私を虐めたりしたらカウンターが発動してあなたは酷い目に遭いますよ?

真理亜

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「プハハハッ! び、ビビアン! さ、最高だ! プハハハッ! あ~! 笑った笑った! 腹痛ぇ~!」

 ライオスはサムズアップしながらビビアンを誉め称える。一方のビビアンは顔から火が出そうなくらい赤くなったままだ。

「さてと、アマンダ嬢とか言ったか? ビビアンは否定してるが、お前がさっき訴えたことは天地神明に誓って事実なんだろうな? それなら王族の力を使って徹底的に調べるが? どうする? もしウソだと分かったら、王族を謀った罪で縛り首になるだろうなぁ。それでもいいなら調べるが?」

 一転して厳しい顔付きになってライオスが畳み掛けるとアマンダは、

「ご、ゴメンなさ~い!」

 と、泣きながら叫んで走って行ってしまった。

「あ、アマンダ~!」

 その後をバレットは慌てて追い掛けて行った。

「フゥ...なんだかなぁ...バレット殿にも困ったもんだな。まぁいいや。さぁ、ビビアン。帰ろうか?」

「は、はい...」

 まだ真っ赤な顔をしたままのビビアンは、蚊の鳴くような声で返事をした。


◇◇◇


 馬車に乗ってようやく落ち着いたビビアンは、おずおずとライオスに話し掛ける。

「あ、あの、ライオス殿下!?」

「ライと呼べ」

 あくまでもライオスは呼び方に拘る。

「あぅ...」

 ビビアンは困った顔になる。

「さっきは『アタシのライ』って思いっきり言ってただろうが」

「きゅう~...」

 せっかく下がった顔の熱がまたまた急上昇したビビアンであった。

「その...嬉しかったぞ?」

 ビビアンの熱が移ったのか、ライオスの耳も赤くなった。それを誤魔化すように、

「で? なんだって?」

「あっ! そ、そうでした!」

 ビビアンが気を取り直して続ける。

「あ、あのですね、い、いきなり王宮に行くと言われても困るので...いったん実家に寄らせて下さい。荷物を取りに行きたいので...」

 ビビアンは必死に言い募るが、ライオスは険しい顔で、

「俺としてはビビアンに二度とあの家に足を踏み入れて欲しくないんだがな。荷物なんかは後で取りに行かせるじゃダメなのか? それとも酷い目に合わされた家族でも最後に会っておきたいもんなのか?」

「...正直、家族はどうでもいいです...でも数少ないながらも親切にしてくれた使用人も居ますし、せめて挨拶ぐらいはしておきたいと思いまして...」

「...分かった。そういうことならいいだろう。おい! 行き先変更だ! ビビアンの伯爵家に向かえ!」

 ライオスが御者にそう指示して、馬車は伯爵家に向かうことになった。
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