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アマンダの一件でマチルダの正体がクラスのみんなにバレた。
それで最初の内は王女だということに萎縮してしまったクラスメイト達も、マチルダの飾らない人柄と明るい性格に、段々と身分の差を感じなくなって行った。
今ではみんな、マチルダが転校して来た時と同じように接している。そんなある日、マチルダが徐に切り出した。
「ビビ、今日は帰りに買い物に行くからね?」
「買い物ですか? 何を買うんです?」
「あなたのドレス」
「へっ!?」
「私主宰のお茶会を開くって聞いてるでしょ?」
「あぁ、はい。以前、ライオス殿下に言われました」
「そのお茶会が今週末にあるんだけど、そこで着るためのドレスを揃えるのよ」
「で、でも、ドレスなら以前、ライオス殿下に頂いた物がありますが...」
「ダメよ、あんなの! キモ兄の色に染まっているじゃないのよ! キモッ! キモッ!」
「いえ、そこまでキモくは無いかと...」
「いいから行くわよ! 私がビビにピッタリのドレスをコーディネートしてあげるんだから!」
「は、はぁ...」
◇◇◇
ビビアンが連れて来られたのは、王室御用達の看板を掲げるオーダーメイドの専門店だった。ビビアンが慌てる。
「ま、マチルダ様、こ、ここはオーダーメイドしか取り扱っていませんよ!? い、今からじゃとても間に合わないんじゃ!?」
その通り。普通は注文してから出来上がるまで何ヵ月も掛かる。とても今週末になんか間に合うはずもない。
「大丈夫。問題ないわ」
だがマチルダは平気な顔して店に入って行ってしまう。ビビアンも慌てて後に続いた。
「これはこれはマチルダ王女様、ようこそお越し頂きました」
店のオーナーらしき貴婦人が二人を出迎える。当たり前だがとても洗練されたお洒落な格好をしていた。
「頼んでおいた私とこの娘のドレスは出来てる?」
「もちろんでございます。こちらへどうぞ」
「へっ!? た、頼んでおいた!?」
ビビアンが間の抜けた声を発する。
「えぇ、大分前にお願いしておいたのよ。私とあなたの分をね」
「えっ!? い、いつから!?」
「隣国に居た時から」
マチルダはサラッと答えた。ビビアンは言葉も出ない。
「こちらになります。フィッティングしますのでお着替えをお願いします」
そこにはマチルダとビビアンのサイズに合わせたドレスが5着ほど吊らされていた。
「こ、こんなにあるんですか!?」
「当然でしょ? これからお茶会は何度もあるのよ? ずっと同じドレスで出るつもり? これでも足りないくらいよ?」
ビビアンはフィッティングのため店の女性従業員達の着せ替え人形になりながら、王侯貴族とはこういう者なのかとボンヤリ思っていた。
それで最初の内は王女だということに萎縮してしまったクラスメイト達も、マチルダの飾らない人柄と明るい性格に、段々と身分の差を感じなくなって行った。
今ではみんな、マチルダが転校して来た時と同じように接している。そんなある日、マチルダが徐に切り出した。
「ビビ、今日は帰りに買い物に行くからね?」
「買い物ですか? 何を買うんです?」
「あなたのドレス」
「へっ!?」
「私主宰のお茶会を開くって聞いてるでしょ?」
「あぁ、はい。以前、ライオス殿下に言われました」
「そのお茶会が今週末にあるんだけど、そこで着るためのドレスを揃えるのよ」
「で、でも、ドレスなら以前、ライオス殿下に頂いた物がありますが...」
「ダメよ、あんなの! キモ兄の色に染まっているじゃないのよ! キモッ! キモッ!」
「いえ、そこまでキモくは無いかと...」
「いいから行くわよ! 私がビビにピッタリのドレスをコーディネートしてあげるんだから!」
「は、はぁ...」
◇◇◇
ビビアンが連れて来られたのは、王室御用達の看板を掲げるオーダーメイドの専門店だった。ビビアンが慌てる。
「ま、マチルダ様、こ、ここはオーダーメイドしか取り扱っていませんよ!? い、今からじゃとても間に合わないんじゃ!?」
その通り。普通は注文してから出来上がるまで何ヵ月も掛かる。とても今週末になんか間に合うはずもない。
「大丈夫。問題ないわ」
だがマチルダは平気な顔して店に入って行ってしまう。ビビアンも慌てて後に続いた。
「これはこれはマチルダ王女様、ようこそお越し頂きました」
店のオーナーらしき貴婦人が二人を出迎える。当たり前だがとても洗練されたお洒落な格好をしていた。
「頼んでおいた私とこの娘のドレスは出来てる?」
「もちろんでございます。こちらへどうぞ」
「へっ!? た、頼んでおいた!?」
ビビアンが間の抜けた声を発する。
「えぇ、大分前にお願いしておいたのよ。私とあなたの分をね」
「えっ!? い、いつから!?」
「隣国に居た時から」
マチルダはサラッと答えた。ビビアンは言葉も出ない。
「こちらになります。フィッティングしますのでお着替えをお願いします」
そこにはマチルダとビビアンのサイズに合わせたドレスが5着ほど吊らされていた。
「こ、こんなにあるんですか!?」
「当然でしょ? これからお茶会は何度もあるのよ? ずっと同じドレスで出るつもり? これでも足りないくらいよ?」
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