王妃候補に選ばれましたが、全く興味の無い私は野次馬に徹しようと思います

真理亜

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 翌朝、朝食の時間になっても食堂に姿を現さないライラを心配したファリスは、ライラの部屋をノックしてみた。

「ライラさん? 朝ですよ? まだ原稿を書いていらっしゃるんですか?」

 昨日のことがあったので、またライラは原稿を書くのに夢中になって時間を忘れているんだろうと、てっきりファリスはそう思っていた。

 だがそれにしてはなんだか様子がおかしい。いつもならすぐに出て来るはずのライラが全くの無反応だ。

「ライラさん? ライラさん??」

 繰り返しノックするが相変わらずなんの反応もない。ファリスはちょっと不安になって来た。

「どうしたの?」

「なにかあったんですか?」

 そこへソニアとミシェルがやって来た。実はこの二人も朝食の時間に遅れていた。

「あ、ソニアさん、ミシェルさん、おかしいんです。ライラさんがドアを開けてくれないんですよ?」

「爆睡してんじゃないの? 私もまだちょっと眠い...フワァ~...」

「そうですわね。あっ! もしかしたら私達のために、徹夜で原稿を仕上げようとしてくださったのかも知れませんよ! だから起きて来るまでは、そっとしておいてあげた方が良いんじゃありませんか?」

「そう...なんでしょうかね...」

 眠たそうなソニアとは対照的に、期待に胸を膨らませているミシェル。二人の呑気な発言にファリスは共感しきれない部分もあるにはあったが、まだあんまり騒ぎ立てるような時間でも無いと判断したのか、ここはいったん退いて二人と共に食堂へと向かった。


◇◇◇


 三人が遅れて食堂に着くと、珍しいことにミハエルが既に席に付いていた。

「あ、ミハエル殿下、おはようございます。今朝はご一緒できるんですね? 大丈夫なんですか?」

「朝食の席でお顔を拝見するのはお久し振りですね? お仕事の方はよろしいんですか? あまりご無理をなさらないよう」

 ソニアとミシェルはミハエルの体調を気遣った。なぜならミハエルの顔色があまり良くなかったからだ。明らかに疲れが溜まっているように見える。

「あぁ、諸君...おはよう...仕事の方はまぁ...大丈夫だ...うん? ライラの姿が見えないようだが?」

 三人しか居ないことにミハエルは訝しんだ。

「ライラさんはその...まだお休みになられているようです...」

 ファリスがちょっと遠慮がちにそう答えた。

「そうか...」

 もしかしたらまだ避けられているのかも知れない。顔だけでも見て少しでも疲れを癒したかったミハエルは、少し落胆しながらナプキンを広げた。

「では食事にしようか...」

 ミハエルは力無い声でそう言った。その日の朝食はどこか重苦しいものになった


 
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