絶対防御とイメージ転送で異世界を乗り切ります

真理亜

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第102話 ダンジョン

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 まさかクリアされてしまうとは思わなかった...

 ユウ達は途方に暮れてしまった。

「まぁ仕方あるまい。気長に待つしかないじゃろ。せっかくパーティー名も決まったことじゃし、Cランクで受けられる依頼でも見るか?」

「そうだな...どんな依頼があるかどうかだけでも確認しておくか...」

 ユウは力無く頷いた。

「うん!? これは!?」

 色の違う依頼書がユウの目に留まった。

「あぁ、それはダンジョン専用の依頼書じゃな」

「ダンジョン!? ダンジョンがあるのか!?」
 
「ダンジョン!? 本当ですか!?」

 これぞファンタジーの定番! ユウとアリィの異世界組が興奮する。リオはポカンとしている。

「あ、あぁ、あるぞ...中に入れるのはCランクからじゃが...」

 ラキは若干引いている。

「よっしゃあ~! 次はダンジョン攻略じゃあ~!」

「入る度に形の変わるダンジョンでしょうか?」

「いやきっと10階層毎に階層ボスが現れるんだよ!」

「モンスター部屋とかあったりして!」

「開けようとすると襲って来る宝箱とか!」

「トラップに引っ掛かると槍とか弓矢で攻撃されるとか!」

「落とし穴があったり水責めされたり大玉に追い掛けられたり!」

「「 楽しみ~! 」」

 さっきまでの暗い雰囲気はどこへやら。異様なテンションで盛り上がる異世界組の二人を、ラキとリオは呆然と眺めていた。


◇◇◇


 受けた依頼は、ダンジョンの地下10階に現れる『グリフォン』という魔物からドロップされるアイテムを入手するというものだ。

「聞いたことあるな...『グリフォン』ってどんな魔物だっけ?」

「鷲の翼と上半身、ライオンの下半身を持つ怪物ですね。鋭い鈎爪で牛や馬を数頭纏めて掴んで飛べるとか」

 ユウの問い掛けにすかさずアリィが答える。

「そりゃ凄いな。飛べるのになんでダンジョンに居るのか分からんが」

「そこは考えたら負けです」

「おおぅ...」

「アホなことしとらんで行くぞ?」

 また異世界組のコントが始まろうとしたのをラキが制する。リオは退屈して来たのかアクビを漏らしている。

「ダンジョンまでは馬車で3日掛かるそうじゃ。夜になったら出発するとしよう。おい、リオよ」

「ふわい!?」

 いきなり話し掛けられてリオがビックリした。

「今回はお主が我らを運べ。リバウンドしないためにもな」

「は、は~い...」

 ちょっと油断するとすぐポッチャリしちゃうリオが神妙に頷く。実際既にお腹がポッコリし始めている。

 こうして初めてのダンジョン攻略がスタートした。
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