側妃、で御座いますか?承知いたしました、ただし条件があります。

とうや

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【シェパード公爵代理視点】

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運が向いてきた、と思った。

昔、息子が王太子側妃の側近に召し上げられたのは知っていた。側妃が産んだ子供が、王の瞳とも呼ばれる宝石瞳だと。


その双子の王子がをしているのだと。


うまくやったものだ。蛮族上がりの公爵家の娘。その娘は必ずになる。その噂を聞いて息子を『婚約者候補』に捻じ込んだ。『婚約者』にはきっと王家の王子がなるだろう。運良く王子の側近になれば御の字だ。真の目的は息子をシェパード公爵邸の外に出すだけなのだから。シェパードの血を引く息子は殺せない。それは勇者の血筋だからだ。だからこれは避難。息子を避難させるのだ。私は悪くない。

目論見通り、息子は王太子の側近になった。私は何度か王太子に目通りがしたいと息子に手紙を出していたのだが、ついぞ返事は返らなかった。

その息子はいつのまにか側妃に転がり落ちたの娘の護衛として転落した。なにをやっているのだ、は。

だが風向きが変わり始める。

側妃となった娘は愚かな王太子夫妻の代わりに公務をこなし、評判も上々。そして側妃の産んだ子供が宝石瞳。運が向いてきた。そう思った矢先だった。


双子の王子はらしい。


………黒髪。それは息子の髪の色だ。王家は代々、白に近い金の髪だが、シェパード家は黒髪。宝石瞳の双子の王子の父親は、私の息子だ。

運が向いてきた。

宝石瞳の双子の王子は将来、どちらかが王になるだろう。私は、王の祖父になる。

うまくやった。。双子の宝石瞳の王子の祖父なら宰相…いや、もっと上の地位も望めるだろう。

私はケイレブと側妃に会いに行った。私は双子の王子の祖父だ。祖父が孫に会いに行っておかしくはない。

だが、意気揚々と孫に会いにきた私に城の使用人たちの目が冷たく突き刺さる。冷え切った目で私を見る息子と側妃。生意気な。血統しか取り柄のない出来損ないの息子と、蛮族上がりの公爵家出身の側妃が。


「それで、私の孫は?」


気が利かない。普通は息子と側妃に会いたいと言えば孫も連れてくるだろう。


「宝石瞳の私の孫です。さあ、早く連れてきてください」


側妃の微笑みが消えた。なんだ?バレてないとでも思っていたのか?蛮族の娘は頭が悪いのか。












「ほう?ではお前はが不義の子だとでも言いたいのか?」




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