11 / 16
11
クソッ! 迂闊だった!
体育倉庫に誰も来ないよう、見張りでもさせていたんだろう。執事服姿の男が近付いて来る。
「ヨーゼフ! こいつを捕まえて!」
私の足首を掴んだままカミラが叫ぶ。ヨーゼフと呼ばれた男の手が伸びて来た。もうラインパウダーは使い切った。万事休す。あぁ、ここまでか...私が諦め掛けた時だった。
「おいっ! お前ら! なにをしている!」
この声はキース様! 体育倉庫に飛び込んで来たキース様は、まずヨーゼフを殴り飛ばして気絶させ、更に破落戸どもをあっという間に一網打尽にした。
その間、私も暴れるカミラを後ろから馬乗りになって拘束した。
「クソッ! この汚ならしい平民が! 私に触るんじゃないわよ!」
「やかましいわっ! 今はあんたもその平民だろうがぁ! 偉そうにギャンギャン吠えるんじゃねぇ! この勘違い女がぁ!」
あまりにも腹が立ったので、後頭部を殴り付けてやったら、やっと静かになった。すると、
「お見事」
とキース様がとても良い笑顔でそう言った。
◇◇◇
その後すぐに、マリク殿下が学園の警備員を伴って現れ、カミラ含む一味を全員を拘束した。
「リリアナ、良かった! 無事だったんだね!」
「はい、あの、どうして私がここに居ると分かったんですか?」
「学園に外部の者が侵入したって聞いてね。もしかして君が狙われているのかも知れないと思って、キースと一緒に真っ先に君のクラスに行ったんだ。そしたら体育の授業の後から姿が見えないって聞いて、ここじゃないかと思ってキースに先行して貰って、僕はその間に警備員を呼びに行ったんだ」
「そうだったんですね。マリク殿下、そしてキース様、本当にありがとうございました」
「いいってことよ! 気にすんな!」
「君が無事で本当に良かったよ」
こうして私はまたもこのお二人に助けられた。ありがとう。心より感謝申し上げます。
◇◇◇
その後の取り調べで、カミラは父親から廃嫡を言い渡された後、修道院に送られる途中で、ヨーゼフの手引きにより脱走したこと、ヨーゼフとはただならぬ仲だったことなどが判明した。
また、カミラ達を学園に引き入れた協力者は、アマンダだったことも判明した。彼女は退学処分になった。カミラ達は平民ということで普通に裁判に掛けられる。良くて国外追放、悪ければ絞首刑も有り得るとのこと。特にカミラは謂わば執行猶予中の再犯ということで情状酌量の余地は無いそうだ。
当然だ。厳罰に処して欲しい。二度も怖い目に合わされた私は切にそう願う。
しかしこれで大司教子息ルートも消えた訳だ。しかもついにこのルートでは、悪役令嬢にも大司教子息とも顔を合わすことなく終わったという異例? とも言える展開になった訳だが、ストーリーとしてはこれでいいんだろうか?
まぁそれはともかく、これで残りのルートは一つだけになった。さすがにもう生き延びることは確定したんじゃないだろうか? それともまだ楽観は出来ないんだろうか?
そんなことを考えながら歩いていたら、意外な人物に声を掛けられた。
「リリアナさんだったわね。ちょっとよろしいかしら?」
「か、カトリーナ王女殿下!?」
えっ!? 王女殿下がなんで私に!?
体育倉庫に誰も来ないよう、見張りでもさせていたんだろう。執事服姿の男が近付いて来る。
「ヨーゼフ! こいつを捕まえて!」
私の足首を掴んだままカミラが叫ぶ。ヨーゼフと呼ばれた男の手が伸びて来た。もうラインパウダーは使い切った。万事休す。あぁ、ここまでか...私が諦め掛けた時だった。
「おいっ! お前ら! なにをしている!」
この声はキース様! 体育倉庫に飛び込んで来たキース様は、まずヨーゼフを殴り飛ばして気絶させ、更に破落戸どもをあっという間に一網打尽にした。
その間、私も暴れるカミラを後ろから馬乗りになって拘束した。
「クソッ! この汚ならしい平民が! 私に触るんじゃないわよ!」
「やかましいわっ! 今はあんたもその平民だろうがぁ! 偉そうにギャンギャン吠えるんじゃねぇ! この勘違い女がぁ!」
あまりにも腹が立ったので、後頭部を殴り付けてやったら、やっと静かになった。すると、
「お見事」
とキース様がとても良い笑顔でそう言った。
◇◇◇
その後すぐに、マリク殿下が学園の警備員を伴って現れ、カミラ含む一味を全員を拘束した。
「リリアナ、良かった! 無事だったんだね!」
「はい、あの、どうして私がここに居ると分かったんですか?」
「学園に外部の者が侵入したって聞いてね。もしかして君が狙われているのかも知れないと思って、キースと一緒に真っ先に君のクラスに行ったんだ。そしたら体育の授業の後から姿が見えないって聞いて、ここじゃないかと思ってキースに先行して貰って、僕はその間に警備員を呼びに行ったんだ」
「そうだったんですね。マリク殿下、そしてキース様、本当にありがとうございました」
「いいってことよ! 気にすんな!」
「君が無事で本当に良かったよ」
こうして私はまたもこのお二人に助けられた。ありがとう。心より感謝申し上げます。
◇◇◇
その後の取り調べで、カミラは父親から廃嫡を言い渡された後、修道院に送られる途中で、ヨーゼフの手引きにより脱走したこと、ヨーゼフとはただならぬ仲だったことなどが判明した。
また、カミラ達を学園に引き入れた協力者は、アマンダだったことも判明した。彼女は退学処分になった。カミラ達は平民ということで普通に裁判に掛けられる。良くて国外追放、悪ければ絞首刑も有り得るとのこと。特にカミラは謂わば執行猶予中の再犯ということで情状酌量の余地は無いそうだ。
当然だ。厳罰に処して欲しい。二度も怖い目に合わされた私は切にそう願う。
しかしこれで大司教子息ルートも消えた訳だ。しかもついにこのルートでは、悪役令嬢にも大司教子息とも顔を合わすことなく終わったという異例? とも言える展開になった訳だが、ストーリーとしてはこれでいいんだろうか?
まぁそれはともかく、これで残りのルートは一つだけになった。さすがにもう生き延びることは確定したんじゃないだろうか? それともまだ楽観は出来ないんだろうか?
そんなことを考えながら歩いていたら、意外な人物に声を掛けられた。
「リリアナさんだったわね。ちょっとよろしいかしら?」
「か、カトリーナ王女殿下!?」
えっ!? 王女殿下がなんで私に!?
あなたにおすすめの小説
私はざまぁされた悪役令嬢。……ってなんだか違う!
杵島 灯
恋愛
王子様から「お前と婚約破棄する!」と言われちゃいました。
彼の隣には幼馴染がちゃっかりおさまっています。
さあ、私どうしよう?
とにかく処刑を避けるためにとっさの行動に出たら、なんか変なことになっちゃった……。
小説家になろう、カクヨムにも投稿中。
悪役令嬢ですが、今日も元婚約者とヒロインにざまぁされました(なお、全員私を溺愛しています)
ほーみ
恋愛
「レティシア・エルフォード! お前との婚約は破棄する!」
王太子アレクシス・ヴォルフェンがそう宣言した瞬間、広間はざわめいた。私は静かに紅茶を口にしながら、その言葉を聞き流す。どうやら、今日もまた「ざまぁ」される日らしい。
ここは王宮の舞踏会場。華やかな装飾と甘い香りが漂う中、私はまたしても断罪劇の主役に据えられていた。目の前では、王太子が優雅に微笑みながら、私に婚約破棄を突きつけている。その隣には、栗色の髪をふわりと揺らした少女――リリア・エヴァンスが涙ぐんでいた。
【完結】前世の記憶があっても役に立たないんですが!
kana
恋愛
前世を思い出したのは階段からの落下中。
絶体絶命のピンチも自力で乗り切ったアリシア。
ここはゲームの世界なのか、ただの転生なのかも分からない。
前世を思い出したことで変わったのは性格だけ。
チートともないけど前向きな性格で我が道を行くアリシア。
そんな時ヒロイン?登場でピンチに・・・
ユルい設定になっています。
作者の力不足はお許しください。
未来の記憶を手に入れて~婚約破棄された瞬間に未来を知った私は、受け入れて逃げ出したのだが~
キョウキョウ
恋愛
リムピンゼル公爵家の令嬢であるコルネリアはある日突然、ヘルベルト王子から婚約を破棄すると告げられた。
その瞬間にコルネリアは、処刑されてしまった数々の未来を見る。
絶対に死にたくないと思った彼女は、婚約破棄を快く受け入れた。
今後は彼らに目をつけられないよう、田舎に引きこもって地味に暮らすことを決意する。
それなのに、王子の周りに居た人達が次々と私に求婚してきた!?
※カクヨムにも掲載中の作品です。
乙女ゲームの悪役令嬢になったから、ヒロインと距離を置いて破滅フラグを回避しようと思ったら……なぜか攻略対象が私に夢中なんですけど!?
猪木洋平@【コミカライズ連載中】
恋愛
「イザベラ、お前との婚約を破棄する!」「はい?」悪役令嬢のイザベラは、婚約者のエドワード王子から婚約の破棄を言い渡されてしまった。男爵家令嬢のアリシアとの真実の愛に目覚めたという理由でだ。さらには義弟のフレッド、騎士見習いのカイン、氷魔法士のオスカーまでもがエドワード王子に同調し、イザベラを責める。そして正義感が暴走した彼らにより、イザベラは殺害されてしまった。「……はっ! ここは……」イザベラが次に目覚めたとき、彼女は七歳に若返っていた。そして、この世界が乙女ゲームだということに気づく。予知夢で見た十年後のバッドエンドを回避するため、七歳の彼女は動き出すのであった。
絞首刑まっしぐらの『醜い悪役令嬢』が『美しい聖女』と呼ばれるようになるまでの24時間
夕景あき
ファンタジー
ガリガリに痩せて肌も髪もボロボロの『醜い悪役令嬢』と呼ばれたオリビアは、ある日婚約者であるトムス王子と義妹のアイラの会話を聞いてしまう。義妹はオリビアが放火犯だとトムス王子に訴え、トムス王子はそれを信じオリビアを明日の卒業パーティーで断罪して婚約破棄するという。
卒業パーティーまで、残り時間は24時間!!
果たしてオリビアは放火犯の冤罪で断罪され絞首刑となる運命から、逃れることが出来るのか!?
悪役令嬢がヒロインからのハラスメントにビンタをぶちかますまで。
倉桐ぱきぽ
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢に転生した私は、ざまぁ回避のため、まじめに生きていた。
でも、ヒロイン(転生者)がひどい!
彼女の嘘を信じた推しから嫌われるし。無実の罪を着せられるし。そのうえ「ちゃんと悪役やりなさい」⁉
シナリオ通りに進めたいヒロインからのハラスメントは、もう、うんざり!
私は私の望むままに生きます!!
本編+番外編3作で、40000文字くらいです。
⚠途中、視点が変わります。サブタイトルをご覧下さい。
悪役令嬢に転生したら手遅れだったけど悪くない
おこめ
恋愛
アイリーン・バルケスは断罪の場で記憶を取り戻した。
どうせならもっと早く思い出せたら良かったのに!
あれ、でも意外と悪くないかも!
断罪され婚約破棄された令嬢のその後の日常。
※うりぼう名義の「悪役令嬢婚約破棄諸々」に掲載していたものと同じものです。