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ざまぁみろからの崩壊の兆し
しおりを挟むナイトレイが楽しくお祭りやってる間に、ドーン国内は大変なことになってたらしい。
まず王都で暴動が起こった。王都で暴利を貪っていたマーキュリー商会が標的になり、そこを潰しただけでは暴徒たちは止まらずに大規模な暴動に発展した。まあね。暴動ってのは恨み辛みが1割で、後は尻馬に乗ったならず者だもんな。それだけ不平不満が溜まってたって事だ。
マーキュリー商会長は逃亡中に捕まり、広場に引き摺り出されて私刑。殴る蹴るの暴行だけでは飽き足らず、口に汚物を突っ込まれたり尻に杭を刺されたりして、最後には灯りの消えた街灯から吊るされるという中々に凄惨な死を遂げたそうだ。怖え。やっぱり《ちいさきもの》は狂ってる。因みにレイのお母さんは行方不明。ちょっと気になるね。ああ、いや心配とかいうんじゃなくって、レイにこれ以上迷惑かけたら流石に温厚な俺でもね…?っていう……。
知らせを聞いたレイが「ざまぁみろ」って笑いながら泣いてるのを見て、胸がキューーーーーッてしたからギュッてした。そしたらアルヴィンと兄ちゃんもギュッてしにきた。団子である。幼稚園児とか高校球児なら微笑ましいんだけど、デカい男が4人で団子とか…。ヒロイン不在。暑苦しいね。
暴動は軍警察が出て収まったんだけど、踏ん張ってた残りの商会がとうとう逃げた。王都にはもう商売ができる店がない。仕方なしに都民は王都の外に買い出しに行ったらしいんだが、今度は王都の塀の外に野盗が大量発生。カオスである。でもそれじゃあ餓死するって言うんで軍警察が野盗狩りしてるらしいんだが…まあ、あいつら殆どが貴族の坊ちゃんだからね。
王都の惨状に、とうとうドーン国内の有力な領が独立という形で離脱を開始。そうそう。まだ逃げ出す力があるうちに逃げといた方がいいよ。ナイトレイに併合してくれって打診もあるらしいけど兄ちゃんはスパッとお断りしてくれた。やだよ。都合の良い時だけ頼るな。俺、まだあんた達議会がナイトレイに魔王討伐の後方支援全部押し付けたの忘れてねえからな!?あの頃ナイトレイ庇ってくれたのはオルコットのおっちゃんだけだって知ってるんだからな!?それに、併合するなら制圧してからだよ?貴族は女子供でも殺すからね?だって平民になったって反乱の旗印とかなりそうだし。
そしてオルコット領はとうとうドーン王国国家保安局 ーーー 略して殲滅部隊が動いた。
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