我が家の乗っ取りを企む婚約者とその幼馴染みに鉄槌を下します!

真理亜

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「そう言った訳で、あなたの身辺警護を強化することしたわ。カイル」 

「ハッ! ここに」

 いつの間にどこから現れたのか、エリザベートの公爵家お抱えの隠密衆の一人であり、私とも顔見知りの仲であるカイルが、エリザベートの背後にスタンバッていた。

「カイルのことは知ってるわよね? たった今から彼をあなたの護衛に付けることにするわ」

「分かった。カイル、またよろしくね?」

「お任せ下さい」

 カイルは丁寧なお辞儀で応えた。

「本当は私があなたにピッタリ引っ付いてガード出来れば良かったんだけどね...」

「ううん、十分よ。ありがとう。エリザベート、あなたは身重の体なんだから、私のことより自分の体の方を大事に考えてらっしゃいな」

 身重のエリザベートにちょこまかと周りを動き回られた方が、こっちとしては気が気じゃないからね。

「えぇ、そうさせて貰うわ。本当は明日のお見合いの席にも同席したいところだったんだけど、生憎明日は定期検診で病院に行かないといけないのよね。残念だけど仕方ないわ。アンリエット、くれぐれも用心してね?」

「分かってるわ。大丈夫よ、心配しないで。セバスチャンも居るし。カイルが居てくれるのも心強いわ」

「あら? アランは?」

 あぁ、そこに突っ込んで来るか。まぁ当然だわな。

「アランはちょっとその...感情的になってしまうかも知れないから同席はさせないわ」

「あぁ、確かに...それがいいかも知れないわね...」

「その代わり、屋敷の中で警護するように言っておくつもりだから」

「うん、それでいいと思うわ」

「エリザベート、朝早くから私のためにありがとうね。本当に感謝するわ」

「いいのよ。気にしないで。義妹云々以前に、あなたは私の親友なんだから心配するのは当たり前よ」

「エリザベート...」

 私は不覚にもウルッて来そうになった。だがそれはそれとして、ちょっとさっきから気になっていた部分があった。

「それにしても妊婦さんの定期検診って、そんな妊娠初期の段階から行うもんなのね? これから妊娠するかも知れない身としては参考になるわぁ」

「あぁ...えぇ...うん...まぁ...」

 うん!? どうしたんだ!? 途端にエリザベートが挙動不審になったぞ!?

「エリザベート、どうかしたの!?」

「え~とね...明日の定期検診は私じゃなくてパパの方だったりして...ハハハ...」

「えぇっ!? それ一体どういうことよ!? 兄さん、どこか具合が悪いの!? 私、なにも聞いてないわよ!?」

 青天の霹靂だった私は、思わずエリザベートに食って掛かっていた。
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