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雪祭り初日からの花火
しおりを挟むハイッ、ゆ、き、ま、つ、り、ですよ!!!お祭り!!テンション上がるよね!!
俺がほとんど携わってないし、途中からレイも早上がりするようになったのに大丈夫?とか思ってたよ。それね?思ってた自分が恥ずかしい!だって会場はすごく綺麗に仕上がってるし屋台もびっしり埋まってるし新メニューがいっぱい並んでる。本部とか迷子センターとか案内所動線もいい感じで配置されてて、これって過去最高の出来なんじゃないだろうか。俺がやらなきゃ…っていう思い上がりも甚だしいね!
屋台部門で頑張ってくれたのはうちの執事見習いダン。なんとあの元ドーン外交官さんだ。亡命してきてからガリガリだった体型はふっくらと…。うん、短期間でその増え方やばいと思うよ?その元外交官。味覚が俺に似てるからか、ナイトレイ本家の執事見習いにも関わらず、めっちゃ祭りの準備に駆り出されたらしい。本人は味見と称していっぱい食べられたから嬉しそうだったけど、あの太り方は心配だ。毎朝一緒にラジオ体操でもしようかな。
今回の目玉は『花火』。花火だよ花火!火薬がないから魔法陣でやろうかと思ってたのに《八雲》 ーーー オズが火薬の作り方を教えてくれた。インベントリに大量に入った材料で。えー、でも結構これって貴重だよね?って聞いたら
「俺も早くこれは処分したかったんです。……あまり良い思い出ではないので…」
と泣きそうな顔をしてたから、よしよししといた。まあ、転生者って色々と大変な思いをするからね。何人殺してもケロッとしてる《桜座》を見て元気出せ。
で、《迦陵》と塑空にも手伝ってもらって、錬金術教室は花火作り教室になった。『穂高』の友人に花火職人がいたからね。さすがに花火の材料は触らせてもらえなかったけど、見学なら何度かさせてもらってた。だってブレイブリー・ドーンに花火作るイベントあったんだよ!気になるじゃん?実際の異世界では火薬とかなかったんだけどね!材料はあったけど、火薬にするの難しすぎだろこれ!水分量とか配合とか!
錬金術スキルと火薬さえ有ればあとはどうにでもなる。和紙は間に合わなかったけど、目の荒い植物紙で代用した。釜が回転して火薬をコロコロさせるのはドワーフのオッチャンたちに作ってもらった。ホントは俺が作りたかったんだけど嫁たちの許可が下りなかった。
できた花火を鉄道で各所に送って、着火はスタンバイしてる魔術師任せ。すげえピンポイントの着火。力加減も大事だし。間違ったら自分が吹き飛ぶからね?って脅したら泣きながら担当者は練習してた。遠くから着火するんだから吹き飛ばないよ嘘だよ泣くなよ。
「さあ!紳士淑女のみんな!!雪祭りの始まりだ!!食べて飲んで!大いに楽しんでくれ!!」
ヒューーーーッ…パパパーン!ポンッ!パパパン!
冬の夜空に花火が咲く。うむ!良い出来!!
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