我が家の乗っ取りを企む婚約者とその幼馴染みに鉄槌を下します!

真理亜

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 久し振りに会ったサンタンデル伯爵は、相変わらず厳しい目付きで私達を迎えた。

 私の両親の代からの付き合いで、私が物心付いた時からの知り合いだが、その頃から既に老人だった。一体今幾つなんだろう?

「ぬわんだとぉ~!? またまた後継者が代わっただとぉ~!?」

 サンタンデル伯爵が唾を飛ばしながら絶叫する。汚いから止めて欲しい。

「...えぇ、そうなんです...お騒がせして大変申し訳ありません...」

 私は下手に出てなるべく刺激しないように努めた。そうしないと、ただでさえ高齢のサンタンデル伯爵が、興奮し過ぎてポックリ逝っちゃうんじゃないかと危惧したからだ。

「貴様ら兄妹は一体なにをやっとるんじゃ! この恥晒しがぁ~! そんな様じゃとてもじゃないが両親に顔向けなんか出来んぞぉ~! そこんとこ、ちゃんと分かっとるのかぁ~!?」

「...返す言葉もございません...」

 サンタンデル伯爵の勢いは留まる所を知らない。私は脳の血管がぶち切れないかとそのことが心配になっていた。

「大体貴様らは...ん? なんじゃあ!? ランカスターの小娘がなんでここに居る!?」

 そこでようやくエリザベートの存在に気付いたらしい。公爵家であろうとサンタンデル伯爵は畏まったりしない。

「お久し振りね、サンタンデル伯爵。お元気そうでなによりだわ」

「フンッ! まだまだ若い者には負けんわい! そんなことより貴様はなんで一緒に付いて来たんじゃ!?」

「フィンレイ伯爵家は我がランカスター公爵家の寄子になったのよ」

「ぬわんだとぉ!? 小娘! それは本当なのかぁ~!?」

「...えぇ、まぁ...」

 非常に不本意ながら...と私は心の中で付け加えた。

「それと私はフィンレイ伯爵家の長男ロバートと結婚するから」

「ぬなぁっ!? 結婚だとぉ~!?」

「えぇ、そうよ。私の旦那の実家をあんまり虐めないで欲しいわね。じゃないとしかるべき措置を執ることになるわよ?」  

 そこでエリザベートは伝家の宝刀とばかりに公爵家の威光を振り翳した。

「ぐぬぬぬっ!」

 さすがにそれには逆らえないと判断したのか、サンタンデル伯爵は悔し気に呻いた。

「それじゃあこれからもよろしくね? アンリエット、帰りましょうか?」

「...えぇ...」

 私達は無言で睨み付けているサンタンデル伯爵に背を向けて歩き出した。

「フゥ...やっと終わったわね...」

 サンタンデル伯爵家の門を出た所でエリザベートが背伸びした。

「助かったわ...私一人じゃどうなっていたことか...」

「いいのよ。さぁ帰りましょう。ダーリンが待ってるわ♪」

「程々にね...」
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