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「ところでエリザベート、今更なんだけど体の方は大丈夫?」
「私の方は心配要らないわ。まだ身重って時期でもないしね。かえって良い運動になったくらいよ」
「それはなによりだわ」
私はホッと胸を撫で下ろした。
「ところでウチになんか用でもあったの?」
「あぁ、いえいえ。違うのよ。出版社に向かう途中で尾行されてることに気付いたから、あなたん家に助けを求めようと思って向かってるところだったの」
「なるほど。それでウチのすぐ近くまで来てたって訳ね」
「だからこそ腑に落ちないんですが...」
私達の会話に首を捻りながらカイルが割って入った。
「なにがよ?」
エリザベートが先を促す。
「行き先を急遽変更したにも関わらず、ヤツらが我々を待ち伏せしていたという点がです...」
あ、それは私も疑問に思ってた。
「あぁ、その点はアイツらがボロってくれたわ。カイル、あなたウチに向かうんなら途中の分岐を左に進んだでしょ?」
「はい、おっしゃる通りですが...」
「アンリエットん家から向かうなら当然そうするわよね? 右に進んだら町の方に向かっちゃう訳だし」
「えぇ...」
「なんともご丁寧なことにね、アイツらあなた達がどっちに向かっても良いように、両方の道の先で待ち伏せしていたみたいよ?」
「なんと!?」
カイルが仰天している。
「うわぁ...マジ!? それじゃ結局どっちに進んでもアウトだった訳じゃん...」
私も驚いた。
「えぇ、そういうことね」
「良かったわ...まだあんたん家に向かっていた方が正解だったかも知んない...」
「全くね」
なんというか...カスパート家の『絶対に逃がさないぞ!』という執念みたいなものを感じて、私はなんだか薄ら寒くなって震えが来た...
「アンリエット、もう大丈夫よ。心配しないで」
私が震えていることに気付いたエリザベートが優しく抱き締めてくれた。
「あ、ありがとう...」
「カスパート家のことは私に任せておきなさい。ペンペン草も生えないくらい徹底的に根絶やしにしてやるから。安心してあなたはアランの無事を祈ってなさい」
「う、うん...」
エリザベートの温もりが今はなによりも頼もしく感じた。
「お嬢様! お医者様が到着されました!」
その時、エリザベートに付いて来た公爵家の使用人が報告してくれた。
「患者さんはどちらですか!?」
あれ? このお医者様の声は聞き覚えあるぞ?
「こっちです! 急いでください!」
そう返しながらお医者様の顔を見た私は納得した。奇遇にも、私がスカーレットにやられた時に駆け付けてくれた同じお医者様だった。
「私の方は心配要らないわ。まだ身重って時期でもないしね。かえって良い運動になったくらいよ」
「それはなによりだわ」
私はホッと胸を撫で下ろした。
「ところでウチになんか用でもあったの?」
「あぁ、いえいえ。違うのよ。出版社に向かう途中で尾行されてることに気付いたから、あなたん家に助けを求めようと思って向かってるところだったの」
「なるほど。それでウチのすぐ近くまで来てたって訳ね」
「だからこそ腑に落ちないんですが...」
私達の会話に首を捻りながらカイルが割って入った。
「なにがよ?」
エリザベートが先を促す。
「行き先を急遽変更したにも関わらず、ヤツらが我々を待ち伏せしていたという点がです...」
あ、それは私も疑問に思ってた。
「あぁ、その点はアイツらがボロってくれたわ。カイル、あなたウチに向かうんなら途中の分岐を左に進んだでしょ?」
「はい、おっしゃる通りですが...」
「アンリエットん家から向かうなら当然そうするわよね? 右に進んだら町の方に向かっちゃう訳だし」
「えぇ...」
「なんともご丁寧なことにね、アイツらあなた達がどっちに向かっても良いように、両方の道の先で待ち伏せしていたみたいよ?」
「なんと!?」
カイルが仰天している。
「うわぁ...マジ!? それじゃ結局どっちに進んでもアウトだった訳じゃん...」
私も驚いた。
「えぇ、そういうことね」
「良かったわ...まだあんたん家に向かっていた方が正解だったかも知んない...」
「全くね」
なんというか...カスパート家の『絶対に逃がさないぞ!』という執念みたいなものを感じて、私はなんだか薄ら寒くなって震えが来た...
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「あ、ありがとう...」
「カスパート家のことは私に任せておきなさい。ペンペン草も生えないくらい徹底的に根絶やしにしてやるから。安心してあなたはアランの無事を祈ってなさい」
「う、うん...」
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あれ? このお医者様の声は聞き覚えあるぞ?
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