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10.お買い物に行きました。
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「っ、」
私から離れたあずき先輩は、満足そうに私を見下ろすと「ま、せいぜい楽しんどけ~」と言ってヒラヒラと手を振りながらどこかに行ってしまった。
周りに誰もいなかったとはいえ、すぐ横は人通りがそれなりにある通り。いつ誰か来てもおかしくないのに、あの人何考えてるの?
若干熱を持った頬を押さえながらお店に戻る。
私の姿に気づいた初雪さんに冷たく睨まれた。
「どこに行っていた?」
「すみません、お店の中を見てました。」
お店に入ってきたところは見られてなかったみたいだから、そう嘘をつく。
「今日は茉白の好きな物を買うためにお前を呼んだのに、お前がいなくなってどうする。」
それはほんと、すみません。でも本当の事言えないし。悪いのはあずき先輩なのに、なんで私が……。
「千夜子、襟乱れてるぞ。」
呆れた様子の初雪さんに指摘された。
「すみません、直してきます。」
目の前にいるのが茉白だったら、何も言わず手を伸ばして直してくれたんだろうけど。
お店の化粧室を借りて、鏡の前に立つ。ほんとだ、少し乱れてる。さっきのあずき先輩のせいだ。
また前に流れてきてた髪を後ろに払って、襟に手をかける。
「…………へ!?」
驚き過ぎてヘンな声出ちゃったけど、でも、でも、
「なにこれ……」
鎖骨のあたりに、不自然な赤い痕。どう考えても心当たりは1人しかいない。
「あ……の男……!!」
悪戯っぽく笑う顔が容易に浮かぶ。ほんっっっっとに何考えてんの!? 怒りと羞恥で顔が赤くなる。
帰ったら絶対文句言ってやる!!
襟を直して念の為髪も前にきっちり下ろす。
初雪さんには見られてないよね? バレてないよね?
ヒヤヒヤしながら戻ったけど、初雪さんは特に私に対して何か言うことはなかった。
それでも私はふとした拍子に見られたらどうようって、ご飯を食べてる時もその後も気が気じゃなかったんだから。
私から離れたあずき先輩は、満足そうに私を見下ろすと「ま、せいぜい楽しんどけ~」と言ってヒラヒラと手を振りながらどこかに行ってしまった。
周りに誰もいなかったとはいえ、すぐ横は人通りがそれなりにある通り。いつ誰か来てもおかしくないのに、あの人何考えてるの?
若干熱を持った頬を押さえながらお店に戻る。
私の姿に気づいた初雪さんに冷たく睨まれた。
「どこに行っていた?」
「すみません、お店の中を見てました。」
お店に入ってきたところは見られてなかったみたいだから、そう嘘をつく。
「今日は茉白の好きな物を買うためにお前を呼んだのに、お前がいなくなってどうする。」
それはほんと、すみません。でも本当の事言えないし。悪いのはあずき先輩なのに、なんで私が……。
「千夜子、襟乱れてるぞ。」
呆れた様子の初雪さんに指摘された。
「すみません、直してきます。」
目の前にいるのが茉白だったら、何も言わず手を伸ばして直してくれたんだろうけど。
お店の化粧室を借りて、鏡の前に立つ。ほんとだ、少し乱れてる。さっきのあずき先輩のせいだ。
また前に流れてきてた髪を後ろに払って、襟に手をかける。
「…………へ!?」
驚き過ぎてヘンな声出ちゃったけど、でも、でも、
「なにこれ……」
鎖骨のあたりに、不自然な赤い痕。どう考えても心当たりは1人しかいない。
「あ……の男……!!」
悪戯っぽく笑う顔が容易に浮かぶ。ほんっっっっとに何考えてんの!? 怒りと羞恥で顔が赤くなる。
帰ったら絶対文句言ってやる!!
襟を直して念の為髪も前にきっちり下ろす。
初雪さんには見られてないよね? バレてないよね?
ヒヤヒヤしながら戻ったけど、初雪さんは特に私に対して何か言うことはなかった。
それでも私はふとした拍子に見られたらどうようって、ご飯を食べてる時もその後も気が気じゃなかったんだから。
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