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いのり
しおりを挟む「……っ、ぁ…………がっ………あ……ぁ…………!!」
腹を押さえて蹲る。
「「「グレン!!」」」
《穂高!!??》
あ~………うん。やばい。『痛い』なんてもんじゃない。すげえ勢いで食い進んでる。
なんと例えたらいいのか。えーと、ホラ、あれだ。腹の中にトゲトゲのボール突っ込んで掻き回したみたいな?え?わかりずらい?ああ、そう…。……………クッソ…痛え………。
……いいよ。産んでやる。もう飽きたんだろ?外に出たいんだろ?
「………ク、ロ?…っ………ぁ、…う……う、まれる、から…っ……」
《穂高!?…産まれる……?いや、でも待て。このような苦しみかたは尋常ではないぞ!?》
そりゃそうだ。オリジンの出産ってスポーン!って感じで痛みもなく産まれるんだから。自分の母体を食い破るような産まれ方はしない。
《穂高、其方……何を胎に入れたのだ…!?》
クロなら信用できる。
頭も良いし、物知りだし、力もある。オリジン時代でも、実質《高天》のハーレムを回していたのは筆頭眷属の《烈》だった。
兄ちゃんたちを、よろしく ーーー 。
クロごと兄ちゃんたちを転移で追い出して、城まること結界で包んだ。
城にいた奴は ーーー 諦めてくれ。
餌として骨も残らないだろう。
がりがり…ごりごり……。
ああ、削れていく。
根源までも食い尽くされている。
喰らうがいい。
俺は笑った。
私では考え付かなかった方法。
喰らうが良い。それは、お前にとって毒だ。
私は知ってしまった。
世界は残酷で、醜く、穢れていて、歪で ーーー けれど美しい。
愛しい世界。
愛を知ってしまった私の心ごと喰らうがいい。
毒に塗れたこの体を喰らって。
世界を、
あいして
ーーー 守ってくれ。
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年内完結を目指していましたが終わりませんでした…。あと数話です。良いお年をお迎えください(*´ω`*)
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