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「お、お友達...ですか?」

「えぇ、そうよ?」

「な、なんで私なんかと...」

「リリアナさん、あなたこの学園内で何回も危ない目に合ったそうじゃない?」

「え、えぇ、まぁ...」

 数え切れないよね...私、良く生きてるもんだよ...

「王族の一人として見過ごせないのよ。あってはならないことだから」

「は、はぁ...」

「だからね、あなたが学園に居る間は常に私と一緒に居なさい。そうすればちょっかい出して来るような輩はいなくなるでしょう。学年が違うからずっと一緒って訳には行かないと思うけど、休み時間やお昼休み、放課後も出来るだけ一緒に居るようになさいな」

「よ、よろしいのでしょうか...」

 とてもありがたいけど、やっぱり恐れ多いような...

「えぇ、構わないわ。私の側近達にもそう伝えておくから、私が居ない時には彼女達を頼りなさい」

「あ、ありがとうございます...とても助かります...でも、本当にいいんでしょうか? 私なんかがお側に居たら、ご迷惑をお掛けしてしまうのでは...」

「迷惑なんかじゃないわよ。あなたみたいに可愛らしい娘は大歓迎よ。だからね、私なんかって言うのはお止めなさい。もっと自分に自信を持って」

「じ、自信ですか...」

「そうよ。なんたってあなたは、あの堅物で女嫌いな弟のお気に入りなんだから」

「お、弟って...マリク殿下のことですか?」

「その通りよ。あの子はね、昔っから王子妃狙いの女の子達に強引に迫られてばっかりで、すっかり女嫌いになっちゃったのよ。だから未だに婚約者が居ないの」

 あれ? エレノアってマリク殿下の婚約者じゃなかったの?

「そんなあの子がね、私に頭を下げて来たのよ。あなたを守ってやって欲しいって。ほら、女同士じゃないと入れない場所とかもあるでしょう? だから同性である私を頼って来たって訳よ。もっとも、弟に言われなくても私はあなたのことを助けたいと思ってたから。これは本当よ?」
 
 マリク殿下が私のことを...嬉しいけど、やっぱり恐れ多いような...

「わ、分かりました。あ、あの、不束者ですがよろしくお願い致します...」

 こうして私は、カトリーナ王女と行動を共にすることが多くなった。それに伴い、元々極端に減っていた嫌がらせなどの類いは一切なくなった。

 エレノアなんか私達の姿を見たら、逆に避けるようになった。このまま私にとってのハッピーエンディングを迎えられるだろう。そう思っていた。

 だから油断したんだ...
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