我が家の乗っ取りを企む婚約者とその幼馴染みに鉄槌を下します!

真理亜

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「アラン遅いわねぇ」

「そうね...」

 今日もアランは夜遅くまで帰って来ない。

「アンリエット、あなたちょっと緊張してる?」

「そりゃそうなるでしょうよ...」

 どんな顔して会えばいいのか分からん...

「まぁまぁ、落ち着いて。リラックスリラックス。普通にしてないとアランが戸惑うわよ?」

「どの口が言うかそれ...」

 誰のせいでこうなってると思ってんだよ...

 その後更に夜は更け、そろそろ日付けが変わろうとする時だった。

「お嬢! 朗報だ! ウィリアムの乗った船が明日港に戻って来るって!」

 アランが部屋に飛び込んで来るなりそう言った。

「本当!? 時化にやられてなかったのね!」

「あぁ、順調に進めば明日の朝早くには港に着くみたいだから、俺は港の近くのホテルに宿を取って待つことにするよ。だから着替えを取りに来たんだ」

「そうなのね。ご苦労様。よろしく頼むわ」

「うん、それじゃあ...ってあれ!? エリザベート嬢じゃん! なんでここに居んの!?」

「ヤッホー♪ 遊びに来たよ~♪」

 どうやら今頃エリザベートの存在に気付いたらしい。

「あぁ、そうなんだ....え~と、その...」

 そして色々とマズいことを口走ったことにも気付いたらしい。だから私は苦笑しながら、

「アラン、大丈夫よ。エリザベートには事情を話してあるから」

「なんだぁ...良かったぁ...やっちまったかと思ったよ...そういう訳で俺はそろそろ行くから。エリザベート嬢、また後で」

「行ってらっしゃーい♪ 気を付けてね~♪」

 アランが出て行った後のエリザベートのニヤケ顔がウザい。コイツ一発殴っていいかな?

「なによアンリエット、緊張していた割には普通に接していたじゃないのよ」

「あれはその...いきなり仕事モードだったから...」 

「なるほどねぇ♪」

 エリザベートのニヤケ顔が止まらない。うん、やっぱ殴ろう。私が拳を固めた時だった。

「あ、お嬢。忘れるところだった」

 アランが戻って来た。チッ! エリザベート、命拾いしたな。

「どうしたの?」

「もしかしたらパトリックの行方が掴めるかも知んない」

「それ本当!?」

「あぁ、でもまだ確定じゃないからあんま期待しないで。とにかくなんか掴めたらすぐ報告するから」

「分かった。待ってるわ」

「それじゃあ今度こそ」

「あの、アラン!」

「なに?」

「その...あんまり無茶しないでね...」

「うん、分かった」

 アランが出て行った後、

「ムフフ~♪」

 エリザベートのニヤケ顔がMAXに達した。

 良し! 今度こそ殴ろう!

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