ホントにいいの?」

「あぁ、もちろん」

「あ、ありがとう...」

 そう言ったリオの瞳から涙が溢れた。

「リオちゃん...」

 アリィがそっと抱き締める。 

「あ、あれ? 変なの、う、嬉しいのに、な、涙が止まらな...ふぇ~ん!」

「大丈夫、大丈夫...」

「ぐす...ほ、ホントは...ひぐ...す、凄く不安だった...えぐ...ま、また一人になったらって...」

「ずっと一緒だよ...だから泣かないで...ね?」

 アリィはしばらく背中を擦ってあげていた。


◇◇◇


 リオが泣き止んだ後、昼食を挟んで家の中を案内したり、一緒に暮らす上で必要なことをリオに教えたり、質問に答えていたりする内に夜になった。
 
「リオ、包帯を変えようか」

 そう言ってユウが包帯を解くと、

「驚いたな...もう治ってるんじゃないか?」

「うん、全然平気。もう包帯要らないよ」

「あれだけの怪我がたった2日で...凄い治癒能力ですね...」

「えへへ~♪」

「これならお風呂に入れますね」 

「えっ? お風呂入るの...」

 リオが露骨にイヤな顔をした。どうやら風呂は苦手らしい

「当たり前です。女の子なんですから、キレイにしておかないと。さ、行きますよ?」

「ふぁ~い...」

 アリィがリオを引き摺るように風呂へ連れていった。そして30分後、

「だからリオちゃん、女の子は裸で出歩いちゃダメ!」

「あ、忘れてた」

 レディになるための道のりはまだ遠いようだ。


◇◇◇


 次の日、早速ミルンの村まで出発することになった。家を出た後、その家が一瞬で消えたのを見たリオは、
 
「凄い~! アリィ、これも魔法なの?」

「魔法ってことで...」

 チートは魔法と変わらないからいいだろう。

「リオ、足は大丈夫か?」

「うん、全然大丈夫!」

「良し、出発だ」
 


 
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