我が家の乗っ取りを企む婚約者とその幼馴染みに鉄槌を下します!

真理亜

文字の大きさ
12 / 276

12

しおりを挟む
「伯爵家の女当主に手を出そうとしたんだもの。ただで済むとは思ってないでしょうね?」

「そ、それは...で、でも君も合意の上のはずじゃ...」

「お黙り!」

 私はヒールの踵をアランの目の前の床に「ダンッ!」と叩き付ける。

「ヽ(ヽ゜ロ゜)ヒイィィィ!」

 それだけでアランは縮み上がる。

「理解したかしら? 自分の立場を?」

 アランがコクコクと頷く。私はボーイに目配せしてアランを立ち上がらせる。

「許して欲しかったらこの女を全力で落としなさい」

 私はキャロラインの写真と簡単な身上調査書をテーブルの上に置いた。アランが食い入るように見詰める。

「だ、男爵令嬢!? お、落とせと言われても、貴族とは接点が...」

「接点はこちらでお膳立てするわ。段取りが付いたら連絡するから。いいわね?」

「は、はい...わ、分かりました...」

「もし怖じ気付いて逃げようなんてしたら」

 私はそっとボーイの方に目を向ける。ボーイは無表情のまま懐に手を入れる。

「ヽ(ヽ゜ロ゜)ヒイィィィ! わ、分かった! 分かりました! に、逃げたりしません! ち、誓います!」

「よろしい。用件は済んだわ。とっとと帰りなさい」

 アランは脱兎の如く逃げるように去って行った。

「フゥッ...クリフ様、お疲れ様でした」

「いやいや、楽しかった! なんか自分が悪役になったみたいで気持ち良かったよ! クセになりそうだね!」

「本当はその役、セバスチャンにやらせる予定だったんですがね...」

「こんな面白い役、誰にも譲る気はないね!」

「ハァッ...」

 私はため息を吐きながら、満面の笑みを浮かべているクリフトファー様を冷めた目で見詰めた。

「いやぁ、やっぱりアンリと一緒に居ると退屈しないねぇ!」

「はぁ、そりゃあよござんした...」

「で!? この後はどうするの!?」

 ...クリフトファー様、目がキラキラと輝いてますね...

「...我が家で開くお茶会にキャロラインを招待しようかなと...」

「いいねいいね! それからそれから!?」

「...アランを私の侍従として出席させ、キャロラインと接触させようかなと...」

「面白そう! 当然僕も参加するからね!」

「...そうですか...」

 ...私はもう色々と面倒臭くなって来たんで、勝手にしてくれとばかりにそう呟いた。

 まぁ邪魔さえしなければそれでいいかな...

 私は自分にそう言い聞かせて、お茶会の他の参加者を誰にしようかと頭を切り替えた。

 クリフトファー様がお忍びで参加する気なら、エリザベートは外しておいた方がいいな...

 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

王子、おひとり様で残りの人生をお楽しみください!

ちゃっぴー
恋愛
「ラーニャ、貴様との婚約を破棄する!」 卒業パーティーの真っ最中、ナルシストな第一王子ウィルフレッドに身に覚えのない罪で断罪された公爵令嬢ラーニャ。しかし、彼女はショックを受けるどころか、優雅に微笑んで拍手を送った。 なぜなら、ラーニャはとっくに王子の無能さに愛想を尽かし、この日のために完璧な「撤退準備」を進めていたからだ。

【完結】私を捨てた皆様、どうぞその選択を後悔なさってください 〜婚約破棄された令嬢の、遅すぎる謝罪はお断りです〜

くろねこ
恋愛
王太子の婚約者として尽くしてきた公爵令嬢エリシアは、ある日突然、身に覚えのない罪で断罪され婚約破棄を言い渡される。 味方だと思っていた家族も友人も、誰一人として彼女を庇わなかった。 ――けれど、彼らは知らなかった。 彼女こそが国を支えていた“本当の功労者”だったことを。 すべてを失ったはずの令嬢が選んだのは、 復讐ではなく「関わらない」という選択。 だがその選択こそが、彼らにとって最も残酷な“ざまぁ”の始まりだった。

「失礼いたしますわ」と唇を噛む悪役令嬢は、破滅という結末から外れた?

パリパリかぷちーの
恋愛
「失礼いたしますわ」――断罪の広場で令嬢が告げたのは、たった一言の沈黙だった。 侯爵令嬢レオノーラ=ヴァン=エーデルハイトは、“涙の聖女”によって悪役とされ、王太子に婚約を破棄され、すべてを失った。だが彼女は泣かない。反論しない。赦しも求めない。ただ静かに、矛盾なき言葉と香りの力で、歪められた真実と制度の綻びに向き合っていく。 「誰にも属さず、誰も裁かず、それでもわたくしは、生きてまいりますわ」 これは、断罪劇という筋書きを拒んだ“悪役令嬢”が、沈黙と香りで“未来”という舞台を歩んだ、静かなる反抗と再生の物語。

白い結婚の末、離婚を選んだ公爵夫人は二度と戻らない』

鍛高譚
恋愛
白い結婚の末、「白い結婚」の末、私は冷遇され、夫は愛人を溺愛していた――ならば、もう要らないわ」 公爵令嬢 ジェニファー・ランカスター は、王弟 エドワード・クラレンス公爵 のもとへ政略結婚として嫁ぐ。 だが、その結婚生活は冷たく空虚なものだった。夫は愛人 ローザ・フィッツジェラルド に夢中になり、公爵夫人であるジェニファーは侮辱され、無視され続ける日々。 ――それでも、貴族の娘は耐えなければならないの? 何の愛もなく、ただ飾り物として扱われる結婚に見切りをつけたジェニファーは 「離婚」 を決意する。 しかし、王弟であるエドワードとの離婚は容易ではない。実家のランカスター家は猛反対し、王宮の重臣たちも彼女の決断を 「公爵家の恥」 と揶揄する。 それでも、ジェニファーは負けない。弁護士と協力し、着々と準備を進めていく。 そんな折、彼女は北方の大国 ヴォルフ公国の大公、アレクサンダー・ヴォルフ と出会う。 温かく誠実な彼との交流を通じて、ジェニファーは 「本当に大切にされること」 を知る。 そして、彼女の決断は、王都の社交界に大きな波紋を呼ぶこととなる――。 「公爵夫人を手放したことを、いつか後悔しても遅いわ」 「私はもう、あなたたちの飾り人形じゃない」 離婚を巡る策略、愛人の凋落、元夫の後悔――。 そして、新たな地で手にした 「愛される結婚」。

断罪の準備は完璧です!国外追放が楽しみすぎてボロが出る

黒猫かの
恋愛
「ミモリ・フォン・ラングレイ! 貴様との婚約を破棄し、国外追放に処す!」 パルマ王国の卒業パーティー。第一王子アリオスから突きつけられた非情な断罪に、公爵令嬢ミモリは……内心でガッツポーズを決めていた。 (ついにきたわ! これで堅苦しい王妃教育も、無能な婚約者の世話も、全部おさらばですわ!)

謹んで、婚約破棄をお受けいたします。

パリパリかぷちーの
恋愛
きつい目つきと素直でない性格から『悪役令嬢』と噂される公爵令嬢マーブル。彼女は、王太子ジュリアンの婚約者であったが、王子の新たな恋人である男爵令嬢クララの策略により、夜会の場で大勢の貴族たちの前で婚約を破棄されてしまう。

転生者はチートな悪役令嬢になりました〜私を死なせた貴方を許しません〜

みおな
恋愛
 私が転生したのは、乙女ゲームの世界でした。何ですか?このライトノベル的な展開は。  しかも、転生先の悪役令嬢は公爵家の婚約者に冤罪をかけられて、処刑されてるじゃないですか。  冗談は顔だけにして下さい。元々、好きでもなかった婚約者に、何で殺されなきゃならないんですか!  わかりました。私が転生したのは、この悪役令嬢を「救う」ためなんですね?  それなら、ついでに公爵家との婚約も回避しましょう。おまけで貴方にも仕返しさせていただきますね?

「僕が望んだのは、あなたではありません」と婚約破棄をされたのに、どうしてそんなに大切にするのでしょう。【短編集】

長岡更紗
恋愛
異世界恋愛短編詰め合わせです。 気になったものだけでもおつまみください! 『君を買いたいと言われましたが、私は売り物ではありません』 『悪役令嬢は、友の多幸を望むのか』 『わたくしでは、お姉様の身代わりになりませんか?』 『婿に来るはずだった第五王子と婚約破棄します! その後にお見合いさせられた副騎士団長と結婚することになりましたが、溺愛されて幸せです。 』 『婚約破棄された悪役令嬢だけど、騎士団長に溺愛されるルートは可能ですか?』 他多数。 他サイトにも重複投稿しています。

処理中です...