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しおりを挟む「おはよう御座います。クリスティーヌさん」
彼女は次の日も我がもの顔でこの屋敷にいた。
「な…なんでアンタがまだいるのよ~~!?」「クリスティーヌさん。人に指を差してはいけません。それに母親をアンタとは何事ですか?」「うっさいわねっ!!お父様は!?」「旦那様なら先程出掛けられましたが……」「あンの、クソジジィー!!」「クリスティーヌさん!お父様をそんなふうに言ったらなりませんよ?」「きいいい~~!!居候の分際でアタシに楯突いてんじゃないわよ!母親でもない癖に!!」「いいえ。私は貴女の母親です」
顔色ひとつ変えずに淡々と説教する彼女は心底ムカつく。
マジでなんなの、この女……。
「アタシはアンタの事を母親だって認めてないから!!フンッ!」
ソッポを向いてその場を離れると、彼女は何も言わずにそのまま突っ立っていた。
「あの女、ぜっっったい追い出してやるわ!」
アタシはあの女を排除すべく闘志を燃やした。
暫くしてお父様がお帰りになられると、すぐにあの女を追い出すように頼んだ。
「お父様!どうにかしてあの人を追い出してっ!!」「クリスティーヌ、落ち着くんだ」「あの人が嫌なの!お願い!!」「大丈夫だよ、クリスティーヌ」「お父様……?」
お父様は話を聞くどころかアタシを宥めた。
「お前はまだ気持ちの整理がついていないんだよ」「え?」「サラが言っていたのだ。母親を亡くした子供は慣れるのに時間が掛かると……」「いえ…あの、お父様?」「だけど心の何処かでは望んでいるのだ。母親という存在を」
どうやらお父様は、あの女に言いくるめられてしまったらしい……。
「だからお前たちは暫くの間、一緒に生活してみると良い」
そう言ってお父様は話を聞く耳を持たなかった。
あの女ぁぁぁぁッッ!!!!
アタシは更なる恨みをあの女に募らせる。
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