7 / 7
7
しおりを挟む
「まぁまぁ皆さん、ちょっと落ち着いて下さいな。私、たった今婚約を破棄したばかりなんですよ? いくらなんでも、またすぐに次の婚約を結ぶという訳には参りませんよ。外聞も悪いですし。少しお時間を下さいな。皆さんのお気持ちは大変嬉しいので、時間を掛けてゆっくりと結論を出させて頂きます」
そう言われてしまえば仕方ない。求婚者達はいったん引き下がることにした。
「申し訳ない。我々は性急過ぎたようだ。良い返事を期待している。じっくり考えて欲しい」
求婚者一同を代表する形で、第二王子であるアレスがそう言った。
「あ、あの...」
その時、それまで黙っていたエルムがおずおずと話し掛ける。
「カエラ...その...済まなかった...これからは心を入れ替えるから、婚約破棄をなかったことに出来ないだろうか...頼むよ...」
なにを今更とばかりに気色ばむ求婚者達を片手で制して、
「あら第一王子殿下、あなたにだけはこの場でハッキリとご返事申し上げます。あなたなんか死んでもゴメンですよ!」
次の瞬間、エルムは床に崩れ落ちた。
◇◇◇
その後、エルムは廃嫡となった。王族からも除籍され平民となって、同じく実家から勘当され平民となったケイトとの婚姻を義務付けられた。夫婦となった二人は互いに『お前せいだ!』といがみ合い、ケンカが絶えなかったそうだ。
エルムの取り巻き共も全員実家から勘当され平民に落とされた。今どこでなにをしてるのか不明である。
そしてカエラは数多くの求婚者の中から、アレス第二王子を相手に選んだ。というより他に選択肢がなかった。
既に王妃教育をほとんど終了し、公務まで代行している彼女を王家が手放すはずもなく、周囲の雑音をシャットアウトする形で半ば強引に押し進めた。
そこには間違っても、隣国に渡す訳にはいかないという強い意志が感じられた。
『隣国に渡ったりしたらスバイ行為になるぞ』とまで言ってカエラを半ば脅すようにして必死に引き留めようとした。
実家のことを考えても、カエラには国内に留まるしか選択肢はなかったのだ。
これを聞いた隣国のゼット第二王子が、誘拐同然にカエラを拐って逃げようとしたが、水際で防がれゼット王子は国外退去処分となった。
そんなこんながありつつ、本日めでたくカエラと正式に立太子したアレス王太子との婚約の日を迎えた。
そこには新たにアレス王太子の側近となった、元生徒会メンバー達の姿もあった。副会長、書記、庶務を担当していた面々である。
全員に祝福されたカエラは輝かんばかりの笑顔を浮かべて、新たな婚約者であるアレス王太子と仲睦まじく寄り添っていたのだった。
~ fin. ~
そう言われてしまえば仕方ない。求婚者達はいったん引き下がることにした。
「申し訳ない。我々は性急過ぎたようだ。良い返事を期待している。じっくり考えて欲しい」
求婚者一同を代表する形で、第二王子であるアレスがそう言った。
「あ、あの...」
その時、それまで黙っていたエルムがおずおずと話し掛ける。
「カエラ...その...済まなかった...これからは心を入れ替えるから、婚約破棄をなかったことに出来ないだろうか...頼むよ...」
なにを今更とばかりに気色ばむ求婚者達を片手で制して、
「あら第一王子殿下、あなたにだけはこの場でハッキリとご返事申し上げます。あなたなんか死んでもゴメンですよ!」
次の瞬間、エルムは床に崩れ落ちた。
◇◇◇
その後、エルムは廃嫡となった。王族からも除籍され平民となって、同じく実家から勘当され平民となったケイトとの婚姻を義務付けられた。夫婦となった二人は互いに『お前せいだ!』といがみ合い、ケンカが絶えなかったそうだ。
エルムの取り巻き共も全員実家から勘当され平民に落とされた。今どこでなにをしてるのか不明である。
そしてカエラは数多くの求婚者の中から、アレス第二王子を相手に選んだ。というより他に選択肢がなかった。
既に王妃教育をほとんど終了し、公務まで代行している彼女を王家が手放すはずもなく、周囲の雑音をシャットアウトする形で半ば強引に押し進めた。
そこには間違っても、隣国に渡す訳にはいかないという強い意志が感じられた。
『隣国に渡ったりしたらスバイ行為になるぞ』とまで言ってカエラを半ば脅すようにして必死に引き留めようとした。
実家のことを考えても、カエラには国内に留まるしか選択肢はなかったのだ。
これを聞いた隣国のゼット第二王子が、誘拐同然にカエラを拐って逃げようとしたが、水際で防がれゼット王子は国外退去処分となった。
そんなこんながありつつ、本日めでたくカエラと正式に立太子したアレス王太子との婚約の日を迎えた。
そこには新たにアレス王太子の側近となった、元生徒会メンバー達の姿もあった。副会長、書記、庶務を担当していた面々である。
全員に祝福されたカエラは輝かんばかりの笑顔を浮かべて、新たな婚約者であるアレス王太子と仲睦まじく寄り添っていたのだった。
~ fin. ~
762
この作品は感想を受け付けておりません。
あなたにおすすめの小説
婚約破棄を言い渡された側なのに、俺たち...やり直せないか...だと?やり直せません。残念でした〜
神々廻
恋愛
私は才色兼備と謳われ、完璧な令嬢....そう言われていた。
しかし、初恋の婚約者からは婚約破棄を言い渡される
そして、数年後に貴族の通う学園で"元"婚約者と再会したら.....
「俺たち....やり直せないか?」
お前から振った癖になに言ってんの?やり直せる訳無いだろ
婚約者は妹を選ぶようです(改稿版)
鈴白理人
恋愛
アドリアナ・ヴァンディール侯爵令嬢には妹がいる。
アドリアナが家格の同じ侯爵家の三男であるレオニード・ガイデアンの婚約者となり半年経つが、最近の彼は妹のリリアーナと急接近し、アドリアナをないがしろにし始める。
どこでも泣き出すリリアーナにアドリアナは嘆息してしまうが、レオニードはリリアーナをかばい続け、アドリアナを非難する言葉ばかりを口にするようになった。
リリアーナのデビュタント会場で、とうとうそれは起こるべくして起こった。
「アドリアナ・ヴァンディール侯爵令嬢!僕は君との婚約を破棄して、妹のリリアーナ・ヴァンディールと婚約を結び直す!」
宜しいのでしょうか、レオニード・ガイデアン侯爵令息?
その妹は──
婚約破棄を言い渡された側なのに、俺たち...やり直せないか...だと?やり直せません。残念でした〜
神々廻
恋愛
私は才色兼備と謳われ、完璧な令嬢....そう言われていた。
しかし、初恋の婚約者からは婚約破棄を言い渡される
そして、数年後に貴族の通う学園で"元"婚約者と再会したら.....
「俺たち....やり直せないか?」
お前から振った癖になに言ってんの?やり直せる訳無いだろ
お気に入り、感想お願いします!
虚偽の罪で婚約破棄をされそうになったので、真正面から潰す
千葉シュウ
恋愛
王立学院の卒業式にて、突如第一王子ローラス・フェルグラントから婚約破棄を受けたティアラ・ローゼンブルグ。彼女は国家の存亡に関わるレベルの悪事を働いたとして、弾劾されそうになる。
しかし彼女はなぜだか妙に強気な態度で……?
貴族の令嬢にも関わらず次々と王子の私兵を薙ぎ倒していく彼女の正体とは一体。
ショートショートなのですぐ完結します。
婚約破棄、されたほうです。
みけねこ
恋愛
社交パーティーの会場のど真ん中で突然言い渡された婚約破棄。
目の前で婚約者は肩を抱き寄せられ、得意げに弟はこちらにそう突きつけた。
婚約破棄、されたのはどうやらこちらのようです。
婚約破棄ならもうしましたよ?
春先 あみ
恋愛
リリア・ラテフィール伯爵令嬢の元にお約束の婚約破棄を突き付けてきたビーツ侯爵家嫡男とピピ男爵令嬢
しかし、彼等の断罪イベントは国家転覆を目論む巧妙な罠!?…だったらよかったなぁ!!
リリアの親友、フィーナが主観でお送りします
「なんで今日の今なのよ!!婚約破棄ならとっくにしたじゃない!!」
………
初投稿作品です
恋愛コメディは初めて書きます
楽しんで頂ければ幸いです
感想等いただけるととても嬉しいです!
2019年3月25日、完結致しました!
ありがとうございます!
【完結】華麗に婚約破棄されましょう。~卒業式典の出来事が小さな国の価値観を変えました~
ゆうぎり
恋愛
幼い頃姉の卒業式典で見た婚約破棄。
「かしこまりました」
と綺麗なカーテシーを披露して去って行った女性。
その出来事は私だけではなくこの小さな国の価値観を変えた。
※ゆるゆる設定です。
※頭空っぽにして、軽い感じで読み流して下さい。
※Wヒロイン、オムニバス風
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる