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 今日は街の清掃活動を行う日だ。

 レイとアミを伴い参加する。マリーは初めての参加だ。

「マリーは私の側に。一緒に街をキレイにしましょう」

「は、はい! 頑張ります!」

「フフフッ、そんなに気負わなくていいのよ」

 これって屈みっぱなしだから結構疲れるんだよね。ペース配分をしっかりやらないとすぐバテちゃうんだよ。

「あっ! 聖女様だ!」

「ホントだ! マリーも居る!」

「聖女様~! マリー~!」

「孤児院のみんな! 来てくれたのね!」

 マリーが居た孤児院の子供達だ。みんなして参加してくれたらしい。

「マリー、積もる話もあるだろうから一緒に行きなさい」

「い、いいんですか?」

「えぇ、こんなに明るくなりましたってちゃんとみんなに言うのよ?」

「は、はい! ありがとうございます!」

 マリーは喜び勇んで子供達と一緒にゴミ拾いに向かった。

 
◇◇◇


「あれ? マリーはどこ行ったんです?」

 レイとアミの二人が合流した。

「あそこよ。子供達と一緒」

「あれって孤児院の子供達でしたっけ?」

「そうよ。マリーが居た所」

「じゃあきっと懐かしいなって思ってるんでしょうねぇ」

「まだそこまで時間は経ってないじゃない」

「あ、確かに」

 私達が三人して苦笑している時だった。

 ヒヒヒィ~ン!

 馬の嘶きと共に焦ったような男の声が聞こえて来た。

「退いて! 退いてくれぇ~! 馬が暴走して止まらないんだぁ~!」

 馬車を操っている御者の男の人が、手綱を引きながら懸命に暴走する馬を止めようとしている。

 そんな暴走馬車の目の前に居るのは...

「マリー!」

 そう、マリーと孤児院の子供達だ。私達は慌てて駆け寄る。


◇◇◇


 馬車はマリーと孤児院の子供達の中に突っ込むような形で止まっていた。

「痛いよ~!」

「助けて~!」

「怖いよ~!」

 馬車に跳ねられた子供達が踞っている。

「レイ! アミ! 治療を!」

「「 はい! 」」

 二人に指示を飛ばしながら、私も近くに倒れている子供を治療する。治療しながらマリーを探すと、すぐ近くにマリーが座り込んでいるのが見えた。

 見た感じ、怪我はしてないようなんで少しホッとした。だがショックからか顔は真っ青でガタガタ震えているように見える。無理もない。ここは少し休ませてあげよう。

 と思っていたら、

「...聖女様、私もやります...」

「...大丈夫!? 無理してない!?」

「...大丈夫です。やれます。やらせて下さい!」

 ...まだ顔は真っ青だけど良い顔になって来たね。

「じゃあレイとアミを手伝って」

「はい!」

 私はすっかり逞しくなったマリーを眩しそうに見守っていた。
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