我が家の乗っ取りを企む婚約者とその幼馴染みに鉄槌を下します!

真理亜

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「フゥ...これでやっとバラの花束攻撃から解放されるわね」

「......」

「アラン、どうかした? 難しい顔しちゃって? 考え事なんてあなたには似合わないから止めときなさい」

「酷ぇなお嬢。俺だってたまには考え事だってするっつーの」

「だからどうしたのよ?」

「いやね、そう簡単に片が付くのかと思って」

「そりゃ付くでしょうよ。ってか、付いて貰わないと困るわよ。なに? まだなんか気になることでもあんの?」

「いや別に? なんていうか...そう、勘みたいなもん? このままスンナリとは終わらないんじゃないかって気がしてね」

「ちょっと止めてよね...縁起でもないこと言わないでちょうだいな...」

 しかしそのアランの勘が当たっていたことを、この後すぐに私は思い知らされることになるのだった。


◇◇◇


「えっ!? ホテルに居ない!?」

「えぇ、既にチェックアウトした後だったわ...」

 憔悴し切った様子のエリザベートが戻って来たのは、出て行ってから間もなくのことだった。

「おかしいわね...少なくとも今朝までは居たはずよ? だって毎日恒例になりつつあった、バラの花束を抱えての来訪が今日もちゃんとあったんだから」

「その時になんか言ってなかった?」

「あぁ、ゴメン...私、顔を合わせてないのよ...」

 そこで私は、ここ数日間の出来事をエリザベートに説明した。

「そうだったのね...なんか迷惑ばっかり掛けて申し訳ないわ...」

「いえ、それはいいんだけど...おかしいわね...クリフトファー様は私からの連絡を待ってるはずなのよ。それなのに私に黙って出て行くなんて...」

「あの、お嬢様...」

 私がそこまで言った時、申し訳無さそうにハンスが割り込んで来た。

「なに?」

「申し訳ございません...本日の花束にはメッセージカードが添えられておりました...」

「なんですって!? 見せてちょうだい!」

 ハンスから受け取ったメッセージカードには、

『追っ手が掛かった。居場所を移動する。新たな居場所は決まり次第追って連絡する』

 とだけ書かれていた。

「なに!? なんて書いてあったの!?」

 私は無言でメッセージカードをエリザベートに渡した。それを読んだエリザベートは唇を噛んだ。

「これは...間違いない...ウチに内通者が居るわね...」

 すっかりクリフトファー様は犯罪者扱いされているようだ。

「アンリエット、申し訳ないんだけど...しばらく泊めて貰っていいかしら? あのバカが連絡して来たら、今度こそしょっ引いてやるわ!」

「え、えぇ、それは構わないけど...」
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