嫁いだら旦那に「お前とは白い結婚だ」と言われました

真理亜

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「さ、サリア!? 一体どうしたんだ!?」

「その赤ん坊はなに!? 誰の子なの!?」

「お父様ぁ~...お母様ぁ~...」

 実家の男爵家に戻ったサリアは、ポロポロと涙を溢しながら両親に事の経緯を説明した。

「なんてことだ...あの若造! 許せん! よくもウチのサリアを!」

 それを聞いた父親は激昂し、

「それでサリア、この後どうするつもりなの? その赤ん坊はどうするの?」

 母親は心配そうに尋ねた。

「離婚します。相手に非があるのは間違いないんで、裁判所に訴えればスンナリ通ることでしょう。この子は私が責任を持って育てます」

 サリアはキッパリと言い切った。

「いやいや! ちょっと待て! ちょっと待て! そんな血の繋がりもない、縁も所縁もない子の母親になるつもりなのか!?」

 父親が慌ててそう言ったが、サリアは断固とした決意を固めたような顔付きで、

「お父様、血の繋がりなんて些細なものです。それに縁も所縁もあります。この子と私は、同じ男に酷い目に遭わされた被害者同士なんですから」

「だからといってあなたが未婚の母になるだなんて...」

 母親は憐れみを込めて自分の娘を見詰めた。

「お母様、未婚の母じゃありません。×1の母です。どういった理由であれ、一度結婚に失敗した私は傷物になりますので、この先一生独身のままでしょう。だったらこの子と二人で生きて行きたいと思います。ちゃんと働いて養いますから」

 サリアは悟りに至ったような表情を浮かべてそう言った。

「いやしかしだな...」

「フゥ...あなた。もうなにを言っても無駄よ...この娘は昔から一度言い出したら聞かない娘なんだから...サリア、本当にそれでいいのね? 後悔しないのね?」

 母親の方も諦めの境地に達したかのような表情を浮かべた。

「はい、お母様。子育ての先輩として色々教えて頂けると助かります」

「分かったわ...」

「サリア...その...色々と苦労を掛けて済まんな...」

 父親が申し訳無さそうにそう言った。

「お父様、謝らないで下さい。玉の輿だなんて言って浮かれてたのは私の方なんですから。実際は泥舟だった訳ですけど...」

 サリアは自嘲を交えて苦笑しながらそう言った。

「ただ、あのクズ男はこの子を奪い返しに来るでしょう。私は絶対に渡す気はありませんが、伯爵家の権威を振り翳して来られたらどうしましょう...」

 サリアは一転して不安気な表情を浮かべた。

「心配するな。お前とその子のことは儂が守ってやる」

 父親は力強く言い放った。

「大丈夫ですか? 我が家に負担を掛けることになったりしませんか?」

 サリアはそれだけが心配だった。

「大丈夫だ。あの若造はまだ伯爵家を継いだ訳じゃないからな」

「えっ!? そうなんですか!?」

 寝耳に水だったサリアはビックリして聞き返した。
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