公爵令嬢は奪われる 〜悪役にならなかった公爵令嬢が辺境伯に嫁ぐまでの話〜

とうや

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閑話

第三王子は失恋する4

ローズマリーの不遇を聞いたのだろう。

フロレスタ本家の執事がローズマリーに度々 面会に訪れるようになった。

珍しい黒い髪にアメジストの瞳をした、どこか気怠い空気を纏う男だった。

女生徒が頬を染めて大騒ぎをしていたが、私にはそれほど良い男には見えなかった。

いけないことだとわかっていたが、私は隣室から魔道具を使い盗み聞きをする。

『だから!俺んとこ来いって言ってんだろ お嬢様!馬鹿かお前は!?ちゃんと食ってんのか!?何でそんな目が赤いんだよ!?何でそんな顔してんだよ!?』 

令嬢と執事というにはあまりにも気安い言葉に私は動揺する。

『…嫌よ。【私】はここにいる』

『…………っ!勝手にしろ!!』

執事が乱暴に扉を開ける音がする。

『 ーーー …あ!飯はちゃんと三食 食えよ!?またくるからな このクソお嬢様!』

乱暴に扉が閉まる。

そして執事はこともあろうか私の潜伏する部屋の扉を勢いよく開けた。

私は魔道具を壁に引っ付けたまま固まった。

「おい、そこの盗み聞き野郎!あいつがバカやんないか見てやっててくれ!なんかあったら【タケノコノサト商事】に連絡をくれ!」

執事は最近城下でも話題の商品を出す商社の名刺を置き、去っていった。
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