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亡国王子、飾り立てられる
しおりを挟むなんだか悲しい夢を見た。でもなんで悲しかったか覚えてない。そもそもあれは本当に俺の夢なのか。
寝起きが悪い俺を問答無用かつ優しく双子が運んで風呂で磨き上げる。ふえぇ???あっ、そうか。今日は謁見の日だった。朝風呂でホコホコになった俺を厚手のバスローブっぽいので包んで
「お髪は前髪だけ整えましょう。綺麗なお顔がよく見える様に」
レヒトさんが前髪を漉いて縦向きに鋏を入れていく。美容師かな?切った髪はなんだか大事そうに布に包んでるんだけど……ええ…捨ててね?保管したりしないでね!?
「お爪は鑢をかけて磨くだけで良いですね。桜貝の様な綺麗な色です」
リンクさんが俺の指先をモミモミして爪にクリームみたいなのを塗っていく。わあ、エステティシャン?ネイリスト!?気持ちいい~!……でもこっちの世界も桜貝ってあるんだ?
軽くご飯を食べた後で、真っ白な羽織袴を着せられたらフィアツェンさんがやってきた。
「ふむ。今日も俺のアールツナイは美しい」
う…うーん、綺麗にしてもらったけどお顔がゆるんでますよ?
足袋を履かせてもらって白い草履。うん、全身真っ白だね。
「さて、では行こうかアールツナイ」
「はい」
安定の抱っこ移動。足が退化しちゃいそうで怖いんですけど?
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