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亡国王子、ハンバーグのレシピを説明する
しおりを挟む「では肉を細かくするのですね」
「麺包は削るのですね」
リンクさんがお肉をある程度細かく切ってトントン叩いて潰していく。上手い!あっという間に大量の挽肉が量産されていく。固いパンはレヒトさんにおろし金でゴリゴリ削ってもらう。挽肉がトラウマで作れなかった料理長さんは玉ねぎをみじん切りにして炒めてもらう。この玉ねぎ、観賞用なんだって。あー、ネギボウズ可愛いもんね。「毒ではありませんが独特の臭いでおすすめできません」とか料理長さん言ってたけどごり押しで使用。
「アールツナイの居た神の国はこのような料理が出てくるのか?」
「うん。おいしくたべやすく、からだにもいいんだよ?」
「ふむ…」
俺はというと、フィアツェンさんの膝の上で現場監督だ。出来上がったハンバーグの材料を混ぜます!というと、キッチンスタッフさんたちが悲鳴をあげた。なんでぇ?こんなので怯えてたらタルタルステーキとかできないよー?
「……臆病者め。ヴィドスを呼べ」
「は」
フィアツェンさんの声に兵士さんが走っていく。誰だろー?って思ってたら、実家からお城に移動中の、お料理作ってくれてた大きなおじさんだった。
「おお、アールツナイ様お久しぶりでございます。どうされましたフィアツェン様?」
「アールツナイの故郷の、神の国の料理だ。作ってやれ」
「は。……あー、『肉団子』ですなあ。で、これを丸めて鉄板で焼く…と?ほうほう。興味深い」
「はい。おしおとおにくようのすぱいすも、まぜてください。しっかりと。でもできればつめたいてで。ぎゅうにゅうもいれて、やわらかーく、ぎりぎりまるめられるくらいのかたさで」
「了解しました。……で、これは俺も味見させていただいても?」
「もちろんです。みなさんもどうぞ。…えーと、ふぃあてんさんも、たべますか?」
「頂こう。アールツナイと同じものを食べるというのは、まさに新婚といった風でいいな」
えー…普段、嫁、嫁言ってるのにここで恥じらうの反則ぅ!
応援ありがとうございます!
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