【異世界大量転生5終】辺境伯次男は鬱展開を全力で回避する

とうや

文字の大きさ
133 / 153

閑話:令嬢ジュゼッタ4



「ジュゼッタ・ケンドリック!貴様との婚約は破棄するッ!!妹であるペネロピを虐め抜き命までも脅かした罪、私はお見通しだ!!」


???

あら?なにが始まったのかしら?お遊戯会ですの?


「お前のような心根の腐った女は国母に相応しくない!!貴族籍剥奪の上に国外追放だッッッ(ドヤァ!)」

「あらあらまあまあ?殿下?また発作ですの?」


これはアレですわ。えむ淫えー先生の言う『突っ込みどころ満載』とかいう事案ですわね。


「婚約破棄はいいとして」

「いいのか!?」

「わたくしに妹はおりませんわ」

「酷いわお姉様!!わたくしのお父様はケンドリック伯爵ですぅ!」

「あら?まあ、お父様の愛人の方に男爵家の女性いらっしゃったのですね」

「酷い!そうやってまた私を蔑むんですね!!」

「国母に相応しくない…とは、え?殿下???王位継承権4位ですのに王位に就くつもりですの???」

「私以外に誰がいるというのだ!?」

「ああ…ええ……、殿下、今度は誰になにを吹き込まれましたの?すごい自信ですわね。それに……わたくし、一昨日から貴族籍から外れましてよ?」

「………は???」

「え…?」

「両親の離婚が成立しましたの。母は昨日からもうナイトレイ強制帰国…ではなく、実家に帰っておりますわ。わたくしとお兄様の親権はお母様が捥ぎ取り……ゲフン!お母様に移りました」

「「聞いてないぞ!?」」

「お兄様にも今言いました。だってお兄様、すぐお顔に出てしまうんですもの…」

「え……え?り…離婚、したの?…あ、あのぉ……私もケンドリック伯爵から聞いてないんですけどぉ……?」

「お父様ケンドリック伯爵には愛人がたくさんいらっしゃいますからね。あの方、屑ですがお顔だけはお美しいので。おそらくまだペ…さんのお母様まで順番が回っていないのでしょう」


わたくしは殿下にしっかりと向き合いました。


「婚約破棄に国外追放…でございますか」

「…っ!そうだ!!貴族でもない捨てられた女が私の妃になるなどあり得ぬだろう!!そのように腐った性根だから母娘共々捨てられたのだろう!!」

「わたくし腐っておりますが、捨てられてはおりませんわ。

「ええい世迷言を!!」



「ああ!この私、スタンリー・ドーンはジュゼッタと婚約破棄する!!貴様は国外追放だ!!罪人め!!何も持ち出すことは許さぬ!!」

「もう一声」

「二度と私とペネロピの前に姿を見せるな!!今すぐに出ていくが良い!」

「はい、それから?」

「そ…それから……それから、そうだ!今この場で床に頭を擦り付けペネロピに謝ればひとつだけ私物の持ち出しを許してやろう!ペネロピに……!!」

「はい、かしこまりました」


わたくしはペ…さんの前に膝を突き平身低頭した。ざわりと見物人たちがさざめく。


「ペ…なんとかさん、お話ししたのはこれが初めてでございますが、このわたくしのなにかが癪に触られたのでしょうね。ご不快な思いをさせて申し訳ありませんでした。、どうぞ末長く殿下とお暮らしくださいませ」

「……っ……!!ジュゼッタ…!」

「さて、誓約は成りました。お約束通りひとつだけ持ち出しますね」

「まてジュゼッタ!なぜ笑顔なんだ!?な…泣かないのか?泣いて縋れば平民であろうと私の愛人くらいにはしてやるのに!?…というか誓約!?え?え?!」

「そちらに座ってらっしゃるお爺さま」

「……は?ああ…うん、あの小汚い……」

「大神デウス様ですわ。出張して来て頂きました」

「はあ!?」

『誓約は受理された!……ジュゼッタよ、後でご主人様の前でワシのことを褒めちぎっておくのじゃぞ?な?頼むぞ!マジで!!』

「任せてくださいませ!」


わたくしは立ち上がり、笑顔に《魅了》を乗せます。え?ええ、使えますよ?このくらいの《魅了》、使えないとおナイトレイの大お婆様に笑われてしまいますわ。グレン様のように強烈ではありませんが、ペ…さんの《魅了》を剥がしてわたくしに移行させる事くらいはできますのよ?


「さあ、行きましょう、


わたくしはお兄様に微笑みます。

ええ、置いて行ったりしませんよ?お兄様は大切なわたくしの家族ですもの。

お兄様は第三王子殿下の側近でございましたが、もうお兄様もロメオ・ケンドリックではなくロメオですし、いただきましょう。


「ジュゼッタ…!」


お兄様が駆け寄りわたくしを抱きしめます。………あら?あらあらあら???思った展開と違いますわ???


「愛してる!結婚しようジュゼッタ!!」

「はい????????」


わあっと歓声があがります。はい???結婚?誰とです???わたくしが首を捻っているうちに、お兄様はわたくしを横抱きにして颯爽と歩き出しました。こ…これは姫抱っこというやつですか!?是非ともグレン様と妻のどなたかで見たいですわね!!









ところでお兄様?これって……どういう展開ですの???















感想 36

あなたにおすすめの小説

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

冤罪で堕とされた最強騎士、狂信的な男たちに包囲される

マンスーン
BL
​王国最強の聖騎士団長から一転、冤罪で生存率0%の懲罰部隊へと叩き落とされたレオン。 泥にまみれてもなお気高く、圧倒的な強さを振るう彼に、狂った執着を抱く男たちが集結する。

人気アイドルの俺、なぜかメンバー全員に好かれてます

七瀬
BL
デビュー4年目の人気アイドルグループ「ECLIPSE(エクリプス)」に所属する芹沢 美澄(せりざわみすみ)は、昔からどこか抜けていてマイペースな性格。 歌もダンスも決して一番ではないはずなのに、なぜかファンからもメンバーからも目を離されない存在だった。 世話焼きな幼なじみ、明るく距離の近い同い年、しっかり者で面倒見のいい年上、掴みどころのない自由人、そして無言で隣にいるリーダー——。 気づけば、美澄の周りにはいつも誰かがいて、当たり前のように甘やかされていく。

【完結】逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。抱かれたら身代わりがばれてしまうので初夜は断固拒否します!

雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
隣国の国王キリアン(アルファ)に嫁がされたオメガの王子リュカ。 しかし実は、結婚から逃げ出した双子の弟セラの身代わりなのです… 本当の花嫁じゃないとばれたら大変! だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、 だんだんキリアンに惹かれてしまい、苦しくなる…という お話です。よろしくお願いします<(_ _)>

【完結】国に売られた僕は変態皇帝に育てられ寵妃になった

cyan
BL
陛下が町娘に手を出して生まれたのが僕。後宮で虐げられて生活していた僕は、とうとう他国に売られることになった。 一途なシオンと、皇帝のお話。 ※どんどん変態度が増すので苦手な方はお気を付けください。

ストーカーから逃げ切ったのも束の間、転移後はヤンデレ騎士団に殺されかけている現実!

由汰のらん
ファンタジー
ストーカーから逃げていたある日、ハルは異世界に召喚されてしまう。 しかし神官によれば、どうやらハルは間違って召喚された模様。さらに王子に盾ついてしまったことがきっかけで、ハルは国外追放されてしまう。さらに連行されている道中、魔族に襲われ、ハルの荷馬車は置き去りに。 そのさなか、黒い閃光を放つ騎士が、ハルに取引を持ちかけてきた。 「貴様の血を差し出せ。さすれば助けてやろう。」 やたら態度のでかい騎士は、なんとダンピールだった。しかしハルの血が特殊だと知ったダンピールはハルを連れ帰って? いっそ美味しい『血』(治癒)と『体液』(バフ)と『癒し』を与えるダンピール騎士団のセラピストを目指します!

悪役令息物語~呪われた悪役令息は、追放先でスパダリたちに愛欲を注がれる~

トモモト ヨシユキ
BL
魔法を使い魔力が少なくなると発情しちゃう呪いをかけられた僕は、聖者を誘惑した罪で婚約破棄されたうえ辺境へ追放される。 しかし、もと婚約者である王女の企みによって山賊に襲われる。 貞操の危機を救ってくれたのは、若き辺境伯だった。 虚弱体質の呪われた深窓の令息をめぐり対立する聖者と辺境伯。 そこに呪いをかけた邪神も加わり恋の鞘当てが繰り広げられる? エブリスタにも掲載しています。

処刑される悪役令息に転生したらなぜか推しの騎士団長がグイグイ近づいてくる

猫に小判
BL
交通事故で死んだはずの会社員・田中悠人は、気がつくとBL小説『恋と陰謀~はじまりは夜に~』の世界に転生していた。 しかも転生先は、原作で処刑される悪役令息エリオット。 当然そんな未来は回避したい。 原作知識を頼りに慎重に立ち回るつもりだったのに、気づけば王宮を揺るがす事件に巻き込まれていき――。 さらに困ったことに、原作で一番の推しだった騎士団長ガイウスがやたらと距離を詰めてきて……? 平穏に生きたい元悪役令息と、過保護な騎士団長がじれじれ距離を縮める話。 ガイウス(騎士団長)×エリオット(元悪役令息)