142 / 153
元嫁からの嫁バトル
「グレン!!!」
………うん、みんなの心がひとつになった。マクシミリアン以外は。
誰だ、これ???
体に合わないはち切れそうなドレスと、艶というよりは脂ぎった髪。顔や手は太っているというよりは浮腫んでいる。吹き出物も酷い。俺はね、自他共に認めるフェミニストだから女性の容姿はどうこう言わない。自分を美しく見せようとする女性はいつだってキラキラしているお花だ。
でもね?これ誰???
美しく結われたピンクブロンドの髪。侍女さんの努力がすごい。ん?……ピンクブロンド?
「ランチェスター公爵令嬢?」
「グレン!会いたかった!!」
あちゃ~…。
ドスドス…と足音を立てて突進してくる元嫁との間に、物理担当の今嫁が滑り込む。あっ。マジギレですわアルヴィンさん。
「……っ、無礼者!お退きなさい!!」
「テメエこのクソ女!どのツラ下げてグレンの前に出てきやがった!?」
ああ~……こ、これが修羅場ってやつ!?ドラマとかで見てたから一回体験してみたいとか思っちゃってたけどさあ…。嬉しくないよ!?なんで!?嬉しくないよ!!マクシミリアンの頬がピクピクしてる。こいつ!わかっててタイミング合わせやがったな!!確かに元嫁にも会いに行くって言ったの俺だけどさ!俺だけどさあ!!??
「……ランチェスター公爵令嬢、貴殿はグレンとの離婚の際に『二度と関わらない』と誓約した筈だが?」
おおう、兄ちゃんの声が絶対零度。
「まあまあ、ジェラルド様。ランチェスター公爵令嬢がグレンと別れて下さったから僕たちがグレンを夫にできたわけですし?」
こっわ。レイも煽ってくるよ。そしてマクシミリアン!笑いを堪えてるのわかってんだよプルプルしてんじゃねえ!!こいつ兄ちゃんより性格悪い!何があってもお前だけは嫁にしねえ!!
「そうよ!わたくしのものなの!グレンは、わたくしの、ものなの!返してちょうだい!!」
やなこった。ってか、俺はモノじゃねえんだよ。
「…ふっ……くくっ………ははは…っ!ああ可笑しい!最高の見せ物だ!従兄弟殿、酒でも持って来させましょうか?」
「えー、飲みたいけど…飲みたいけど、いらね」
「ふふっ…残念ですねぇ」
この状況で飲もうと誘ってくるマクシミリアンもおかしい。どいつもこいつも、《ちいさきもの》ってやつはイカれてる。
「グレン!もう許してあげるわ!だから…だから…!!」
なんで上から目線なの元嫁!?
「………ふ…無様ですね。貴女とグレンが別れてまだ1年も経っていないのに……グレンは変わらず…いいえ、以前より美しくなったのに。貴女は…」
「こっ…、の!レイモンド・マーキュリー!お前が!!お前が嫉妬してわたくしを醜くしたのね!?」
「グレンの開発した美容品や食べ物、ドレスを使えなくなったのは貴女方とグレンとの誓約でしょう?僕は貴女に裏切られて傷心のグレンを慰めただけですよ?この王都から商会を撤退させたのだってグレンと結婚して、他の妻たちと共にグレンを支えていこうと移住しただけ。きちんと引き継ぎは致しましたよ?そのあとは知らないですよ?だってそれって貴女たちの…王国の責任ですよね?」
レイが正論で辛辣すぎるwww
「グレン!あなた騙されてるのよ!!おかしいじゃない!あなたずっと狙われていたのよ!汚らわしい!!いくら美しくても男と閨を共にするなんて!!」
「…確かにずっと俺はグレンが好きだった。でも!アンタがグレンを裏切ったんだろ!?俺は!グレンが幸せなら良かった!諦めるつもりだったんだ!!なんでグレンを裏切ったんだよ!?それとも最初から騙してたのかよ!?」
ピュアだ…。うんうん、アルヴィン。そのまま育ってくれ。
「ジェラルド・ナイトレイ!!あんたの謀ね!?あんたがわたくしからグレンを奪ったのね!?グレン!ダメよ騙されないで!この男は変態じゃない!!実の弟に欲情する変態じゃない!!」
あっwうん、そこは否定できない。
「最初に私からグレンを奪ったのは貴殿だ、妖精姫。初心な弟をその貧相な体で誑かし、殺そうとしたのは貴殿だろう」
あなたにおすすめの小説
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
冤罪で堕とされた最強騎士、狂信的な男たちに包囲される
マンスーン
BL
王国最強の聖騎士団長から一転、冤罪で生存率0%の懲罰部隊へと叩き落とされたレオン。
泥にまみれてもなお気高く、圧倒的な強さを振るう彼に、狂った執着を抱く男たちが集結する。
人気アイドルの俺、なぜかメンバー全員に好かれてます
七瀬
BL
デビュー4年目の人気アイドルグループ「ECLIPSE(エクリプス)」に所属する芹沢 美澄(せりざわみすみ)は、昔からどこか抜けていてマイペースな性格。
歌もダンスも決して一番ではないはずなのに、なぜかファンからもメンバーからも目を離されない存在だった。
世話焼きな幼なじみ、明るく距離の近い同い年、しっかり者で面倒見のいい年上、掴みどころのない自由人、そして無言で隣にいるリーダー——。
気づけば、美澄の周りにはいつも誰かがいて、当たり前のように甘やかされていく。
【完結】逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。抱かれたら身代わりがばれてしまうので初夜は断固拒否します!
雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
隣国の国王キリアン(アルファ)に嫁がされたオメガの王子リュカ。
しかし実は、結婚から逃げ出した双子の弟セラの身代わりなのです…
本当の花嫁じゃないとばれたら大変!
だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、
だんだんキリアンに惹かれてしまい、苦しくなる…という
お話です。よろしくお願いします<(_ _)>
【完結】国に売られた僕は変態皇帝に育てられ寵妃になった
cyan
BL
陛下が町娘に手を出して生まれたのが僕。後宮で虐げられて生活していた僕は、とうとう他国に売られることになった。
一途なシオンと、皇帝のお話。
※どんどん変態度が増すので苦手な方はお気を付けください。
ストーカーから逃げ切ったのも束の間、転移後はヤンデレ騎士団に殺されかけている現実!
由汰のらん
ファンタジー
ストーカーから逃げていたある日、ハルは異世界に召喚されてしまう。
しかし神官によれば、どうやらハルは間違って召喚された模様。さらに王子に盾ついてしまったことがきっかけで、ハルは国外追放されてしまう。さらに連行されている道中、魔族に襲われ、ハルの荷馬車は置き去りに。
そのさなか、黒い閃光を放つ騎士が、ハルに取引を持ちかけてきた。
「貴様の血を差し出せ。さすれば助けてやろう。」
やたら態度のでかい騎士は、なんとダンピールだった。しかしハルの血が特殊だと知ったダンピールはハルを連れ帰って?
いっそ美味しい『血』(治癒)と『体液』(バフ)と『癒し』を与えるダンピール騎士団のセラピストを目指します!
悪役令息物語~呪われた悪役令息は、追放先でスパダリたちに愛欲を注がれる~
トモモト ヨシユキ
BL
魔法を使い魔力が少なくなると発情しちゃう呪いをかけられた僕は、聖者を誘惑した罪で婚約破棄されたうえ辺境へ追放される。
しかし、もと婚約者である王女の企みによって山賊に襲われる。
貞操の危機を救ってくれたのは、若き辺境伯だった。
虚弱体質の呪われた深窓の令息をめぐり対立する聖者と辺境伯。
そこに呪いをかけた邪神も加わり恋の鞘当てが繰り広げられる?
エブリスタにも掲載しています。
処刑される悪役令息に転生したらなぜか推しの騎士団長がグイグイ近づいてくる
猫に小判
BL
交通事故で死んだはずの会社員・田中悠人は、気がつくとBL小説『恋と陰謀~はじまりは夜に~』の世界に転生していた。
しかも転生先は、原作で処刑される悪役令息エリオット。
当然そんな未来は回避したい。
原作知識を頼りに慎重に立ち回るつもりだったのに、気づけば王宮を揺るがす事件に巻き込まれていき――。
さらに困ったことに、原作で一番の推しだった騎士団長ガイウスがやたらと距離を詰めてきて……?
平穏に生きたい元悪役令息と、過保護な騎士団長がじれじれ距離を縮める話。
ガイウス(騎士団長)×エリオット(元悪役令息)