私を虐めたりしたらカウンターが発動してあなたは酷い目に遭いますよ?

真理亜

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 バレットは困っていた。

 ビビアンと全く接触できない。同じ学園に通っているにも関わらず、ビビアンの周りには必ず誰か居て近付けない。主にマチルダとライオスの王族コンビが。

 ならば手紙を出そうと思っても、王宮のどこに出せばいいのか分からない。マチルダかライオス宛てに出しても、間違いなく握り潰されてビビアンの元に着かないだろう。

「そうだ! こうなったら下駄箱にラブレター作戦だ!」

 今時ベタ過ぎるとは思うが、何振り構っていられなかった。いそいそとラブレターを認めてビビアンの下駄箱にそっと入れる。

 そんなバレットの姿を物陰からじっと見ている人影が一人。


◇◇◇ 


「ビビ、おはよう」

「マチルダ様、おはようございます」

 マチルダが下駄箱を開けるとラブレターがハラリ。

「あら!? ラブレターかしら!? 今時珍しいわね!?」

「本当ですね。マチルダ様、モテモテじゃないですか~」

「誰かしらね?」

 マチルダは封を開いて中身を確かめる。

「ふうん、なあるほどねぇ」

「誰だったんです?」

「フフフッ、秘密よ」

 マチルダは意味深に微笑んだ。


◇◇◇


 バレットは緊張しながら待っていた。ラブレターで校舎裏に呼び出したビビアン。来てくれるだろうか...

「ゴメンなさいね、お待たせしたかしら?」

 来てくれた! バレットは喜色満面で出迎えて...そこで固まった。

「熱烈なラブレターありがとう♪ 嬉しかったわぁ♪」

 マチルダがニッコリと微笑んでいた。

「ヽ(ヽ゜ロ゜)ヒイィィィ!」

 バレットは逃げ出した。その姿をやはり物陰からじっと見ている人影が一人。


◇◇◇

 
 バレットは早朝、誰も居ないビビアンの教室に居た。この間はきっと、ビビアンの下駄箱とマチルダの下駄箱を間違えてしまったんだ。

 今度こそ間違えないよう、ビビアンの机の中にラブレターを忍ばせる。机の中身をちょっと確認した。良し、ビビアンの机で間違いない。

 バレットは一仕事やり終えたような達成感を味わっていた。そんなバレットの姿をやはり物陰からじっと見ている人影が一人。


◇◇◇


「あら!? なにかしら!?」

 マチルダが机の中からラブレターを取り出す。

「またラブレターですか? 本当にマチルダ様はモテモテですね~」

「誰かしらね?」

 マチルダは封を開いて中身を確かめる。

「ふうん、なあるほどねぇ」

「誰だったんです?」

「フフフッ、秘密よ」

 マチルダは意味深に微笑んだ。


◇◇◇


 バレットはまたも緊張しながら待っていた。今度は中庭の奥にある四阿にビビアンを呼び出したのだ。

 今度こそ想いの丈をちゃんと伝えなくては!

 バレットは気合いを入れた。
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