132 / 276
132 (第三者視点)
しおりを挟む
アンリエットの反対空しく、エリザベートとアランは囮作戦を明日決行すると決意してしまった。
どうあっても二人を翻意させられないと悟ったアンリエットは、それならばとばかりに妥協案というか新提案をした。
「分かった。そこまで言うならもう止めない。その代わり私も行くからね?」
「えっ!? ちょっと待って! ちょっと待って! アンリエット、気は確かになの!?」
「いやいやお嬢、それじゃ囮作戦の意味が無くなるんだけど...」
二人が慌てて止めようとするのは当然である。
「分かってるわよ、そんなこと。だから私も変装して行くんじゃない」
「変装!? 誰に!?」
「エリザベートに決まってるでしょ? 金髪のカツラを被って大き目の帽子とサングラスで顔を隠せば、私がエリザベートに成り済ますことも可能になるでしょう? その逆をこれからやろうとしているならば尚更ね」
「まぁ確かにそうなんだけど...」
「囮作戦の成功率を上げるための、謂わば囮の囮作戦ってヤツよ!」
ドヤ顔で言い切ったアンリエットに二人は頭を抱えた。
「なんじゃそりゃ!? お嬢、そんなの必要無いって!」
「アンリエット、気持ちは嬉しいんだけど...」
二人はなんとかアンリエットを翻意させようとするが、
「まぁ最後まで聞きなさい。例えばエリザベートに成り済ました私が、町の右側で派手な格好をしてウロウロしているとするじゃない? 当然目立つから連中も気付くわよね? そうなると連中は右側には近寄らなくなる。その間に私に成り済ましたエリザベートが町の反対側、左側に現れる。しかもまたまた目立つように派手な格好でウロウロする。どうよこれ? 連中が簡単に釣れると思わない?」
そう言われてみたら二人はしばし考え込んでしまった。中々に良い作戦だと思っているのかも知れない。
ややあってアランが応える。
「確かに魅力的な提案ではあるけど、やっぱダメだよ。お嬢が危険な目に遭う可能性が僅かでもある以上、護衛としては許可できない。ましてや今回、言い出しっぺの俺は責任持ってエリザベート嬢の側に居なきゃいけない。ただでさえ俺がお嬢の側に居られないのは不安で仕方がないってのに、この上外出までされた日にゃ心配で心配で作戦どころじゃなくなっちまうよ。だからお嬢は屋敷から一歩も出ないで欲しい」
と切実な思いを熱く語ったのだが...
「大丈夫よ。ハンスに付いて来て貰うから。少なくともあんたよりは頼りになりそうだわ」
アンリエットはあっけらかんとそう言った。
「酷ぇな、お嬢...」
どうあっても二人を翻意させられないと悟ったアンリエットは、それならばとばかりに妥協案というか新提案をした。
「分かった。そこまで言うならもう止めない。その代わり私も行くからね?」
「えっ!? ちょっと待って! ちょっと待って! アンリエット、気は確かになの!?」
「いやいやお嬢、それじゃ囮作戦の意味が無くなるんだけど...」
二人が慌てて止めようとするのは当然である。
「分かってるわよ、そんなこと。だから私も変装して行くんじゃない」
「変装!? 誰に!?」
「エリザベートに決まってるでしょ? 金髪のカツラを被って大き目の帽子とサングラスで顔を隠せば、私がエリザベートに成り済ますことも可能になるでしょう? その逆をこれからやろうとしているならば尚更ね」
「まぁ確かにそうなんだけど...」
「囮作戦の成功率を上げるための、謂わば囮の囮作戦ってヤツよ!」
ドヤ顔で言い切ったアンリエットに二人は頭を抱えた。
「なんじゃそりゃ!? お嬢、そんなの必要無いって!」
「アンリエット、気持ちは嬉しいんだけど...」
二人はなんとかアンリエットを翻意させようとするが、
「まぁ最後まで聞きなさい。例えばエリザベートに成り済ました私が、町の右側で派手な格好をしてウロウロしているとするじゃない? 当然目立つから連中も気付くわよね? そうなると連中は右側には近寄らなくなる。その間に私に成り済ましたエリザベートが町の反対側、左側に現れる。しかもまたまた目立つように派手な格好でウロウロする。どうよこれ? 連中が簡単に釣れると思わない?」
そう言われてみたら二人はしばし考え込んでしまった。中々に良い作戦だと思っているのかも知れない。
ややあってアランが応える。
「確かに魅力的な提案ではあるけど、やっぱダメだよ。お嬢が危険な目に遭う可能性が僅かでもある以上、護衛としては許可できない。ましてや今回、言い出しっぺの俺は責任持ってエリザベート嬢の側に居なきゃいけない。ただでさえ俺がお嬢の側に居られないのは不安で仕方がないってのに、この上外出までされた日にゃ心配で心配で作戦どころじゃなくなっちまうよ。だからお嬢は屋敷から一歩も出ないで欲しい」
と切実な思いを熱く語ったのだが...
「大丈夫よ。ハンスに付いて来て貰うから。少なくともあんたよりは頼りになりそうだわ」
アンリエットはあっけらかんとそう言った。
「酷ぇな、お嬢...」
26
あなたにおすすめの小説
王子、おひとり様で残りの人生をお楽しみください!
ちゃっぴー
恋愛
「ラーニャ、貴様との婚約を破棄する!」
卒業パーティーの真っ最中、ナルシストな第一王子ウィルフレッドに身に覚えのない罪で断罪された公爵令嬢ラーニャ。しかし、彼女はショックを受けるどころか、優雅に微笑んで拍手を送った。
なぜなら、ラーニャはとっくに王子の無能さに愛想を尽かし、この日のために完璧な「撤退準備」を進めていたからだ。
【完結】私を捨てた皆様、どうぞその選択を後悔なさってください 〜婚約破棄された令嬢の、遅すぎる謝罪はお断りです〜
くろねこ
恋愛
王太子の婚約者として尽くしてきた公爵令嬢エリシアは、ある日突然、身に覚えのない罪で断罪され婚約破棄を言い渡される。
味方だと思っていた家族も友人も、誰一人として彼女を庇わなかった。
――けれど、彼らは知らなかった。
彼女こそが国を支えていた“本当の功労者”だったことを。
すべてを失ったはずの令嬢が選んだのは、
復讐ではなく「関わらない」という選択。
だがその選択こそが、彼らにとって最も残酷な“ざまぁ”の始まりだった。
白い結婚の末、離婚を選んだ公爵夫人は二度と戻らない』
鍛高譚
恋愛
白い結婚の末、「白い結婚」の末、私は冷遇され、夫は愛人を溺愛していた――ならば、もう要らないわ」
公爵令嬢 ジェニファー・ランカスター は、王弟 エドワード・クラレンス公爵 のもとへ政略結婚として嫁ぐ。
だが、その結婚生活は冷たく空虚なものだった。夫は愛人 ローザ・フィッツジェラルド に夢中になり、公爵夫人であるジェニファーは侮辱され、無視され続ける日々。
――それでも、貴族の娘は耐えなければならないの?
何の愛もなく、ただ飾り物として扱われる結婚に見切りをつけたジェニファーは 「離婚」 を決意する。
しかし、王弟であるエドワードとの離婚は容易ではない。実家のランカスター家は猛反対し、王宮の重臣たちも彼女の決断を 「公爵家の恥」 と揶揄する。
それでも、ジェニファーは負けない。弁護士と協力し、着々と準備を進めていく。
そんな折、彼女は北方の大国 ヴォルフ公国の大公、アレクサンダー・ヴォルフ と出会う。
温かく誠実な彼との交流を通じて、ジェニファーは 「本当に大切にされること」 を知る。
そして、彼女の決断は、王都の社交界に大きな波紋を呼ぶこととなる――。
「公爵夫人を手放したことを、いつか後悔しても遅いわ」
「私はもう、あなたたちの飾り人形じゃない」
離婚を巡る策略、愛人の凋落、元夫の後悔――。
そして、新たな地で手にした 「愛される結婚」。
【完結】もう誰にも恋なんてしないと誓った
Mimi
恋愛
声を出すこともなく、ふたりを見つめていた。
わたしにとって、恋人と親友だったふたりだ。
今日まで身近だったふたりは。
今日から一番遠いふたりになった。
*****
伯爵家の後継者シンシアは、友人アイリスから交際相手としてお薦めだと、幼馴染みの侯爵令息キャメロンを紹介された。
徐々に親しくなっていくシンシアとキャメロンに婚約の話がまとまり掛ける。
シンシアの誕生日の婚約披露パーティーが近付いた夏休み前のある日、シンシアは急ぐキャメロンを見掛けて彼の後を追い、そして見てしまった。
お互いにただの幼馴染みだと口にしていた恋人と親友の口づけを……
* 無自覚の上から目線
* 幼馴染みという特別感
* 失くしてからの後悔
幼馴染みカップルの当て馬にされてしまった伯爵令嬢、してしまった親友視点のお話です。
中盤は略奪した親友側の視点が続きますが、当て馬令嬢がヒロインです。
本編完結後に、力量不足故の幕間を書き加えており、最終話と重複しています。
ご了承下さいませ。
他サイトにも公開中です
婚約者様への逆襲です。
有栖川灯里
恋愛
王太子との婚約を、一方的な断罪と共に破棄された令嬢・アンネリーゼ=フォン=アイゼナッハ。
理由は“聖女を妬んだ悪役”という、ありふれた台本。
だが彼女は涙ひとつ見せずに微笑み、ただ静かに言い残した。
――「さようなら、婚約者様。二度と戻りませんわ」
すべてを捨て、王宮を去った“悪役令嬢”が辿り着いたのは、沈黙と再生の修道院。
そこで出会ったのは、聖女の奇跡に疑問を抱く神官、情報を操る傭兵、そしてかつて見逃された“真実”。
これは、少女が嘘を暴き、誇りを取り戻し、自らの手で未来を選び取る物語。
断罪は終わりではなく、始まりだった。
“信仰”に支配された王国を、静かに揺るがす――悪役令嬢の逆襲。
王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!
gacchi(がっち)
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ?
王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。
国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから!
12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。
断罪される前に市井で暮らそうとした悪役令嬢は幸せに酔いしれる
葉柚
恋愛
侯爵令嬢であるアマリアは、男爵家の養女であるアンナライラに婚約者のユースフェリア王子を盗られそうになる。
アンナライラに呪いをかけたのはアマリアだと言いアマリアを追い詰める。
アマリアは断罪される前に市井に溶け込み侯爵令嬢ではなく一市民として生きようとする。
市井ではどこかの王子が呪いにより猫になってしまったという噂がまことしやかに流れており……。
【完結】悪役令嬢は婚約者を差し上げたい
三谷朱花
恋愛
アリス・デッセ侯爵令嬢と婚約者であるハース・マーヴィン侯爵令息の出会いは最悪だった。
そして、学園の食堂で、アリスは、「ハース様を解放して欲しい」というメルル・アーディン侯爵令嬢の言葉に、頷こうとした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる