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第2話 ランキング戦が終わって、その後1

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六月二十四日。ランキング戦が終わって、あれから三日が立った。
 学校で工事が行われ、会場と中学の一部を俺と橋本が壊した事で、能力の戦闘が出来なくなり、急遽二週間の休みが入った。
 二週間の休みが入ったので、俺と妹の神無を連れて、師匠の元に久しぶりに、挨拶に出掛けようと思った。
「神無、久しぶりに、師匠の元に挨拶に行こうと思ってるんだけど、どうする、神無も行くか?」
「私も行く!」
 お土産を持って、師匠がいる、第三都市に行くことにした。
 都市を移動するには、二つの手段がある。
 一つは、転移装置【ゲート】を使った移動方法。だが、転移装置【ゲート】を使うのには、結構なお金が掛かる。
 二つ目は、地上を走る乗り物に乗る方法。俺が乗っている、バイクがそうだ。(一応免許は、取っているから大丈夫だ)
 三つ目は、地下を走る列車に乗るか。
 一応都市の事を、少し語っておくか。
 第一都市は、家が多く、市民には平和に、暮らせる場所だ。
 第二都市は、衣類や食料や娯楽施設がある場所。
 第三都市は、能力者の学校や、能力者に役に立つ修行が、できる場所がある。
 第四都市は、軍の本部や、第二研究所がある。
 第五都市は、研究所や関所がある。
 一般に行けるのは、第三都市までは、行けるが、第四都市は、許可がないと、入れないようになっている。
 前の人口は八つの都市で八十万人がいたが、今の人口は五十万に減っている。
 俺が会いに行く、師匠が入るのは、第三都市だ。
 転移装置【ゲート】で行けば楽で、良いのだが、たまにはバイクに乗り、二人で師匠の元に向かった。
 バイクで、都市を走らせて一時間、ようやく第三都市に着いた。さらにそこから三十分掛けてようやく都市の外れに着いた。
 師匠が入るのは、都市の外れにある道場に住んでいる。
 何故そこに、住んで入るのかと言うと、都市防衛の為に、能力者に指導をしている。
 道場に着いた俺達は、バイクから降りて、荷物を持ち、師匠の元に向かった。
 師匠が営む道場は、門下生は少ないが、実力は【序列】のメンバー候補になれる位の実力者だ。
 道場の門に入り、本道を歩いて、五分後道場が見えたので、俺達は、道場に向かった。
 師匠がいたので挨拶をした。
「師匠お久しぶりです「お久しぶりです先生」」
『久しぶりだな、お前達』
「師匠に久しぶりに、挨拶とこないだの文句を言いに」
『はて?何か言ったかな?』
「忘れたんですか?師匠の事だから、勝手に【序列】候補に100位まで、入れろと言ったのは」
『バレてたか。まあ、話は中でしとくか、外は暑いからな』
「わかりました」
 俺達は、道場の控え室の中で話を聞く事にした。

 師匠の名前は、天宮元。
 年齢は七十歳。【序列】1位を三十年間都市を守りながら生きる伝説を作った人物である。
 だが十年前の都市崩壊で、引退を宣言して同時に軍も辞め師匠の一番弟子に【序列】の席を明け渡して、家族を失った者のために育成の道場を作りそして、今に至る。
 
「では、話して頂けますか?」
『そうだな。まず何処から話そうか?』
「何で俺に、100位をキープしろと言ったのに、本気でやれ何て、言ったんですか?」
『それはお前が【序列】のメンバー候補になって貰う為だ』
「何故【序列】が出てくるのですか?」
『それは、お前の住んでいた都市を、壊した奴が、近くに入るかもだからだ』
「何で、そんな情報師匠が知っているのですか?」
俺は不思議に思い、師匠を問い詰めた。
『何でかは、お前も知ってるだろう。元【序列】の1位なんだから、情報の伝手はあるからな』
 師匠は元【序列】1位な事は知ってるし、情報を集める事だって、出来ない事じゃない。でも、何でその情報を俺に教えるだと思った。
『何でだと、親の仇を撃ちたくないのか?』
撃ちたくない、訳じゃない。撃ちたいさ親の仇を。でも、神無にあんな思いを、味合わせる訳には行かない。
「俺に撃てるのか?」
『出来る出来ないで言えば、出来る。誰が、強くしたんだと思ってる!』
「ありがとう、師匠」
師匠は、俺と神無の頭を、撫でてくれた。
(やっぱりこの人は、あの時と変わらないな)
『そうと、決まれば特訓だな。そうだ、後で修行をしに、客人が来るんだが、どうする?』
客人が来るのか、面倒だけど今回だけなら、いいか。
「客人がいいなら、俺も少しだけ、稽古をお願いします」
『わかった。神無はどうする、能力の練習でもするか?』
「私はいいよ。本当は、能力の練習したいけど、まだ制御が、難しいから」
『わかった。それじゃ、達也を借りて行くから、代わりに三咲の相手をお願い出来るか?』
「わかった。任せて!」
 神無は、師匠の孫娘の三咲ちゃんと、遊びに、第二都市に遊びに行った。
「さて、道場で、特訓をやるんですか、それとも、地下の闘技場でやるんですか?」
『最初は道場で、魔力制御をやってから、闘技場で、特訓をやる!』
「わかりました」
 俺達は客人の到着を待った。

 午後十四時に、一人の客人が来た。だが、俺はその人の事を、知っている人物だった。
 その人物は、先日、ランキング戦で激闘を広げた、橋本雷花だった。
「橋本さん、こないだは、すまなかった。怪我は、大丈夫だったか?」

「はい、大丈夫でしたよ。倒れていた時に【序列】5位の南様に、助けられたので」

「良かった!」
『なんじゃ、あの嬢ちゃんも、会場に居たのか?』
 でも良かった。あの時は久しぶりに、本気でやったから、後遺症が残ったら、もう戦いなんて、出来ないと思ってた。けど、治って良かった。
「元様。今日は、ご指導宜しくお願いします!」
『まあ、ともあれ、時間も限られてるから、特訓をやるか!』
二人で『お願いします』と師匠に、返事をした。
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