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3 休息・計画
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『
「悪役令嬢って、どうしてこんなに損な役回りばかりなのかしら」
それは、このゲームについて妹にあらかた教えてもらった後に出た言葉。
妹のプレイしているゲームの中で、(悪役令嬢には)一番マシな制裁を加えられるくらいで精神面にあまり負担が来ないこのゲームが私にとって一番合っていたのかもしれない。
乙女ゲームが日本の女子の夢ーー逆ハー(?)など諸々の夢を体現したものならば、みんなが幸せになるハッピーエンドな乙女ゲームも作ってほしい。いや、作るべきだ!
「悪役令嬢のミシェーラちゃんだって、ただ王子様のことが好きなだけなのに、最終的にヒロインに掻っ攫われちゃうのよね。そしてそのヒロインもといプレイヤーは私ーー。王子様を取っちゃったのは私⁈複雑!」
「お、お姉ちゃん。そんなにミシェーラに感情移入しなくても大丈夫だから。これはゲームだから!実在する人物じゃないから!いったん落ち着こ、ね?」
「来世はミシェーラちゃんを幸せにしてあげたい…」
』
確かこれは、前の私だったときによくあった日常の一コマ。
思えばそのときから、悪役令嬢がヒロインとその仲間たちにぎゃふん!と言わせる小説の存在を知り、買いあさっては愛読していたような…気がする。
ふいに頭に冷たい感覚を覚え、目を覚ますと心配そうにこちらを見つめる人たちーーリリアナ、伯母さま、夫人、あとさっき目の前に座っていた人がいる。
今ならわかる。目の前にいる人たちの名前も、その後辿る未来も。私は知ってる。
それが現実だとわかり、なぜが冷や汗が背中を伝う。
--妹よ、お姉ちゃんは本当にあの乙女ゲームに転生してしまったようだ。
***
「リリアナ、伯母さまも…。皆さんどうなされましたの?あら、」
そういうや否や、おでこに濡れタオルがのせてあることに気づいた。
そして、自分が今ベッドに眠っていたことを悟る。
「お姉さま、もう暫しお休みくださいませ。先程突然お倒れになったのですよ」
そういって、起き上がろうとする私をまたベッドに寝かせるリリアナ。
「でも…」
「疲れが溜まっていたのでしょう。ゆっくりおやすみなさいな」
「ええ。リアのいう通りまた元気になられたら、一緒に紅茶を飲みましょうね」
よくよく考えれば、戻った記憶を利活用して今後どのようにミシェーラちゃんを救出するか考えられる!
「わ、わかりました。お言葉に甘えて今日のところは休ませていただきます」
「よろしい。また気分が悪くなったらこの呼び鈴を鳴らすのよ。いいわね?」
「はい。伯母さま」
そうして4人は部屋を出て行った。
よーっし、ミシェーラちゃんやリリアナのためにも、今後の作戦を立てないと!
そう意気込んでいた矢先に、伯母さまの声が耳に入る。どうやら廊下で話をしているらしい。
ドアに耳を当て、聞き耳に徹する。
「…そういえば。ねぇシア、今日は簡単なパーティーを開くって言ってたわよね」
なぬ⁈伯母さま、それは聞き捨てならない情報ですよ!
「パーティー?」
パーティーの言葉に反応したのはリリアナ。うん。顔見なくても瞳をキラキラさせてることくらい容易に想像できちゃうなぁ。
「ええそうよ。私の別荘に招待しているお客様はね、大体3週間ほど滞在されるのだけど、中には知らない方も多いだろうし、なんならここで親交を深めてもらうのもいいかなと思って、毎年行っているの」
「まあ!お母さま、私もそのパーティーに出てみたいわ」
「そういうと思っていたわ。でもね、フィアナは具合が悪いみたいだし、リリアナ、あなたも疲れが出てしまうかもしれないわ。今日は…」
「私なら大丈夫です!」
「あらあら」
「リリアナ…」
「そんなに出たいなんて、主催者としてうれしいわ。心配ならこの子をつけてあげる。」
「伯母上!」
今まで静かだった男性が驚いたように、また暗に嫌だと言うように彼の伯母を呼んだ。
「本当にいいのかしら」
「ええ。リリアナ、たくさん楽しんでいってね」
「はいっ♪」
男性の意思?は無視され、リリアナのスキップするような足音が聞こえたのは、おそらく聞き間違えではないはずだ。
「悪役令嬢って、どうしてこんなに損な役回りばかりなのかしら」
それは、このゲームについて妹にあらかた教えてもらった後に出た言葉。
妹のプレイしているゲームの中で、(悪役令嬢には)一番マシな制裁を加えられるくらいで精神面にあまり負担が来ないこのゲームが私にとって一番合っていたのかもしれない。
乙女ゲームが日本の女子の夢ーー逆ハー(?)など諸々の夢を体現したものならば、みんなが幸せになるハッピーエンドな乙女ゲームも作ってほしい。いや、作るべきだ!
「悪役令嬢のミシェーラちゃんだって、ただ王子様のことが好きなだけなのに、最終的にヒロインに掻っ攫われちゃうのよね。そしてそのヒロインもといプレイヤーは私ーー。王子様を取っちゃったのは私⁈複雑!」
「お、お姉ちゃん。そんなにミシェーラに感情移入しなくても大丈夫だから。これはゲームだから!実在する人物じゃないから!いったん落ち着こ、ね?」
「来世はミシェーラちゃんを幸せにしてあげたい…」
』
確かこれは、前の私だったときによくあった日常の一コマ。
思えばそのときから、悪役令嬢がヒロインとその仲間たちにぎゃふん!と言わせる小説の存在を知り、買いあさっては愛読していたような…気がする。
ふいに頭に冷たい感覚を覚え、目を覚ますと心配そうにこちらを見つめる人たちーーリリアナ、伯母さま、夫人、あとさっき目の前に座っていた人がいる。
今ならわかる。目の前にいる人たちの名前も、その後辿る未来も。私は知ってる。
それが現実だとわかり、なぜが冷や汗が背中を伝う。
--妹よ、お姉ちゃんは本当にあの乙女ゲームに転生してしまったようだ。
***
「リリアナ、伯母さまも…。皆さんどうなされましたの?あら、」
そういうや否や、おでこに濡れタオルがのせてあることに気づいた。
そして、自分が今ベッドに眠っていたことを悟る。
「お姉さま、もう暫しお休みくださいませ。先程突然お倒れになったのですよ」
そういって、起き上がろうとする私をまたベッドに寝かせるリリアナ。
「でも…」
「疲れが溜まっていたのでしょう。ゆっくりおやすみなさいな」
「ええ。リアのいう通りまた元気になられたら、一緒に紅茶を飲みましょうね」
よくよく考えれば、戻った記憶を利活用して今後どのようにミシェーラちゃんを救出するか考えられる!
「わ、わかりました。お言葉に甘えて今日のところは休ませていただきます」
「よろしい。また気分が悪くなったらこの呼び鈴を鳴らすのよ。いいわね?」
「はい。伯母さま」
そうして4人は部屋を出て行った。
よーっし、ミシェーラちゃんやリリアナのためにも、今後の作戦を立てないと!
そう意気込んでいた矢先に、伯母さまの声が耳に入る。どうやら廊下で話をしているらしい。
ドアに耳を当て、聞き耳に徹する。
「…そういえば。ねぇシア、今日は簡単なパーティーを開くって言ってたわよね」
なぬ⁈伯母さま、それは聞き捨てならない情報ですよ!
「パーティー?」
パーティーの言葉に反応したのはリリアナ。うん。顔見なくても瞳をキラキラさせてることくらい容易に想像できちゃうなぁ。
「ええそうよ。私の別荘に招待しているお客様はね、大体3週間ほど滞在されるのだけど、中には知らない方も多いだろうし、なんならここで親交を深めてもらうのもいいかなと思って、毎年行っているの」
「まあ!お母さま、私もそのパーティーに出てみたいわ」
「そういうと思っていたわ。でもね、フィアナは具合が悪いみたいだし、リリアナ、あなたも疲れが出てしまうかもしれないわ。今日は…」
「私なら大丈夫です!」
「あらあら」
「リリアナ…」
「そんなに出たいなんて、主催者としてうれしいわ。心配ならこの子をつけてあげる。」
「伯母上!」
今まで静かだった男性が驚いたように、また暗に嫌だと言うように彼の伯母を呼んだ。
「本当にいいのかしら」
「ええ。リリアナ、たくさん楽しんでいってね」
「はいっ♪」
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