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亡国王子、温泉料理を堪能する 2
しおりを挟む前菜は三種。今鉄板で焼けてる一口大のチーズと、エビとキノコのアヒージョ。お野菜のマリネ。
……おっふ…何故イタリアン。そしてマリネ……。
「アールツナイ様は無理に酢漬けは召し上がらんでください。油煮と醍醐は熱いんでお気をつけて」
わあい!アヒージョ好き!チーズは酸っぱくないやつだったら良いなあ。マリネは前にだぱーって吐いちゃったんだ。この世界の酢って酸っぱすぎいいいい!お砂糖も入れてなかったし、どうもお子様舌に引き摺られてる感がする。まあ前世からお子様舌なんだけど。
フィアツェンさんがアヒージョのエビを小皿に出して半分に切り、ふうふうして差し出してくれる。「自分で食べれる」って言ったことがあるんだけど、フィアツェンさんがそれはもう悲しそうに項垂れたから、もう少し大きくなるまでアーンしてもらうことにした。むむう!俺も『フィアツェンさん甘やかし隊』に入隊してしまったらしい。
迷うことなく齧り付くと、ニンニクとキノコとエビの味がぶわああああって口の中に広がった。これは……シイタケ!!エビとシイタケのアヒージョだあ!!
「シカモアの枯木に傷を付け、発生した茸を使用しています。小振りで市場ではほとんど売れずに茸農家が自家消費していたものを買い取りました。アールツナイ様の『うまみ』とかいうのが出てると思うんですが…」
「さいよう!!!ふやしてください!!」
「……ふくくっ…畏まりました」
えー?なんで今笑ったのぉ!?俺、そんな変な顔してた!?
「……うむ、美味い」
「むほぅ!酒がすすむのぅ!!」
ええ~…お祖父様とフィアツェンさんがグイグイ飲んでるぅ…。
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