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報告からの訃報
「さてグレン、お前のいない間に随分と事態が動いたぞ」
デザートのチョコレートムース食べながら兄ちゃんが切り出した。
あー…うん、そうだろうねぇ。そのために1月くらい秋津行ってくるアピールもしたしねぇ?俺がいない間じゃないと誓約の呪いが怖くて迂闊に動けないよね。
「まず、近隣諸国から塩の輸入が止められた。レイモンドの実家のマーキュリー商会も全ての物品の取引停止。マーキュリー商会およびマーキュリー家はナイトレイから王都へ本部を移した」
うん、想定内。俺でもそれは考える。
「レイモンドが提携を結んだレミング商会にも圧力がかかったらしい。レミング商会長は困ったふりをして別の取引で譲歩させ、ナイトレイ及びレイモンド商会への塩の取引を停止」
あっw上手いな、《奈落》の嫁2。
「塩工場の存在を公表しようと思う」
「うん、そろそろ良いかな。ティナのセキュリティシステムもあるしね?でも海の水ってのは言わない方がいいよ?毒とか流されたら魚が可哀想だ」
「そうだな。では今回の塩の取引停止を受けて塩を生み出す魔道具をお前が作ったことにしよう。今回のことでドーン王国に阿った阿呆どもを炙り出せた。お前の言う「結果おーらい」だ」
うんうん。食べ終わって酒に移行したアルヴィンも発言許可を求めて手を挙げる。
「軍事の方も変わっている。というか兵士の数がめちゃくちゃ増えた。兵士騎士希望者も書類審査が追いつかない」
あ、やっぱり?
「関所の方も順調だ。入国前に誓約書を書かせる。役所の許可なく財産及び知的財産の持ち出しの禁止。不具合が起こった場合の情報提出命令及び出頭命令には迅速かつ誠実に対応。……最後に、この世界の全ての神に誓い、嘘偽りはないと」
ふんふん。これはデウスさん派閥の守護神たちが頑張ってるね。またガツンとお布施して、……んー、デウスさん派閥全員呼んで接待飲み会でもしようかな。
『マスター、ティナも報告を。マスターの不在中、壁を登ってくる愚か者も居ましたが処しました。ほ…褒めてくださいっ!』
偉い偉い。ティナも頼もしいね。あとでおやつ一緒に食べようね。
「経済はジェラルド様がさっき言った通りなんだけどね?秘密裏に接触してくる商会も多いね。ドーン王家は長くない。それが生き残れる商人の嗅覚だよ。ま、事前に情報提供してくれたレミング商会以外で塩止めたとこは除外するから、9割5分は取引停止だよ?当然だよね?」
うわ、レイがめっちゃ悪い顔してる!
「あと……んー…父さんが、死んだ。食中毒らしいけどね?」
「え……!?」
なに…?え?なに、言って……?
「マーキュリー商会の長は兄に……コーニーリアスになったよ。君と共同開発した商品の権利をすべて渡せって言われたから断ったら、僕はマーキュリー一族から追放だってさ?そのあとで、父さんは事故で死んだらしい。……お葬式は行けなかったからね」
「……………っ」
知らない…!そんなサイドストーリー知らない!!
「……レイ…………!」
「大丈夫。父さんね?グレンのことすごく気に入ってたんだよ?父さんも、リリエンティーナさんの信者だったからね?僕とグレンの結婚も、すごく喜んでた。……でね、こう言ってた」
「……?」
「『ブレイブリー・ドーン』では、私はもっとずっと早くに殺されていた。今の人生は、神様が与えてくださったおまけだよ、……って」
「………っ!!」
転生者…!!オヤジさんは転生者だったのに!!助け、られなかった…!
「………グレン……」
レイが席を立って俺の傍に来て ーーー 抱き締めた。
………あれ?目から汁が…?あれっ?嫁3人で俺をギュッてして、団子状態なんだけど?
「泣かないで。グレンを泣かせる悪い奴は、みんな僕たちが退治しちゃうからね?」
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