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「呆れましたね。よくもまぁそれだけシラを切れるもんです」
サリアは氷点下を遥かに下回るような冷たい視線をデュランに浴びせる。
「さ、サリア...」
逆にデュランは女神に救いを求めるような目でサリアを見詰めた。
「おはようございます。元旦那様」
「えっ!? も、元!?」
「えぇ、もうすぐそうなる予定なんで、今の内から呼び方に慣れておこうかと思って」
「な、なんだよそれ!?」
デュランは本当に訳が分からないと言った顔で聞き返した。
「そのまんまの意味ですが? 離婚調停中ってことですよ。裁判所に旦那の有責での離婚届けを提出しましたからね。間も無く受理されることでしょう」
「な、なんだって!? き、聞いてないぞ!?」
「そりゃそうでしょうよ。今初めて言いましたからね」
「い、今すぐ取り消せ!」
デュランは焦り捲った。今ここでサリアに見捨てられてはお先真っ暗になってしまう。
「今更無理ですよ。既に提出済みなんですから。それに例え今から取り消しすることが可能だったとしても、私は決して取り消したりなんかしないですからね」
「な、なんでだよ!? ぼ、僕達愛し合っていたじゃないか!?」
デュランは必死に縋った。
「どの口が言いますかそれ...」
サリアは心底軽蔑した。
「い、いやその...わ、悪かった...あ、あれはその...ほ、本気じゃなかったんだ...あ、謝るから許して欲しい...」
ついにデュランは自らの非を認めた。
「いえ、謝罪は結構です。僅かでもそんな気持ちがあるんなら、慰謝料に上乗せして誠意を示して下さいよ」
「ま、待ってくれ! い、慰謝料だなんてそんな...」
デュランの顔色が真っ青になった。
「当然でしょう? しっかりと払って貰いますからね? 覚悟しといて下さい」
「た、頼む! そ、それだけは勘弁してくれ!」
デュランは恥も外聞もかなぐり捨ててサリアに頭を下げた。
「ダメに決まってるでしょう? なに言っちゃってるんですか? 精神的苦痛を与えたことに対する慰謝料並びに子供の養育費を含めてキッチリと請求させて貰いますよ」
「えっ!? こ、子供!? す、ステファニーのことか!?」
「当たり前でしょう? 他に誰が居るって言うんですか?」
「な、なんで僕が養育費まで支払うハメになるんだ!?」
デュランは本当に訳が分からないようだ。
「ステファニーの親権を私に移すよう、裁判所に訴えたからですよ」
「な、なんだって!? か、勝手なことをするな! い、一体全体なんの権利があってそんなことを!?」
「ステファニーのためですよ。あんな環境は子育てに相応しくありませんし、あなた方は親として失格ですから」
サリアはキッパリと言い切った。
サリアは氷点下を遥かに下回るような冷たい視線をデュランに浴びせる。
「さ、サリア...」
逆にデュランは女神に救いを求めるような目でサリアを見詰めた。
「おはようございます。元旦那様」
「えっ!? も、元!?」
「えぇ、もうすぐそうなる予定なんで、今の内から呼び方に慣れておこうかと思って」
「な、なんだよそれ!?」
デュランは本当に訳が分からないと言った顔で聞き返した。
「そのまんまの意味ですが? 離婚調停中ってことですよ。裁判所に旦那の有責での離婚届けを提出しましたからね。間も無く受理されることでしょう」
「な、なんだって!? き、聞いてないぞ!?」
「そりゃそうでしょうよ。今初めて言いましたからね」
「い、今すぐ取り消せ!」
デュランは焦り捲った。今ここでサリアに見捨てられてはお先真っ暗になってしまう。
「今更無理ですよ。既に提出済みなんですから。それに例え今から取り消しすることが可能だったとしても、私は決して取り消したりなんかしないですからね」
「な、なんでだよ!? ぼ、僕達愛し合っていたじゃないか!?」
デュランは必死に縋った。
「どの口が言いますかそれ...」
サリアは心底軽蔑した。
「い、いやその...わ、悪かった...あ、あれはその...ほ、本気じゃなかったんだ...あ、謝るから許して欲しい...」
ついにデュランは自らの非を認めた。
「いえ、謝罪は結構です。僅かでもそんな気持ちがあるんなら、慰謝料に上乗せして誠意を示して下さいよ」
「ま、待ってくれ! い、慰謝料だなんてそんな...」
デュランの顔色が真っ青になった。
「当然でしょう? しっかりと払って貰いますからね? 覚悟しといて下さい」
「た、頼む! そ、それだけは勘弁してくれ!」
デュランは恥も外聞もかなぐり捨ててサリアに頭を下げた。
「ダメに決まってるでしょう? なに言っちゃってるんですか? 精神的苦痛を与えたことに対する慰謝料並びに子供の養育費を含めてキッチリと請求させて貰いますよ」
「えっ!? こ、子供!? す、ステファニーのことか!?」
「当たり前でしょう? 他に誰が居るって言うんですか?」
「な、なんで僕が養育費まで支払うハメになるんだ!?」
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「ステファニーの親権を私に移すよう、裁判所に訴えたからですよ」
「な、なんだって!? か、勝手なことをするな! い、一体全体なんの権利があってそんなことを!?」
「ステファニーのためですよ。あんな環境は子育てに相応しくありませんし、あなた方は親として失格ですから」
サリアはキッパリと言い切った。
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