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閑話:令嬢ジュゼッタ3
しおりを挟む「ジュゼッタ!貴様またペネロピに酷い嫌がらせをしたそうだな!!」
!?
何事でしょう。わたくしが学園の音楽室で気持ちよく歌っていると、バーン!と扉を開けて誰かが邪魔をしました。わたくしの歌を聴いてくださっていた令嬢の方々もびっくりです。
「あら…?殿下?どうされましたの?」
「『どうした』じゃない!しらを切るつもりか!?」
あらあら?いつもの癇癪かしら?
この殿下は度々こうやって怒鳴ってくる。『かるしうむ』とやらが足りないのかしら?
殿下の後ろにはひっつき虫よろしく桃色髪の令嬢がいる。あら、お兄様も発見だわ。わたくしはお兄様に笑いかけた。
「……っ…そうやって、僕を陥落させようなどと…!!恥を知れ!」
かんらく?えっ?歓楽でございますか?まああ…殿下ったら///
「スタンリーさまぁ…」
クイクイ…と桃色髪が殿下の袖を引く。あっ、思い出しましたわ。第三王子殿下の名前ってスタンリー様だったわね。ふう。あぶない。一応は婚約者だもの。知ってる振りしなくちゃ。
「……はっ!そうだ!ジュゼッタ!貴様さっきもペネロピを階段から突き落としただろう!」
「???いいえ?わたくし、ここで歌っておりましたわ」
「嘘をつくな!!!」
「本当です。ここにいる御令嬢の皆様は証言してくださいますわ」
腐仲間の皆様に視線を向けると、コクコク頷いてくださいました。
「ケンドリック伯爵令嬢はずっとここにおりましたわ!」
「わたくしたちがねだって天使の歌声を聴かせて頂いていたのです!」
「殿下!あまり言いたくありませんがキーナン男爵令嬢は虚言癖でもお有りで…?」
「ええい!黙れ黙れ黙れ!!そうやって寄ってたかってペネロピを虐めているのだな!?この腐った性根の女め!!」
「え…ごめんなさい、わたくし腐っておりますが、殿下は萌えませんわ」
「訳のわからん言い訳を!!」
ダンッ!と殿下は駄々っ子のように足を踏み鳴らしました。ペネ…嬢の後ろでお兄様が声に出さずにジェスチャーします。
ふんふん…?
おててを?(とりあえず)くいくい?(謝って)すーいすい?(やり過ごせ)
なるほど。よくわかりませんわ。……ですが。
「殿下。わたくし、そんな作り話に構っている暇はございませんの。やること(腐活動)は山積みで待ってくれないのですよ?仮にわたくしがぺ…なんとか令嬢を排除しようとするならば階段から突き落とすなんて生ぬるいことをしませんわ?」
「はあ…!?貴様やっと本性を……」
「わたくしなら攫って屋敷の地下に閉じ込めて足の腱を切り指先から一本ずつ爪の間に針を突き刺して手足10本の指を破壊した後に歯をじっくりとペンチで捻り抜いて神経を針金で掻き回し身体中を針山にした後に目を抉り舌を抜き耳と鼻を削ぎ落とした後四肢を寸刻みに切り刻んでいきますああご心配なくきちんと焼鏝で止血をしながらです必要ならば回復薬を使ってです本当に恋敵ならできるだけ長く保たせて楽しみますわ」(ワンブレス)
「…うっ…ゔぉ…えっ……おえっ、ぇえ…えぇ…っ…げええええっ…!!」
「あらあら?想像力豊かですわね殿下?でもね?わたくし、本気ならやりますわよ?殿下はどうでもいいのです。えーと?…ぺさん?貴女、わたくしのお兄様に何かしたら……殺してくれと泣いて這いつくばるしかできない主食が汚物の芋虫に変えて差し上げますからね?……あらまあ?殿下?嘔吐の次はお漏らしですの?まあ、ふふっ…この程度で?まあ可愛らしい、ご婦人よりデリケートでいらっしゃるのね?……でも、ナイトレイの血を引く女の本性はみんなこうでございますよ?このぐらいでないと王族の婚約者なんて面倒な仕事、やってられませんものねえ?」
……あら?お兄様が頭を抱えてらっしゃるわ?あら?貴腐人のみなさま?メモですの?新刊のネタ?まあ、素敵!ようございますわね。春のオンリーイベントで交換致しましょうね!
応援ありがとうございます!
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