絶対防御とイメージ転送で異世界を乗り切ります

真理亜

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第84話 護衛任務

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 翌日、冒険者ギルドにてロックゴーレムとアイアンゴーレムの討伐報告を行ったが、まだランクアップには至らなかった。

 砕けた魔石を換金したが、大した金額にはならなかった。どうやらゴーレムの場合は、魔石よりもロックゴーレムならドロップアイテム、アイアンゴーレムなら素材の方が高く付くらしい。

 アイアンゴーレムなら頭の部分が特に高いんだそうだ。

「知らなかった...あんなに苦労したのに...今から獲って来るか?」

 ユウが悔しそうに提案するが、ラキは首を振る。

「無駄じゃ。一晩経っておるから既に土に還っておるじゃろ」

「そうなのか!?」

 ユウがビックリして尋ねる。

「あぁ、魔力を持った魔物の体は、死ぬとすぐに土に還る。そしてまた魔物として復活するんじゃよ」

「なるほど...」

 魔物の輪廻というものを垣間見た気がした。

「という訳で次の依頼を」

「待て! その前に薬屋へ!」

 ラキのセリフをユウが遮って叫ぶ。

「あぁ、はいはい...分かった分かった...」

 ラキが面倒臭そうに答える。リオとアリィは苦笑していた。


◇◇◇


 王都ドリスにある薬屋の品揃えは、当然ながらダレスの町の薬屋よりも豊富だった。

「み、見ろアリィ! 念願の万能薬だ!」

「ほ、ホントだ! え、エリクサーって書いてある!」

 ユウとアリィの異世界組は大騒ぎだ。

「早速全部買おう!」

 大人買いしようとするユウに、値段を見たアリィが待ったを掛ける。

「ゆ、ユウ...無理です...一本一千万ディナルもします...」

「ぬわんだってぇ!? 暴利を貪り過ぎだろ! 公正取引委員会に訴えるぞ!」

 ユウは興奮し過ぎて訳の分からんことを喚き出した。

「落ち着け。意味分からん。一本なら買えるんじゃろ? それで我慢せい」

 ラキが冷静に突っ込む。リオは相手にせず別の商品を見て回っていた。

「うぅ...それしかないか...」

 結局一本だけ購入して店を後にした。

「うん? あれはシモンじゃないか? おい、シモン!」

 店を出てすぐ、獣人街の纏め役であるシモンが町中を歩いているのが見えた。

「おぉっ! ラキじゃないか! その後どうだ?」

「ランクが低過ぎて高難度クエストに挑戦することが出来ん。ランク上げをしている所じゃ」

「そうじゃったのか」

「お主はどうしたんじゃ?」

「儂はこれから冒険者ギルドに行く所じゃ。護衛を頼みたくての」

「護衛? どこかに行くのか?」

「あぁ、この時期はご先祖様の慰霊のために月見草が要るでな。それを獲りに行くのに護衛が必要なんじゃ」

「護衛か...」

 ラキはちょっと考えてから、

「ユウ、妾達で護衛任務を引き受けんか? 魔物討伐と同じくらい功績ポイントが貯まるぞ?」

「そうなのか?」

「おぉっ! 儂もお主達が護衛なら心強いぞ!」

「決まりじゃな」

 こうして初の護衛任務を引き受けることになった。
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