ざまぁされるのが確実なヒロインに転生したので、地味に目立たず過ごそうと思います

真理亜

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 あれから私のクラス内での立場に変化が訪れた。

 学園中に広まった不祥事の被害者ということで「大丈夫? 大変だったわね」「怪我はなかったの?」「怖かったでしょう?」などなど、同情して話し掛けて来る人が増えた。

 お陰でクラス内で孤立することもなくなったし、主に虐めていたエレノアの取り巻きどもが消えたので、虐めに合うこともなくなった。

 相変わらずエレノアだけには殺意の込もった視線を向けられるが、直接手出ししてくることはない。

 取り巻きどもが退学になったきっかけの事件も、エレノアの指示ではなく、取り巻きどもの暴走だと結論が出ている。エレノアがお咎め無しなのはそういう理由だ。今は大人しくしてるが、あの視線を見る限り、まだ虎視眈々と何かを狙っているんだろう。油断は禁物だ。


◇◇◇


 ある日、日直だった私は、中庭にあるクラスの花壇に水を撒いていた。如雨露に入れた水がなくなったので、水場に戻ろうと身を翻した時だった。

 ガッシヤーン!

 私がたった今まで立っていた位置に、私の頭より大きな植木鉢が落ちて来たのだ。何事!?って思って上を見上げると、

「キャアアッ! ゴメンなさい! 私ったらついうっかり! お怪我はありませんでしたか?」

 そう言って申し訳なさそうな顔をして謝ってるのは...伯爵令嬢のサンドラ!? コイツは宰相子息ルートの悪役令嬢じゃないか! もちろん、宰相子息のハリスとは面識が無いが、そんな事どうだっていい!

 コイツは私を殺す気か!?

 殊勝な顔して謝ってるが、目は私を睨み付けている。間違いない、わざとだ! 虐めるなんて生易しいもんじゃない! 直接命を狙ってきやがった! 私は怖くなってその場から逃げ出した。

 その後もサンドラの攻撃は続いた...

 昼休み、いつものように中庭のベンチに腰を下ろしてパンを齧っていると、

 ポトッ!

 何かが落ちて来た。ハチの巣!?

「ひいっ!」

 私は一目散に逃げ出した。幸い刺されることはなかったが、アナフィラキシーショックで死んだらどうする!?

 殺す気か!!

 次の日から学食で昼食を取ることにした。するとサンドラがトレイを持って私に近付いて来る。私は身構える。

「キャアアッ!」

 わざとらしくサンドラがコケる。そして私目掛けてアツアツのスープ入り皿が飛んで来る。身構えていた私はサッと避ける。

 ガッシヤーン!!

 「ご、ゴメンなさい! わ、私ったらドジで! チッ!」

 おい! 今、最後に舌打ちしただろ! こんなアツアツのスープを頭から被ったらどうなると思ってんだ!

 殺す気か!!!


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