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サンドラは自主退学した。
あの日、階段から落ちて両足を骨折するという大怪我を負ったのは、宰相子息のハリスだった。サンドラが階段にぶちまけた油に滑って転がり落ちたのだ。
恐らく私を狙った犯行だったのだろうが、間違えて自分の想い人に大怪我をさせてしまった。そのショックで呆然として、証拠となる油を手に持ったまま立ち竦んでいる姿を、騒ぎを聞き付けて集まって来た人達に見られてしまったそうだ。
言い逃れることも出来ず、傷害の容疑でその場で拘束されたとのこと。最初は容疑を否認していたそうだが、料理部入っている訳でもないサマンサが、調理用の油を持ち歩いていたことの不自然さと、階段を何度も昇降しているところを目撃されていたのが命取りになったらしい。恐らく私を落とすシミュレーションでもしてたんだろう。
学園からの処罰は一ヶ月の停学処分だったそうだが、本人は居た堪れなかったのだろう。自ら退学を申し出たそうだ。無理もない。ある事ない事を噂されまくるだろうから。学園に戻って来ても針の筵だろう。それに想い人とも添い遂げることは出来なくなったのだから。
完全なるサマンサの自爆だが、私にとっては最高の結果となった。これで命の心配をしなくて済む。というか、学園に通ってるだけで命の心配をするような状況になること自体が、そもそもおかしかった訳だが...取り敢えずサンドラにはこの言葉を贈ろうと思う。
ザマアミロ!
◇◇◇
さて、これでまたルートが一つ消えた。宰相子息のハリスとは、結局顔を会わすこともなく終わった。ゲーム的にはそれでいいんだろうかと思ったが、私の生き延びる道がまた少し広がったのならなんでもいい。
これで残るルートはあと二つ。油断は出来ないが、私を取り巻く状況は段々と良くなっていると思う。このまますんなりと終わってくれたらいいんだけど...
うん、分かってた...そんなに甘いもんじゃないってことを...
今、私は体育倉庫に閉じ込められてる訳なんだが...なんでそんなことになったのかと言うと、今日の体育の授業で使った器具を、今日の当番である私が片付けていたら、誰かに閉じ込められたのだ。
誰かと言ったのは、犯人を見てないからだ。残る悪役令嬢は、大司教子息ルートなら侯爵令嬢のアマンダ、大富豪子息ルートなら伯爵令嬢のレイチェルだ。そのどちらの姿も見てない。どちらかが犯人なのか、それとも全く別の誰か...たとえばエレノアとか。
この時の私は、もう一つの可能性があることを見落としていた。
あの日、階段から落ちて両足を骨折するという大怪我を負ったのは、宰相子息のハリスだった。サンドラが階段にぶちまけた油に滑って転がり落ちたのだ。
恐らく私を狙った犯行だったのだろうが、間違えて自分の想い人に大怪我をさせてしまった。そのショックで呆然として、証拠となる油を手に持ったまま立ち竦んでいる姿を、騒ぎを聞き付けて集まって来た人達に見られてしまったそうだ。
言い逃れることも出来ず、傷害の容疑でその場で拘束されたとのこと。最初は容疑を否認していたそうだが、料理部入っている訳でもないサマンサが、調理用の油を持ち歩いていたことの不自然さと、階段を何度も昇降しているところを目撃されていたのが命取りになったらしい。恐らく私を落とすシミュレーションでもしてたんだろう。
学園からの処罰は一ヶ月の停学処分だったそうだが、本人は居た堪れなかったのだろう。自ら退学を申し出たそうだ。無理もない。ある事ない事を噂されまくるだろうから。学園に戻って来ても針の筵だろう。それに想い人とも添い遂げることは出来なくなったのだから。
完全なるサマンサの自爆だが、私にとっては最高の結果となった。これで命の心配をしなくて済む。というか、学園に通ってるだけで命の心配をするような状況になること自体が、そもそもおかしかった訳だが...取り敢えずサンドラにはこの言葉を贈ろうと思う。
ザマアミロ!
◇◇◇
さて、これでまたルートが一つ消えた。宰相子息のハリスとは、結局顔を会わすこともなく終わった。ゲーム的にはそれでいいんだろうかと思ったが、私の生き延びる道がまた少し広がったのならなんでもいい。
これで残るルートはあと二つ。油断は出来ないが、私を取り巻く状況は段々と良くなっていると思う。このまますんなりと終わってくれたらいいんだけど...
うん、分かってた...そんなに甘いもんじゃないってことを...
今、私は体育倉庫に閉じ込められてる訳なんだが...なんでそんなことになったのかと言うと、今日の体育の授業で使った器具を、今日の当番である私が片付けていたら、誰かに閉じ込められたのだ。
誰かと言ったのは、犯人を見てないからだ。残る悪役令嬢は、大司教子息ルートなら侯爵令嬢のアマンダ、大富豪子息ルートなら伯爵令嬢のレイチェルだ。そのどちらの姿も見てない。どちらかが犯人なのか、それとも全く別の誰か...たとえばエレノアとか。
この時の私は、もう一つの可能性があることを見落としていた。
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