絶対防御とイメージ転送で異世界を乗り切ります

第68話 救出作戦２

　ユウ達と別れたリオは、屋敷の使用人に見付からないように仲間の匂いを探った。

『見付けた!　あっちの方だ!』

　リオは屋敷から少し離れた所に建っている小屋に辿り着いた。ドアの前に見張りが二人立っている。どうやらここで間違いないようだ。ラキが予想した地下ではなかった。

　リオは見張りに見付からないよう慎重に小屋の周りを探った。すると小さな隙間が空いてる箇所を見付けた。中を覗き込む。居た!　全部で６人だ!　もちろん全員知り合いである。リオは念話を飛ばした。

『アン!　聞こえる?　リオだよ!』

　リオは一番近くに居たウサギの獣人の少女に話し掛ける。リオと同い年で仲が良かった娘だ。アンと呼ばれた少女は、ウサ耳をピクピク動かして気配を探る。

『こっちだよ!　壁の方に小さな隙間が空いてるんだ!　声は出さないでね!』

　アンが気付いたようだ。そっと隙間に近付く。そして念話を飛ばした。

『リオ!?　本当にリオなの!?』

『そうだよ!　久し振り!　また会えて良かった!』

『あぁ、リオ!　無事だったのね!　心配してたのよ!』

『リオは無事だから安心して!　親切な人達に助けて貰ったから!』

『そうだったのね!　本当に良かったわ!　でもどうしてここに居るの?』

『助けに来たんだよ!　アン達は今夜オークションで売られちゃうからその前に!』

『あぁ、そうだったわね...確かにアイツが今夜だって言ってたわ...でも助けるってどうやって?』

『今、救出作戦中だから、もうちょっと待っててね?　もうすぐ分かるから。ところで他に誰が居るの?　人数だけは６人だって分かったけど、誰が居るのかまでは分からなかったんだ』

『私の妹達よ。ドウーにトロウ。それとキャトル、サンク、シスの猫族三兄弟』

『そうなんだ...あれ?　ひょっとして村に居た子供全員揃った?』

『えぇ、そうね。リオを含めて全員揃ったわ』

『そっかぁ～!　良かった～!　もう既に誰か売られちゃったかと思ってたよ～!』

『私達は拐われてから一ヶ月以上ここに入れられてるからね。オークションを開くのに時間が掛かるからって』

『そうなんだ...大変だったね...体調はどう?　ちゃんと食べさせて貰ってる?』

『私達は商品だからね。みすぼらしい格好はさせられないって三食きっちり出されたわ。お陰でちょっと太っちゃったわよ』

『そ、そうなんだ...っと、いったん仲間の所に戻るね。すぐに助けに来るから待ってて!　他のみんなにも伝えておいてね!』

『分かった!　待ってるね!』

　リオはそっと小屋から離れた。