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第2章
13話☆
しおりを挟む「こんなに濡らして……」
悪魔の長い指が、リーナの花びらの間を何度も撫でる。
その度に、リーナの身体の奥から蜜が溢れた。
とめどなく流れる蜜が悪魔の手を汚す。
与えられる甘い刺激に、リーナは身もだえた。
「や、ゃあ、そんなにいじらないでぇ……っ」
「ほう、もっといじって欲しいのか?」
「あ、悪魔ぁ……っ!」
「何を今更」
悪魔がニヤリと笑う。
「いっぱい、お前の気が狂うくらい、イかせてやるよ」
悪魔はリーナの花びらを片手で弄りながら、もう片方の手でリーナの形の良い乳房をなぞった。
「ひ、ぁんっ!」
「お前、感度いいな。そんなに気持ちいいのか?」
悪魔の指に沿って、リーナの胸がふにゃりと形を変える。
その間も花びらに絶え間なく刺激を与えられ、リーナは息も絶え絶えに懇願した。
「も、ゃめ……っ」
「やめると思うか?」
リーナの反応に気を良くしたのか、悪魔は楽しそうに胸の先端を口に含んだ。
その瞬間、リーナの全身に甘やかな電流がはしる。
「……ぁっ! やぁ……っ」
先程から、体の奥が疼いてたまらない。
ひくついてたまらない。
いつの間にか同じ温度になった悪魔の手を、リーナは心地よく感じてしまっていた。
過去を思い出したせいだろうか。
悪魔のあの熱のこもった視線に、絆されてしまったのだろうか。
(こんなのいけないのに)
聖女として失格なのに。
「俺はな、ずっと……ぐ……っ」
何かを言おうとした矢先、悪魔が急に自身の胸を抑えた。
体を丸め、リーナの横へと崩れ落ちる。
「ふ、ぇ!? ちょっと!?」
リーナは慌てて悪魔の顔を覗き込んだ。
悪魔の顔に、血の気がない。
額には脂汗が浮かび、苦痛の表情を浮かべていた。
「だ、大丈夫……っ!?」
無理矢理処女を奪われた挙句、現在誘拐されている。しかも、今だっていいように体を弄ばれていた。
その犯人を心配するなんて、おかしな話だと自分でも思う。
だが、目の前で苦しんでいる悪魔を放ってなどおけなかった。
リーナは初めて自らの意思で、悪魔に手を伸ばす。
「触れるな……っ!」
「え……っ」
リーナの手が苦しそうに丸まった悪魔の背に届くその瞬間、悪魔に手を振り払われた。
悪魔は辛そうな顔をして立ち上がる。
(どうして……)
リーナはただ呆然と、払いのけられた自分の手を見つめた。
悪魔が洞窟を出ていく。
なんと声をかければいいのだろう。
恋人でも友人でもない自分は。
悪魔の背にかける言葉が見当たらない。
リーナには。
ただ、立ち去る悪魔を見つめることしか出来なかった。
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