66 / 130
第66話 オークション
しおりを挟む
万能薬の値段にはビックリしたが、欲しかったアイテムをようやく手に入れて、ホクホク顔のユウ達一行は、そろそろ処理が終わった頃だろうとギルドに戻って来た。
『ふみゅ!? ここどこ!?』
リオが今起きたように周りをキョロキョロする。薬屋であれだけテンション高くハシャイでいたユウ達に構うことなくずっと寝てたらしい。道理で静かだった訳である。
「冒険者ギルドだ。寝ててもいいぞ?」
昼間の疲れが出たのだろう。まだ寝ぼけ眼のリオにユウが優しく告げた。
『ふみゅ...zzz』
アリィの腕の中でリオが再び微睡んだ頃、ギルドの受付嬢さんに呼ばれた。
「お待たせしました。こちらが魔石の買取価格の一千万ディナルとなります。お確かめ下さい。それとギルドカードのランクアップも済みましたのでお返しします。今日からDランクですね。おめでとうございます」
そう言ってズシリと重い札束とカードを渡して来た。
「あ、ありがとう...」
受け取ったユウはアリィと顔を見合わせて、
「この金を持ってもう一度薬屋に行って更に買い込みを」
「止めておけ。発想がギャンブラーのそれになっとるぞ?」
ラキが皆まで言わせなかった。
「さてと、妾はまた酒場で情報収集していくからお主らは戻れ。妾が降り立った辺りで落ち合うとしよう」
「なら俺も一緒に行って」
「そんな大金持ってウロウロするな。危なっかしくて堪らん。いいから妾に任せておけ」
またしてもラキに皆まで言わせて貰えなかったユウは渋々頷くしかなかった。
◇◇◇
大人モードになったラキが向かったのは、場末の酒場ではなく高級クラブだった。いかにも金持ちといった風情の客が、女を何人も侍らせて高そうな酒を煽っている。
ラキはその中で、一番羽振りの良さそうな男に近付いて行った。
「ねぇ、私にも一杯奢って下さらない?」
「おぉっ! これはまたエラいベッピンさんじゃな! もちろんじゃとも! 儂の奢りじゃ! じゃんじゃん飲め飲め! ハッハッハッ!」
男はかなり上機嫌のようだ。
「随分ご機嫌なのね。何かいいことでもあったの?」
「ハッハッハッ! まぁそんなとこじゃな! 前祝いのようなもんじゃからな!」
「前祝いってなんの?」
「ここだけの話じゃぞ?」
すると男は急に声を潜めてこう言った。
「ようやく獣人の奴隷が手に入るんじゃよ」
それを聞いたラキは、平常心の表情を保つのに苦労した。
「へぇ~ そうなのね。どこかで買うの?」
「ここの領主の屋敷でな、明日の夜オークションが開かれるんじゃよ。それが今から待ち遠しくて堪らんわい!」
明日の夜...とても良い情報を入手したラキは、すぐにその店を後にした。
『ふみゅ!? ここどこ!?』
リオが今起きたように周りをキョロキョロする。薬屋であれだけテンション高くハシャイでいたユウ達に構うことなくずっと寝てたらしい。道理で静かだった訳である。
「冒険者ギルドだ。寝ててもいいぞ?」
昼間の疲れが出たのだろう。まだ寝ぼけ眼のリオにユウが優しく告げた。
『ふみゅ...zzz』
アリィの腕の中でリオが再び微睡んだ頃、ギルドの受付嬢さんに呼ばれた。
「お待たせしました。こちらが魔石の買取価格の一千万ディナルとなります。お確かめ下さい。それとギルドカードのランクアップも済みましたのでお返しします。今日からDランクですね。おめでとうございます」
そう言ってズシリと重い札束とカードを渡して来た。
「あ、ありがとう...」
受け取ったユウはアリィと顔を見合わせて、
「この金を持ってもう一度薬屋に行って更に買い込みを」
「止めておけ。発想がギャンブラーのそれになっとるぞ?」
ラキが皆まで言わせなかった。
「さてと、妾はまた酒場で情報収集していくからお主らは戻れ。妾が降り立った辺りで落ち合うとしよう」
「なら俺も一緒に行って」
「そんな大金持ってウロウロするな。危なっかしくて堪らん。いいから妾に任せておけ」
またしてもラキに皆まで言わせて貰えなかったユウは渋々頷くしかなかった。
◇◇◇
大人モードになったラキが向かったのは、場末の酒場ではなく高級クラブだった。いかにも金持ちといった風情の客が、女を何人も侍らせて高そうな酒を煽っている。
ラキはその中で、一番羽振りの良さそうな男に近付いて行った。
「ねぇ、私にも一杯奢って下さらない?」
「おぉっ! これはまたエラいベッピンさんじゃな! もちろんじゃとも! 儂の奢りじゃ! じゃんじゃん飲め飲め! ハッハッハッ!」
男はかなり上機嫌のようだ。
「随分ご機嫌なのね。何かいいことでもあったの?」
「ハッハッハッ! まぁそんなとこじゃな! 前祝いのようなもんじゃからな!」
「前祝いってなんの?」
「ここだけの話じゃぞ?」
すると男は急に声を潜めてこう言った。
「ようやく獣人の奴隷が手に入るんじゃよ」
それを聞いたラキは、平常心の表情を保つのに苦労した。
「へぇ~ そうなのね。どこかで買うの?」
「ここの領主の屋敷でな、明日の夜オークションが開かれるんじゃよ。それが今から待ち遠しくて堪らんわい!」
明日の夜...とても良い情報を入手したラキは、すぐにその店を後にした。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
119
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる