我が家の乗っ取りを企む婚約者とその幼馴染みに鉄槌を下します!

真理亜

文字の大きさ
161 / 276

161

しおりを挟む
「脳筋お嬢様...」

「なんか言った?」

「いえ、なにも...」

 チッ! 無駄に耳良いなコイツ。

「エリザベート様、念のためにこちらをお持ち下さい」

 そこへハンスがレイピアを持って来た。

「あら、ありがとう。フンフンッ! うん、中々良い手応えね」

「屋内で素振りすんの止めて欲しいんだけど...」

「ありゃ、こりゃまた失敬失敬!」

「ハァ...」

 私はため息を吐くしかなかった。

「大丈夫よ、アンリエット。心配しないで。この前と違って今回、バカ兄はスッカラカンでオマケに素手だからね。伝手も無いだろうし、すぐ捕まるわよ」

「だといいんだけど...」

 なんとなく私は言い知れない不安に苛まれていた。


◇◇◇


 夜になった。

「来ないわね...」

「今日じゃないのかしらね...」

「外の見張りはどうすんの?」

「アイツらは夜通しでも平気よ。でもアランは...」

「そうね...ハンス、悪いんだけどアランと交代して貰えない?」

「畏まりました」 

「無理しないでね?」

「なんのこれしき。どうぞお任せ下さい」

 ハンスが出て行った後、入れ替わりにアランが戻って来た。途端に私の心臓が高鳴る。

「お嬢、俺ちょっと出て来るわ」

「えっ!? こんな時間に!? どこ行くの!?」

「町の情報屋の所。なんか情報を掴んでないかと思ってさ」

「そう...」

「んじゃ、行って来るわ」

「アラン!」

 私は思わず呼び止めていた。

「ん? なに?」

「その...気を付けてね...」

「あいよ~」

 アランが出て行った後、エリザベートがニヤニヤ笑いながら近寄って来やがった...

「うっさい。なんも言うな」

「まだなんも言ってないじゃな~い♪」

「顔がうるさい」

「あら~♪ ゴメンなさいね~♪ 笑いが止まらないの~♪」

「ウザい...」

「ムフフ~♪ 甘酸っぱいのぉ~♪ 青春やのぉ~♪」

「お前もう喋るな!」

 私はクッションを思いっきり投げ付けた。

「イヤ~ン~♪ 怖い~♪」

 クソッ! 難なく受け止めやがった! これだから脳筋は!

「あ、あの~...」

 そこへ今度はウィリアムがおずおずと部屋に入って来た。

「ウィリアム、どうしたの?」

「いや、その...なんか厄介事が起こったのかなって...」

「あぁ、ちょっとね。あなたには関係無いことだから気にしないで? あ、でも屋敷から外には出ないでね?」 

「うん、それは聞いた。分かったよ。大人しくしてる。その...ケンカはしないでね?...」

 あちゃー....しっかり見られてたか...

「ケンカじゃないわ。ちょっとじゃれ付いてただけだから心配しないで?」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

王子、おひとり様で残りの人生をお楽しみください!

ちゃっぴー
恋愛
「ラーニャ、貴様との婚約を破棄する!」 卒業パーティーの真っ最中、ナルシストな第一王子ウィルフレッドに身に覚えのない罪で断罪された公爵令嬢ラーニャ。しかし、彼女はショックを受けるどころか、優雅に微笑んで拍手を送った。 なぜなら、ラーニャはとっくに王子の無能さに愛想を尽かし、この日のために完璧な「撤退準備」を進めていたからだ。

【完結】私を捨てた皆様、どうぞその選択を後悔なさってください 〜婚約破棄された令嬢の、遅すぎる謝罪はお断りです〜

くろねこ
恋愛
王太子の婚約者として尽くしてきた公爵令嬢エリシアは、ある日突然、身に覚えのない罪で断罪され婚約破棄を言い渡される。 味方だと思っていた家族も友人も、誰一人として彼女を庇わなかった。 ――けれど、彼らは知らなかった。 彼女こそが国を支えていた“本当の功労者”だったことを。 すべてを失ったはずの令嬢が選んだのは、 復讐ではなく「関わらない」という選択。 だがその選択こそが、彼らにとって最も残酷な“ざまぁ”の始まりだった。

「失礼いたしますわ」と唇を噛む悪役令嬢は、破滅という結末から外れた?

パリパリかぷちーの
恋愛
「失礼いたしますわ」――断罪の広場で令嬢が告げたのは、たった一言の沈黙だった。 侯爵令嬢レオノーラ=ヴァン=エーデルハイトは、“涙の聖女”によって悪役とされ、王太子に婚約を破棄され、すべてを失った。だが彼女は泣かない。反論しない。赦しも求めない。ただ静かに、矛盾なき言葉と香りの力で、歪められた真実と制度の綻びに向き合っていく。 「誰にも属さず、誰も裁かず、それでもわたくしは、生きてまいりますわ」 これは、断罪劇という筋書きを拒んだ“悪役令嬢”が、沈黙と香りで“未来”という舞台を歩んだ、静かなる反抗と再生の物語。

白い結婚の末、離婚を選んだ公爵夫人は二度と戻らない』

鍛高譚
恋愛
白い結婚の末、「白い結婚」の末、私は冷遇され、夫は愛人を溺愛していた――ならば、もう要らないわ」 公爵令嬢 ジェニファー・ランカスター は、王弟 エドワード・クラレンス公爵 のもとへ政略結婚として嫁ぐ。 だが、その結婚生活は冷たく空虚なものだった。夫は愛人 ローザ・フィッツジェラルド に夢中になり、公爵夫人であるジェニファーは侮辱され、無視され続ける日々。 ――それでも、貴族の娘は耐えなければならないの? 何の愛もなく、ただ飾り物として扱われる結婚に見切りをつけたジェニファーは 「離婚」 を決意する。 しかし、王弟であるエドワードとの離婚は容易ではない。実家のランカスター家は猛反対し、王宮の重臣たちも彼女の決断を 「公爵家の恥」 と揶揄する。 それでも、ジェニファーは負けない。弁護士と協力し、着々と準備を進めていく。 そんな折、彼女は北方の大国 ヴォルフ公国の大公、アレクサンダー・ヴォルフ と出会う。 温かく誠実な彼との交流を通じて、ジェニファーは 「本当に大切にされること」 を知る。 そして、彼女の決断は、王都の社交界に大きな波紋を呼ぶこととなる――。 「公爵夫人を手放したことを、いつか後悔しても遅いわ」 「私はもう、あなたたちの飾り人形じゃない」 離婚を巡る策略、愛人の凋落、元夫の後悔――。 そして、新たな地で手にした 「愛される結婚」。

断罪の準備は完璧です!国外追放が楽しみすぎてボロが出る

黒猫かの
恋愛
「ミモリ・フォン・ラングレイ! 貴様との婚約を破棄し、国外追放に処す!」 パルマ王国の卒業パーティー。第一王子アリオスから突きつけられた非情な断罪に、公爵令嬢ミモリは……内心でガッツポーズを決めていた。 (ついにきたわ! これで堅苦しい王妃教育も、無能な婚約者の世話も、全部おさらばですわ!)

謹んで、婚約破棄をお受けいたします。

パリパリかぷちーの
恋愛
きつい目つきと素直でない性格から『悪役令嬢』と噂される公爵令嬢マーブル。彼女は、王太子ジュリアンの婚約者であったが、王子の新たな恋人である男爵令嬢クララの策略により、夜会の場で大勢の貴族たちの前で婚約を破棄されてしまう。

転生者はチートな悪役令嬢になりました〜私を死なせた貴方を許しません〜

みおな
恋愛
 私が転生したのは、乙女ゲームの世界でした。何ですか?このライトノベル的な展開は。  しかも、転生先の悪役令嬢は公爵家の婚約者に冤罪をかけられて、処刑されてるじゃないですか。  冗談は顔だけにして下さい。元々、好きでもなかった婚約者に、何で殺されなきゃならないんですか!  わかりました。私が転生したのは、この悪役令嬢を「救う」ためなんですね?  それなら、ついでに公爵家との婚約も回避しましょう。おまけで貴方にも仕返しさせていただきますね?

「僕が望んだのは、あなたではありません」と婚約破棄をされたのに、どうしてそんなに大切にするのでしょう。【短編集】

長岡更紗
恋愛
異世界恋愛短編詰め合わせです。 気になったものだけでもおつまみください! 『君を買いたいと言われましたが、私は売り物ではありません』 『悪役令嬢は、友の多幸を望むのか』 『わたくしでは、お姉様の身代わりになりませんか?』 『婿に来るはずだった第五王子と婚約破棄します! その後にお見合いさせられた副騎士団長と結婚することになりましたが、溺愛されて幸せです。 』 『婚約破棄された悪役令嬢だけど、騎士団長に溺愛されるルートは可能ですか?』 他多数。 他サイトにも重複投稿しています。

処理中です...