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ひとでなしとエルドラドの道
セルヴァンスが用意してくれた朝食をとり、紫苑を抱えて『置屋』とやらへ歩き出す。柔らかいパンに燻製肉と葉物野菜を挟んだシンプルなものだ。美味かった。肉など転生して初めてではないだろうか。
紫苑を横抱きにして屋敷を出る。ゆっくり歩けとの命令だ。『置屋』と呼ばれる場所までゆっくり歩く。
この国は紫苑が住む屋敷を中心に放射線状に道が広がっている。セルヴァンス曰く、余程のバカでない限り迷子にはならない構造らしい。日々変わる風景を歩いて楽しむ……らしいのだが俺にはよくわからない。手っ取り早く目当ての店に行きたい場合は転移案内所があるし、獣人たちが引く人力車もある。
紫苑は民たちにも慕われているようで、邪魔にならないように、だが一目見たいと住人たちが集まってくる。紫苑の髪に飾られた簪がチリリと音をたてた。
「……ハルさんに覆面でもさせたほうが良かったかなあ…」
「いいんじゃないですかあ?見せびらかせば」
「んー…そうだね」
「?」
なんの話をしているんだろう。
「見せびらかすのなら服を作らないとねえ」
「いいですね。ハルは背が高いから裾の長いコートとか似合いそうですよね」
「あー、いいねえ。白いシャツにネクタイ、ベスト……で、ロングコート!かっこいい!」
「帰ったら仕立て屋呼んで仕立てましょう!良い広告になりますよお!」
「抱っこしてもらってもゴワゴワしない布にしてね?」
「もちろんです。丈夫で柔らかいディープフォレストブラックウィドウの布にしましょう」
「???」
なんの話をしているんだ?
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